この作品はいかがでしたか?
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ある所に、宝石が産まれでる湖がありました
人間が知らない、未知の森の奥深くに、それはありました
然し、時たま、迷い込む生命がありました
迷い込んだ生命は、きっと湖から離れられない
美しく乱反射し、生きとし生けるものを逃さぬ様尚も美しくあろうとする湖に、逃す命などありはしない
迷い込んだ生命は、その地で命がカラカラになるまで干からびるしかありませんでした
動物、妖、霊魂、全て諦めました
然し、人間は諦めなかった
人間は他種族より機能する脳を使い、周りの生命に助力を求めた
ーーー
動物は他種族より機能する爪や牙を使い
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妖は他種族の持たない力を使い
ーーー
ーーー
霊魂は他種族より多く持つ知識を使い
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ーーー
そして人間は
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ーーー
ーーー
宝石から食を作った
普通は無理だ
石を食べて生き残るなんて
だが、生命は共通して、強い力を持つ
ーーー
ーーー
そして生命は進化した
宝石を吸収出来るようになった
それと同時に、
爪や瞳、骨、体液、それらが宝石へと変化し
他の食べ物を吸収する能力を失った
だが、それは些細な事だろう
何故なら
ーーー
然し湖も黙ってはいない
いや、正確には黙ってはいるが己が引き留めた生命に利用されるなんて、プライドが許さないだろう
そうして湖は、宝石に意志を込めるようになった
込められた石は姿形を持ち始め、敵対する
宝石を喰らう生命は狩りをする
生きる為に
然し外からの刺客もやってくるようになった
彼らは嬉々として、生命と宝石を連れ去っていく
同胞を奪われた感情は、時として敵をも仲間にする
生命と湖は同盟を組み、外敵を除く
武具は生命 食べ物は湖 互いに互いを利用し合い、生き残る
そして外敵が居なくなった時、本当の戦争は始まる
コメント
1件
争いなんて、尽きることは決して無いのだ