主
主
主
主
主
主
街から少し離れた人の賑わいも 小さく聞こえるその公園で 彼を思い出す
葵
葵
"別に、葵は葵のままでいいと思うけど?"
葵
そんなことを考えていると不意に視界に一輪の花が映る
青いフジバカマだった。
彼がいなくなった色を失った世界に 唯一色づいて見えるそれを摘み取り 自分の奥にしまった感情と一緒に消えてくれないかと思いつつ握りつぶす
さっきから一言も喋らない君を ただただ眺める
今にもどこかへ行って消えてしまいそうで、
物憂げな表情で花を手にとって握りつぶす君がそのまま彼との思い出を忘れて、自分のことが好きになってくれないかな
希來
君にどこにも言って欲しくなくて
君がいないと辛くて上手く息も出来なくて
希來
希來
当たり障りのない言葉をかける
葵
葵
少し驚いてからそう答え笑顔を作る君にはいつもの元気がなくて
なんて声をかければいいか分からなくて
希來
希來
葵
希來
希來
なんてどうでもいい話を持ちかけていると、
葵
君は僕ではないどこかを じっと見つめたまま
葵
希來
葵
希來
希來
葵
葵
希來
希來
希來
葵
葵
葵
葵
希來
葵
そう言い残してどこかへと行って しまう君を見送りながら
ただその場に立ち尽くす
希來
希來
行き交う幸せそうなカップルや家族を見て
自分が一方的に終わらせてしまった君の事を思い出す
桃也
会いたい
あの時のことを謝りたい
毎日思っている事
周りの腑抜けた空気につられたのか、今日はいつもに増して会いたい気持ちが強く、気づけば君を探してしまう
桃也
そう思うと考えるより先に 足が動いていた
桃也
他の誰かと笑ってると思うと
かつて自分に向けていた笑顔を他の誰かに向けていると思うと心臓が握り潰されたような感覚に陥る
桃也
桃也
そんなこと言ったら多分笑うんだろうな…なんて思いながら街ゆく人々の間を縫って走る
桃也
やっと見つけた君の後ろ姿に放った その一言はきっと人混みに紛れて 届いていない
それでもこちらを振り返り大きく目を見開く君に、今度は聞こえるように
桃也
主
主
主
主
主
主
青いまま枯れてゆく あなたを好きなままで消えてゆく 私みたいと手に取って 奥にあった想いと一緒に 握り潰したの
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
コメント
9件
好きです! フォロー失礼します!
切ないの僕大好物なんですよ/////
うぁッ、!!! こういうちょっと物悲しい感じも、クリスマスには付き物ですよね、、 今回も素晴らしいストーリー、ありがとうございます😊