あの日からずっと、 さゆりとひなたの噂ばかりが流れた。
女子からの質問攻めは なくなり、
ひなたも何も喋りかけてこなくなった。
さゆりはいつも通りに 話しかけてくる。
霧島さゆり
─い?
霧島さゆり
あおい?
霧島さゆり
大丈夫?
伊月あおい
あ、うん。
伊月あおい
先、越されちゃったな~って思って。
霧島さゆり
あ…うん…そうだね…
伊月あおい
さゆり、朝さ
霧島さゆり
ん?
伊月あおい
ひなたを向かいに行ってやって!
霧島さゆり
え、でも…
伊月あおい
好き同士なんだし、私が行ったらさゆりも気まずいでしょ?
伊月あおい
だからいいの…!
霧島さゆり
…そ。
毎日行ってたひなたの家にもさゆりに頼み、行かなくなった。
次の日
7:45
伊倉ひなた
…。
霧島さゆり
やほ。
伊倉ひなた
何で霧島が…
霧島さゆり
あおいから。あおいから頼まれたの。
伊倉ひなた
あいつ…まじか…。
霧島さゆり
ねぇ、なんであんなこと言ったの?
霧島さゆり
誤解されるに決まってんじゃん。
伊倉ひなた
…ごめん
霧島さゆり
嫉妬、させたかったんでしょ。
伊倉ひなた
…。
霧島さゆり
先に行っとくからね。
伊倉ひなた
(はぁ…馬鹿だな、俺。)
伊月あおい
ん…。
伊月あおい
もう7:30!?
伊月あおい
早く行かないと…っ
伊月あおい
あ、そっか。今日からないんだった。
伊月あおい
(なんか、こうやって見るとひなた…)
伊月あおい
(朝も起きられるようになったしお迎え要らないんじゃないかと思ったけど、)
伊月あおい
(毎日してたことが急になくなると、結構辛いもんだね。)
伊月あおい
本当にどうしたんだろ…私。
霧島さゆり
(こうやってあおいがしてきたことを体験したら…。)
霧島さゆり
(凄いな~…。あおい。)
霧島さゆり
え!?風邪!?
霧島さゆり
大丈夫?
伊月あおい
うん。
伊倉ひなた
あお…
伊月あおい
さゆり、トイレ行ってくる。
霧島さゆり
え、あ…うん。
伊倉ひなた
…。
廊下
伊月あおい
はぁ…
伊倉ひなた
あおい…
先生
伊月~。
伊月あおい
はい!
図書室
伊月あおい
(この本…面白そう。)
伊倉ひなた
あおい。
伊月あおい
フラッ…
伊月あおい
(あれ…)
ドンッ!(あおいが倒れる)
伊倉ひなた
あおい!
あおいの部屋
伊月あおい
ん…ここ…は…
伊倉ひなた
あおいん家。
伊月あおい
ひ、ひなた…何故ここに…っ
伊倉ひなた
お前さ、なんで逃げんの?
伊月あおい
…っ
伊月あおい
実を言うと、何かさゆりとひなたが一緒に居るとこを見るのが辛くて
伊月あおい
ひなたとも目を合わせれないし、さゆりともちゃんと喋れない…だ
伊倉ひなた
だから…避けたんか。
伊月あおい
コクッ…。
伊倉ひなた
それってさ…。
ちゅ(ひなたがあおいの唇にキスをする)
伊倉ひなた
…こういうことじゃねぇの?
伊月あおい
…なっ////
伊倉ひなた
俺、もう帰るわ。
伊倉ひなた
お前、もう避けんなよ。
パタン…
伊月あおい
…へ?////







