箱の世界

頭が箱の人物3人あり

1人は小さなガラスの箱

1人は立派な木の箱

1人は古いガラスの箱

顔がない頭も分からない、目鼻口と呼ばれるものは見えない 箱そのものだ

しかし箱から下は普通の人で手もあるし足もある

律の娘 結月は文句も言わずに食べているが

律の母 莉子は文句ばかりいいほとんど残している

頭が箱なのにどうしてものを食べられるのか と聞かれれば

蓋を開けて食べている

ガラスの少女はびんの蓋のようにペットボトルのキャップのように

自分のガラスの箱の蓋を開けて食べ物を放り込んでいた

ガラスの箱なので食べたものが全て透けてしまっている

夜歩くガラス箱の結月

律と結月、 莉子の寝室は離れている

莉子が呼び出していた

結月は寝ぼけてた

空になっていたガラスの箱はキャンディつでいっぱいになった

どうぞ、とキャンディひとつを莉子に手渡した

ひとつだけ取り出した

言いながら莉子は結月の箱の底に右手を突っ込みだした

普通の人で例えるなら大きく開けた口の奥の方まで手を突っ込んでいるようなものか

人と違うのは歯がないので苦しくても手を噛むことが出来ないことだ

莉子は箱の中で取り出せる量を確かめていた

律が寝ているすきに甘いものを集めてやろうというのが莉子の作戦

だが律が娘の不在に気づくのは早かった

律が莉子の箱を殴ってしまった

莉子の箱は古いガラス製なのでもうバラバラに砕けてしまった

同じガラスだった結月はなにも傷ひとつなく無事

箱が壊れるということは頭が割れることに等しいため

莉子は死んでしまった

死んでしまった莉子の左手からふたつの飴が落ちると

律は拾った飴を2人でわけあった