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双子との契約が無事済んだあと。

グレイス

…あら?

私はテーブルの上に、見知らぬ包みが置かれていることに気が付いた。

グレイス

メイ

グレイス

これは…?

メイ

あぁ、これは…

メイ

メイ

…その、

グレイス

…?

グレイス

どうしたの?

メイ

メイ

実は…

メイ

ステラお嬢様が…

グレイス

ステラが?

メイ

はい

メイ

さきほど、こちらにいらっしゃいまして…

メイ

お嬢様に、渡してほしいと

グレイス

私に…?

グレイス

グレイス

中身は?

メイ

確認しておりません

メイ

ご覧になりますか?

グレイス

グレイス

ええ

…この家では、誰かに贈り物をすることは滅多にない。

それが、殺し合う間柄である兄弟間ならなおさら。

たとえもらったとしても、毒や罠が仕掛けられているとしか考えられない。

いくら贈り主が、継承戦の最弱候補である気弱な少女とはいえ、不審感はぬぐい切れなかった。

しかし…。

グレイス

グレイス

これは…

グレイス

…クッキー…?

メイ

手作り、でしょうか…

メイ

平民の娘がやりそうなことですね

グレイス

…味の感想ついでに、部屋に来いってことね…

グレイス

面倒だわ…

私は短くため息をつくと、包みから一つ菓子を取り出し、それを口に放り込んだ。

メイ

ぁ、あぁっ!

メイ

駄目です、お嬢様!!

メイ

何か入ってたりでもしたら…っ

グレイス

仕方ないでしょう

グレイス

感想は、私が言わなくちゃいけないんだから

メイ

で、ですが…

グレイス

メイ

メイ

なんとも、ありませんか…?

グレイス

グレイス

…ええ

グレイス

特に、何も

メイ

そ、そうですか…

グレイス

ここで私を毒殺できたとしても、ステラが疑われるだけよ

グレイス

そんな危険を、あの子がわざわざ犯すとは思えないわ

メイ

そう仰いますが…

ヒース

ねーちゃーん!!

メイ

メイ

ヒース様

グレイス

ヒース…

グレイス

ノックくらいしてちょうだい

ヒース

あっはは

ヒース

ごめんごめん

ヒース

…って、うぉっ!?

ヒース

なんだ、このチビッ子は!?

グレイス

あら

グレイス

会うのは初めてだったかしら

グレイス

あなたの弟と妹よ

ヒース

弟と…

ヒース

妹!?

ヒース

まさかこいつら、あの化け物か!?

ヘル

あめ…

ヒース

うわぁっ!?

ヒース

なんだ!?

ヘル

あめ…

ヘル

あめ、ちょーだい…?

グレイス

まあ

グレイス

もうなくなっちゃったのね

ヘル

あめ…

ヒース

こ、こっち来んな!

ヒース

ちょ、姉ちゃん!

ヒース

なんでこいつらがここに、

グレイス

私が連れてきたのよ

ヒース

つ、連れてきたぁ!?

グレイス

えぇ

グレイス

駄目だったかしら

ヒース

姉ちゃん、本気で言ってんの!?

ヒース

こいつらは、帝都を滅ぼすかもしれない化け物…

ヒース

ガルシオンの失敗作!なんだよ?

ヒース

なんのために、今まで地下に隔離してたと思って、

グレイス

グレイス

ちょうどよかったわ、ヒース

ヒース

へ…っ?

グレイス

メイ

グレイス

今すぐステラ、そちらに伺うと伝えてちょうだい

グレイス

ついでに、追加の飴も持ってきてあげた

メイ

まさか、お嬢様…

メイ

ステラ様のところに行くおつもりですか!?

グレイス

そうよ

グレイス

面倒事は、早く済ませちゃいたいしね

メイ

メイ

わかり、ました

グレイス

その間、ヒースはこの子たちを見ていてくれる?

ヒース

え、ええっ!?

ヒース

俺が、コイツらを!?

グレイス

ええ

グレイス

嫌?

ヒース

嫌だよ!!

ヒース

なんで俺が、

グレイス

ステラに会いに行かなくちゃいけないのよ

ヒース

ステラって…

ヒース

あの平民に?

グレイス

クッキーをもらったから、その感想を伝えにね

ヒース

ヒース

姉ちゃんは俺よりも、ステラのほうが大事なの…?

グレイス

そういうわけじゃないわ

グレイス

それに、2人は思ったよりもいい子たちよ

ヒース

グレイス

ね、

グレイス

お願い

ヒース

ヒース

…ッ

ヒース

あぁもう!

ヒース

わかった、やるよ!!

ヒース

やればいいんだろ!!

グレイス

ふふ

グレイス

ありがとう

グレイス

さすがヒースだわ

ヒース

~っ!!

ヒース

おい、ガキんちょ!

ヒース

さっさと俺の部屋に行け!!

ヒース

遊んでやるから!

グレイス

じゃ、あとはよろしくね

グレイス

ヒース

ヒース

ヒース

…今度はちゃんと、僕とも遊んでよね

グレイス

もちろんよ

グレイス

わかってるわ

私はそう言ってヒースに微笑むと、自室をあとにした。

グレイスとメイが部屋を出て行ったあと。

俺は面倒事が増えた苛立ちに、くしゃくしゃと頭を掻きむしった。

ヒース

…チッ

ヒース

なんで俺が、ガキのお守りなんか…

ヒース

ヒース

ヒース

そういや、これ…

ヒース

確か、姉ちゃんが平民のガキにもらったっつーやつか…

ヒース

ヒース

…はあ

ヒース

馬鹿だよなあ、姉ちゃんも

ヒース

毎日メイに、毒を盛られてることも知らねえで

ヒース

ヒース

…今度試しに、鎌をかけてみるか

そう言いながら、俺は試しに包みに入ったクッキーを一つ、口の中に放り込む。

その時。

ヒース

…っ!?

ヒース

う、ぉえっ、ぁ…っ

ヒース

げほげほげほッ!!

ヒース

は、ぁ…っう、

ヒース

ヒース

………

ヒース

…この、毒…

ヒース

ヒース

………………………………あぁ、なるほど

ヒース

…アイツか

公爵家のデスゲーム~たった一人しか生き残れない公爵家で、悪女は当主になる~

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