オマケ回2【4期"】呪われ宿命に刻まれた罪と罰が残った女極道達

見つからない無色白紙（中編）

ママはいつも　笑ってた

だから私も

乗り憑いたように 笑った

辛くて　涙を抑えきれない時も

いつも

いつも ママは笑った

幸せだった

その時が一番幸せだった

世界一のママと 世界一の家庭

大好きなぬいぐるみ 大好きな絵本

それが永遠に続く事は ただの夢に過ぎなかった

パパは、… 本当にたまにしか家に来ない

パパが来る時は

ママは嬉しそうだった

だから、私も嬉しいと 思おうとしてた

でもどうしても 怖かった

ｶﾁｬ＿

パパは、優しかった 優しく話しかけてきて。 おもちゃもくれて

それでも＿＿

パパの濁った目が 怖くて仕方なかった

ママは、 気づいてなかった

今考えれば

自分の彼氏が 詳しい仕事先も教えず

いつまで経っても 結婚してくれない。

そんなの可笑しいって 普通ならわかるはずだよね

本当に 悪いとこまで、純粋で 馬鹿だったんですよ

私の8つの誕生日の前日

優しいママの声とは思えない程 悲痛な声だった気がする

ﾌﾞﾁｯ…ﾌﾟｰﾌﾟｰ

おかけになった電話番号は 現在使われていないか＿＿

始めて見たママの泣き顔

始めて聞いたママの嗚咽

いくら私が泣いても

ママは笑ってくれなかった

その次の日の誕生日の記憶は 正直曖昧

タンスや家具は倒れてて 食器は割れて　 部屋中はぐちゃぐちゃで

毎年作ってくれたケーキも

毎年くれたぬいぐるみも

毎年言ってくれた 『大好き』もなかった

幼いながら そんな母を見て 何もいえなかった。

押し殺した声と涙は

やっぱり ママは気づいてくれなかった

ｶﾞｼｬｱ"ｧｰﾝ!

自暴自棄になって 暴れてる声じゃなくて

まるで死を目の前にした 断末魔に聞こえた"

そんなか細い声しかでなかった

身体が一気に震えて 地面に漂う血と 見たことないママの姿

そして…

私が感じた濁った"何か" それは間違いじゃなかった

ﾊﾞﾝｯ"!!

人間は極限になるとかえって 冷静になる。それは幼子でも同じ

どこか、こんな可笑しい父親に 納得しちゃった自分がいた

だって… こっちの方があの濁った目と 自然だったから、、‥

でもそんな子供に 運命は待ってやくれない

『「に"ｯ…げ…』」

なぜか無意識に身体が動いた

またゾワリと 身体中に寒気が走った

何故かその言葉を聞いて 無理やり逃げ去る気がなくなった

いや…その覇気を目の前にして 動けなかった

ここからは私が "真実"を知った話

もう私には時間が残されて ませんからね。 手短に掘り返しましょうか

神様

もう少しだけ時間をください

次回 いつだって白紙の選択肢（後編）