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遊
え...？本当に？
彼岸
そうだよー☆言ってなかったっけ？☆
彼岸
あれは瑠流ちゃんがまだ幼かった頃...
刹那
回想はまた今度にして...
彼岸
んにぇ⁉︎☆
刹那
どうですか？
彼岸
んー...メイドってあのメイド？☆メイド服着てるあのメイド？☆
刹那
そのメイドです
彼岸
でも、あーしは“クビになった”立場だよ？☆
遊
“クビになった”...？それって
刹那
それでもお願いします
彼岸
まあ、出来ないことはないけどー...☆
刹那
けど？
彼岸
一応、さっきいっせーが言ったように美術部の展示会の準備もやらなきゃいけないし...☆
刹那
それに関してはご安心を。当日短時間でいいので助っ人として、参加していただくだけですから
彼岸
...ん？☆当日？短時間？助っ人？☆話が全然見えない☆
彼岸
もしかして...そのメイドって瑠流ちゃんのじゃないパターン？☆
刹那
？当たり前じゃないですか
彼岸
何だよー‼︎何かおかしいと思った‼︎☆
彼岸
じゃあ何のメイドなのさ‼︎☆
遊
メイド喫茶のメイドです
彼岸
メイド喫茶？☆それって文化祭でやるの？☆
遊
はい、一応そのつもりです...
彼岸
それなら全然参加するよ‼︎☆てっきりもう一回、猫屋敷家に戻るのかと思ったじゃん‼︎☆
彼岸
もう刹那ちゃんは昔から大事な説明すっ飛ばして、本題に入るからヒヤヒヤするよ...☆
刹那
言ってませんでしたか？
彼岸
言ってないよ‼︎☆
彼岸
じゃあ詳細はまた後d
一生
もがー‼︎ぐぬぬ、もがー‼︎
彼岸
あ...忘れてた☆
すると茜は彼を解放し ガムテープも取った。
一生
何なんだテメェ‼︎蛇ヶ崎‼︎この馬鹿力‼︎
茜
お前がやかましいからだろ
一生
そりゃ、こんな訳分かんねぇことになったらそうなるだろうが‼︎
一生
てか何だ？元メイド？メイド喫茶？
一生
情報量多過ぎて、頭がぶっ壊れそうなんだけど⁉︎
彼岸
まあまあ、また今度詳しく話してあげるから☆
一生
てか、テメェ‼︎何勝手に助っ人になること承認してんだ‼︎
一生
人手が足りない状況考えてねーだろ‼︎
茜
...おい、贄川
一生
あ？何だ暴力女
茜
他の部員はどこに行ったんだ？
一生
他の部員ねぇ...そんなモンいねーよ
茜
どういうことだ？
一生
一生
“幽霊部員”ってヤツだよ
茜
“幽霊部員”...
一生
この学校は1年生は部活に入ることが必須だろ？
一生
その時、本当に部活をやりたいヤツと面倒だから早く帰りたいヤツに分かれる
一生
それで面倒なヤツらが、美術部なら楽だろって理由で入部してバックれてるんだよ
一生
クソッ‼︎美術部が楽だぁ⁉︎ざけんなッ‼︎
一生
何も分かってないヤツらばっかりだッ‼︎
瑠流
...贄川君は凄いね
一生
あ？何がだよ
瑠流
だって、美術に対して真剣に向き合ってるの...偉いよ‼︎
一生
偉いって何でそんな上から目線なんだよ
瑠流
違う‼︎私は...
刹那
あなた、瑠流様に対して無礼を働く気ですか？
一生
はあ？テメェは何様だよ
一生
この女が先に無礼を働いただろ
刹那
...その口、二度と話せないようにs
瑠流
刹那‼︎落ち着いて‼︎
刹那
ですが
瑠流
私のことは大丈夫だから‼︎
刹那
...かしこまりました
刹那
命拾いしましたね
一生
何がだよ、うっせーな
茜
贄川、一つ提案があるんだけどいいか？
一生
提案？
茜
人員が足りてないなら、アタシ達が準備を手伝う
瑠流
えっ？
遊
えええっ⁉︎
一生
...何が目的だ？
茜
目的は一つだ、榊原先生をメイド喫茶へ助っ人として頼みたい。ただそれだけだ
一生
テメェらみてーな素人には、できるとは思えないな
茜
やってみなければ分からないだろ
一生
はぁ...蛇ヶ崎さ...
すると一生君は ゆっくりと茜に近付くと 勢いよく胸ぐらを掴んだ。
一生
こっちは美術に命かけてんだよ
一生
この展示の絵はな、コンクールの審査員が観に来る大切な絵なんだ
一生
このコンクールの入賞次第で将来が左右されるんだよ
茜
将来って...まだ高1だろ
一生
俺が行く大学は、大学主催の高1を対象としたコンクールの作品が一つの加点になるんだ
一生
その大学に行くのが俺の夢なんだ
一生
だから、テメェらみてーな遊びで文化祭やってるヤツらと一緒にされたくねーんだよッ‼︎
彼の怒号は美術室内に 響き渡り、私達は 何も言い返すことが できなかった。
一生
...帰ってくれ
茜の服から手を離し 彼は静かに言った。
茜
...行くぞ
一生
二度と来んな
茜
....
私達は茜に従い 誰一人言葉を発さず 美術室を後にした。
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