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最後体が増えたりして来て怖くなかったけど誰か一緒にトレイ行こ.....
──この物語は「僕」の物語だ
僕は毎年、誕生日になると父親と一緒に
北関東にある山寺へ行くのが恒例行事になっていた
父親
僕
山寺へ向かうまでは、かなり急な山道と階段を登らなければならなかった
秋になり涼しくなってはいたが、父さんの額には汗が滲んでいた
僕
父親
父親
父親
僕
僕
父親
尼僧
僕
尼僧
尼僧
尼僧
僕と父さんは尼僧二人に
本堂へと案内された
父親
僕
住職
住職は父さんの親戚らしく、髪型以外はよく似ていた
住職
尼僧
父親
住職
住職
僕
住職
住職
僕
父親
父親
僕
住職
気づくと、十数人の尼僧が本堂の中で横並びに立っていた
やはり皆若く、着ている袈裟のせいもあり
よく似ているように見えた
父親
僕
父親
僕はなぜか不安になり、父さんの顔を見ることができなかった
夜・人気のないキャンプ場
桐谷時生
桐谷時生
今日は僕の『誕生日』だ
桐谷時生
桐谷時生
僕の手にはナイフがある
月明かりをわざと反射させて鈍い光を見つめた
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
4年前・時生13歳の誕生日の夜
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
僕はベッドで横になり、スマホを見た
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
僕は目を疑った
桐谷時生
桐谷時生
思わずスマホを落とす
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
僕は目の錯覚だと思い
左手で目を擦ったが
左手にも違和感があった
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
やはり、目がおかしいのかと思ったが
違った
僕は悲鳴を抑えるので精一杯だった
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
ふたつに裂けているのではなく、同じように分かれていた
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
桐谷時生
僕の体は頭と両手足から分裂をしていた
不思議なことに痛みは少ししかなかった
ふたつに増えた体が入りきらなくなって
服まで裂けはじめていた
──ミリミリミリミリ、ミリミリ
僕の耳には気持ちの悪い
肉が増えながら裂ける音が聞こえていた
桐谷時生
桐谷時生
気づくと僕は、生まれたての赤子のように
血液と粘液に塗れたまま
突然現れたもうひとりの僕と向き合っていた
桐谷時生