絶望勇者

僕はずっと前からユゥ兄の事が好きだった

ユゥ兄は僕の事嫌いみたいだけど

僕はユゥ兄の事が大好きで大好きでたまらなかった

これは兄弟愛とは何かが違うような気がする

父さんや母さんはユゥ兄の事を出来損ないって言ってる

どこが何だろう

僕よりカッコよくて

僕より優しい

それなのに両親はいつも僕だけを褒める

僕は何も頑張ってない

しろと言われてしてるだけ

両親はこれを天才という

僕はユゥ兄の方がよっぽど天才に見える

努力して目標に向かって頑張ってる

僕は飽きっぽいからすぐに全て飽きてしまう

そんな僕の飽きなかった人

僕の兄ユラン

ユゥ兄はいつも違う

笑ったり怒ったり、泣いたり悔しがったり

周りの人は全員面白みがなかったのに

そんな僕の人生に色を付けてくれたのがユゥ兄だった

そんなある日

ユゥ兄が魔物討伐に行くときいた

その時僕があんな事を言ってなければ

こうはならなかったかも知れない

大体の魔物を倒して帰ろうとしたとき

巨大な魔物が現れた

兄は完全に怯えていた

本人はそれには気づいてなかった

数秒して兄は決心したのかアリスさんに僕を預けた

兄が必死に魔物と戦ってる

あらかた体力を削って油断したのか

魔物の攻撃が僕にあたった

兄の表情は一瞬で変わった

いつも冷静な兄が

怒り狂った怪物の様に見えた

キレイだと思った

そんな中アリスさんはニタニタと笑っていた

ﾄﾞｯｶﾞｰﾝ!!!!