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燎煉火力発電所
読者さん
（ふぅ……）
読者さん
（いったい何百……いや、何千個の空き缶を処理したんだか）
少し痺れてきた手を止め
何回目かもわからぬ水分補給
フッと……気になった
読者さん
（今って何時なんだ？）
読者さん
（こんな窓のない部屋じゃ時間の概念は薄れるが……）
自然的な流れで視線を後ろに振り向く
あれからとても時間が経っていて少し安堵した
腕の程よい痛みが心地よかった……が
智美
今時計見たでしょ
読者さん
あ……あはは
読者さん
す、少しだけ
読者さん
……
読者さん
なんか、ごめんなさい
智美
別にいいよ
特に怒ってるわけじゃなさそうだが……
空き缶をただひたすら潰すのに飽きは感じていた
しかし彼女は特に何をするでもなくこちらを延々と凝視している点では同じものか……
智美
どう感じた？
読者さん
どうっ……て？
唐突な質問に少し驚く
しかし彼女の若干微笑んだ表情から察するに
暇だったに違いない
読者さん
もうこんな時間かぁ……なんて思ってました
智美
そう……良いじゃないの
読者さん
えっ？
読者さん
そうなんですか？
なんか褒められた気がした
その意味をまだ深くは知らなかったが……
知れば【そうなのだろう】と納得できる
智美
思ったより時間が経っていた……
智美
それは仕事に対して集中をしていたからだと私は思うわ
読者さん
な……なるほど
智美
逆に時間がそれほど経っていないのなら
智美
それは真剣じゃあ無いのよ
智美
……
智美
きっとね
言い得てそのとおりだと思う
楽しかったり忙しい時ほど時間は速い
つまらなかったり暇な時ほど……逆もまた然り
智美
さて集中力が切れかかった所で……
智美
休憩にしましょうか
読者さん
おーっ
読者さん
嬉しいなぁ
智美
アンタ幸せね
智美
８時間きっちり働くんだもの
智美
１時間の休憩は義務よ
読者さん
何をすれば良いんですかね？
智美
メシを食うも良し
智美
遊ぶも良し
智美
１時間後にここに居て仕事始めれば何したって構わないわよ
智美
文字通り【休憩時間】なんだから
読者さん
ありがとうございます
智美
お礼なんていいのよ
智美
当たり前のことなんだから
智美
さっさと行きなさい
智美
時間がもったいないわ
読者さん
行ってきます！！
智美
はいはい……
智美
アンタも疲れ知らずねぇ
智美
（さて私はおやつタイムにしますかねぇ）
肉体に休息を
精神に安寧を
休んで息を調える
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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