テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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とある物書きの挑戦譚　【第三期】

第11話 - 企みと真実

500

2022年06月18日

#ファンタジー

#一次創作

#異世界転生

#転生

#異世界

【セオドアの自室】

カッカッカッカッ…

バタン！

ベル

セオドア！

ベル

貴方、

ベル

自分の従者にどんな教育を施してるわけ！？

セオドア

！

セオドア

…。

テオ

ふえぇ、ベル様ぁ〜っ！

エドガー

ルドルフが僕を殴ったー！怖かったよぉおお！

ベル

よしよし、可哀想に。

ベル

もう大丈夫よ。

テオ

うわぁあんっ！

エドガー

ベル様〜っ！

ベル

…。

ベル

ちょっとセオドア、聞いてるの！？

ベル

なんとか言いなさいよこのクズ！

バンッ！

（近くにあったクッションをセオドアに投げつける）

ベル

特別にこの私が教えてあげるけど、

ベル

貴方の従者ルドルフとかいう男は、

ベル

私のテオとエドガーに暴行を加えたのよ！

ベル

私のペットは優しく扱えって、この前言ったわよね？

ベル

貴方、どう責任を取るつもりなのかしら⁉︎

セオドア

…。

セオドア

ペラッ、（セオドアがベルに背を向けて本のページを捲る）

セオドア

俺は知らん。

セオドア

責任も何も

セオドア

男の喧嘩くらい良くあることだろ。

ベル

はぁっ！？

ベル

貴方本気で言ってるの！？

ベル

ほっとけるわけないでしょう！！

ベル

私のかわいいペットの虐待を喧嘩呼ばわりするなんて

ベル

頭おかしいわよ！

ベル

異常だわ！

セオドア

おかしいのはお前の方だ。

ベル

！

セオドア

…。

　スッ（セオドアがテオとエドガーに近づく）

テオ

！

エドガー

！

セオドア

正直に言え。

セオドア

なんでルドルフに暴力を振るわれた？

セオドア

ことの発端を言ってみろ。

エドガー

！

テオ

そ、それは…。

ベル

ちょっと何！？

ベル

うちの子が悪いとでも言いたいの⁉︎

セオドア

静かにしてくれないか。

セオドア

俺は今この従者と話してるんだ。

セオドア

なぁ、

セオドア

ルドルフは仕事で

セオドア

クリジア人の調査をしていたはずだ。

セオドア

調査中のアイツは自分が目立つのを嫌う。

セオドア

余程なことがない限り、

セオドア

アイツは暴力なんてふるわない。

セオドア

一体アイツに何をした？

セオドア

正直に言え。

テオ

！…

テオ

そ、それは…その。

エドガー

えっと…。

セオドア

…。

テオ

！

エドガー

…。

セオドア

…黙り込んでも無駄だ。

セオドア

お前達がアイツの仕事を妨害したんだろ？

セオドア

俺には全て見えている。

テオ

ひぃっ！？

エドガー

ひっ！

ベル

！

ベル

ちょっと、気安く私の子に近づかないで！

テオ

！

ベル

テオ、エドガー、貴方はもう部屋の外にいなさい。

ベル

私が話をつけてあげるわ。

テオ

は、はい…。

エドガー

…。

セオドア

…。

パタンッ（テオが部屋から出る）

ベル

…

ベル

はぁ…。

ベル

セオドア。

ベル

貴方ってホント最低な男ね。

ベル

貴方がセシル様に好かれない理由がよーく分かったわ。

ベル

貴方、性格が悪いのよ。

ベル

お友達もできない

ベル

妻の言いつけも守らない。

ベル

ろくな才能も特技もない

ベル

そんな男、家族から嫌われて当然だわ。

セオドア

…。

ベル

はぁっ…。

ベル

どうしてこんな男が私の夫なのかしら。

ベル

私がかわいそうで仕方ないわ。

ベル

新しいドレスがちっとも手に入らないし…

ベル

可愛い動物を飼うこともできない

ベル

ましてや、

ベル

こんな田舎じみた城で貴方なんかと暮らすなんて拷問よ。

ベル

いい？

ベル

私は顔立ち、

ベル

性格

ベル

身分ともに貴方と違って一流なの。

ベル

加えて

ベル

私を好きな男は、王族を含め沢山いる、

ベル

それもみんな貴方より格上。

ベル

よって、

ベル

今後私にまた反抗的な態度を取ったら

ベル

私に夢中な殿方が容赦しないわ。

ベル

いい？

ベル

何度も言うけど

ベル

貴方は紛れもなく格下なのよ。

ベル

か

ベル

く

ベル

し

ベル

た。

ベル

酷い目に会いたくないのなら、今から態度を改めなさい。いいわね？

セオドア

…。

セオドア

話はそれだけか？

ベル

？

セオドア

内容は大体理解した。

セオドア

お前はやっぱり俺のことを夫として見てないんだな。

セオドア

遊ぶ用の金ならそこにあるから持っていけ。

ベル

！

セオドア

俺はもう、お前には冷めた。

セオドア

これから先は

セオドア

その“殿方”に可愛がって貰えばいい。

ベル

！！

ベル

フン！

ベル

言われなくてもそうするわ！

ベル

このクズ男！覚えてなさい！

パタンっ！

セオドア

…。

セオドア

…はぁ。

セオドア

（あー、スッキリした。）

セオドア

（初めからこういえばよかった。）

セオドア

にしても、

セオドア

ルドルフが暴力を振るうなんて

セオドア

シゼの身に何かあったのか…？

ベル

チッ！

ベル

なんなのよアイツ！

ベル

私を見下すような目で見るなんて、

ベル

何様のつもり！？

侍女

まぁまぁベル様

侍女

そんなに怖い顔をしないでください

侍女

眉間にシワができていますよ。

ベル

！

ベル

…ﾁｯ。

侍女

マッサージをさせていただきます。

侍女

脚をぶらんと下げて、楽にしていてくださいね。

ベル

…。

テオ

ベル様っ、

エドガー

余計なことをさせて…ごめんなさい。

ベル

！、

ベル

いいのよ。

ベル

貴方達はなんにも悪くないわ。

ベル

そんなことより、はい。

ベル

“お手”

テオ

！

エドガー

！

エドガー

わんっ！

テオ

ばうばうっ！

ベル

ふふ、いいこね。

ベル

後でいっぱい可愛がってあげるから、

ベル

そこに座ってなさい。

エドガー

ばうーっ！

テオ

わんわんっ！

侍女

…。

ベル

ふふ、

ベル

…。

ベル

はぁ…

ベル

あの下劣な泥ネズミのせいで私の気分が台無しだわ。

ベル

はやく間抜けな男どもに会いたい…。

ベル

そして

ベル

アイツらから思いっきり金だけ搾り取って楽に暮らしたいわ。

ベル

侍女

その夢を叶えるためには、子供を産まなければなりませんね。

侍女

セオドア様の代わりに誰の子供を産むおつもりですか？

ベル

それは秘密よ。

ベル

テオ

えーっ！？秘密！？

ベル

ええ。絶対に言えないわ。

ベル

なにせ、相手はとっても偉いお方なのだから。

ベル

老害（セシル）とケチ貴族（セオドア）も一瞬で滅んじゃうほどに…

侍女

！

侍女

セシル様からも権力を奪うおつもりなんですか？

侍女

あの方は、ベル様に多額のお金を贈与してくださっていますが。

ベル

おっほほほ。

ベル

貴方ってブスな上に馬鹿なのね。

ベル

あんな金、とても多額とはいえないわよwwww

ベル

ドレスが8枚しか買えないお金で私を満足させようだなんて、年寄りってやっぱりアホね。

ベル

いい？

ベル

私がアノ方との子供を産めば間違いなく、

ベル

次の外交大臣は私の家の者になる。

ベル

10代にわたるレティオール家の外交大臣の歴史はもうおしまい。

ベル

セオドアは私を馬鹿にしたことを後悔して首ちょんぱになってもらいましょ。

侍女

あら、こわい。

侍女

お嬢様がそんなことまで出来てしまうほどの殿方はすごい人なのですね。

侍女

私、とっても楽しみです！

ベル

うふふ。

ベル

楽しみにしてなさい。

ベル

（セオドアめ…私のペットを馬鹿にした罪は大きいわよ）

ベル

（私を甘く見たこと、後で絶対に後悔させてやる！）

ベル

（…ねぇ、貴方もそうでしょ？）

ちらっ（ベルが机の上に置かれた手紙を見る）

ベル・マージンへ

第二王子クロエ・ゾチニアより

ベル

（私にメロメロだった貴方は、私の味方よね？）

ベル

（ギリカール国王の御子息、クロエ様…。）

一方その頃

レン

…。

レン

シゼ、大丈夫かな？

レン

（さっき別れたばかりだけど、心配なって戻ってきちゃった）

レン

！？

レン

あれは！？

ルドルフ

それでさー。セオドアが_______

シゼ

セオドア様が______を？

シゼ

それは楽しみですね。

レン

…。

レン

（ア…）

レン

((((アイツ…！！！)))))

レン

（なんでシゼとルドルフと一緒にいるんだ！）

レン

（しかも、あんなに楽しそうに！）

ルドルフ

シゼちゃんシゼちゃん。

ルドルフ

今日は俺の仕事に付き合ってくれてありがと。

シゼ

はい。

シゼ

私の方こそ、マリア様を気遣ってくださりありがとうございました。

レン

（！、シゼ…笑ってる）

レン

（そんな…なんでだシゼ！）

レン

（ルドルフは危険だとこの前教えたばかりなのに！）

ルドルフ

いえいえ。

ルドルフ

また、シゼちゃん執筆の小説とかについて3人で話そうね〜。

シゼ

！

シゼ

えっ！小説！？

レン

！

レン

（どうしたんだシゼ！）

レン

（目を見開いて…まさか脅されたのか⁉︎）

シゼ

ル、

シゼ

ルドルフ様、なぜそれを…？

ルドルフ

マリアちゃんから聞いた。

シゼ

！…

シゼ

（マリア…！！）

レン

（シゼが震えてる！！）

レン

（かわいそうに）

レン

（やっぱり僕がずっと側にいてあげるべきだった！）

ルドルフ

ぷはっwすんごい目wwww

ルドルフ

いいじゃん、俺は素敵だと思うよ。

ルドルフ

自分で物語書くなんてなかなかできないよ。

シゼ

！、そ

シゼ

そうですか？

ルドルフ

うん。

ルドルフ

自信持ちなよ。

ルドルフ

その方が素敵だよ？

シゼ

！

シゼ

は…はい。

ルドルフ

うん、それでいい。

ルドルフ

また今度、気が向いたら読ませてね。ﾆｺｯ

シゼ

はい…。

シゼ

（イケメンだ…。）

レン

（このクズめが…。）

ルドルフ

じゃあ、

ルドルフ

俺、この後用事があるからそろそろ帰るね

ルドルフ

マリアちゃんに、向こうでもお幸せにって伝えておいて

シゼ

！、はい。

ルドルフ

あ、待って

シゼ

？

ルドルフ

大事なこと言い忘れてた。

ぐいっ

（セオドアがシゼを引き寄せる）

レン

⁉︎

シゼ

！…

ルドルフ

…。

ルドルフ

シゼちゃんさ、

ルドルフ

また困ったことがあったり、

ルドルフ

気になることがあったら

ルドルフ

いつでも俺かセオドアの部屋においで。

ルドルフ

俺の仲間はみんなシゼちゃんのこと知ってるから、

ルドルフ

きっと歓迎するよ。

シゼ

！

シゼ

は…はい。

ルドルフ

うん。ﾆｺｯ

ルドルフ

それじゃあまたね。

レン

…。

レン

ッ…！

レン

(((((((アイツーーッ！！！))))))

レン

（ルドルフめッ！シゼにベタベタと触りやがって！！）

レン

((((彼女は僕のだぞー！)))))

数分後【レンの部屋】

レン

なんなんだアイツは！

レン

僕のシゼなのに、

レン

近づいて話したりなんてして！

レン

僕のシゼに近づくなとあれほど言ったのに！！

レン

ていうか、

レン

シゼもシゼだ！

レン

僕の忠告も守らず、

レン

危険な男とあんなにくっついて！

レン

ぬぬぬ…！

レン

！

レン

ﾊｯ…！

（レンが鏡に映った自分の顔を見て驚く。）

レン

わっ、僕の顔こわっ…。

レン

（だめだだめだ、落ち着かなきゃ）

レン

（いいことを思い出せ…いいことを…）

レンさん、

カイトぼっちゃまが呼んでますよ。行きましょう。

レンさんはカードゲームが得意なんですね、すごいです。

よいしょっと…はい。今度から怪我しないよう気をつけてくださいね。

レンさん、レンさん。

レン

…ふふ、

レン

耳打ちしてくれたの、くすぐったかったけど、嬉しかったな…。

レン

あっ

レン

耳打ちで思い出した。

レン

シゼが言ってくれたページを読まなきゃ。

レン

あったあった。

レン

これだ。

レン

どれどれ…

レン

誘拐されたクマイド王の軍師

レン

シモン…

レン

！

レン

これ…

レン

僕だ…。

　「なんだ子供かよ」

「俺はクマイド・カーリア。お前、名前は？」

「ぼ、僕は」

「シモン・シリウスと申します！」

「シリウス？…てことは、軍師の家系か。」

「はい、それであの、僕は… 貴方の軍師ってやつです！」

レン

…。

レン

ぼ

シモン（レン）

ぼ、僕は…。

シモン（レン）

はぁっはぁっ！

シモン（レン）

（急げ急げ〜！）

シモン（レン）

（はやくしないと、クマイド王子との約束に遅れてしまうー！）

ガシャンッ！

（シモンが持っていた釣り道具が落ちる）

シモン（レン）

あーっ！

シモン（レン）

（クマイド王がくれた釣り竿がー！）

シモン（レン）

もうっ、時間がないのにー！

シモン（レン）

（大丈夫かな？壊れてないかな？）

？？

…。

スッ、

（1人の男がシモンの前に現れる）

シモン（レン）

！

シモン（レン）

（なんだこの男…髪が金髪だ、ギリカール人か？）

シモン（レン）

…何者だ

？？

お前に名乗る必要はない

？？

お前はこれから、記憶を消して、

？？

俺たちの実験台になってもらう。

シモン（レン）

実験台…？

？？

おいお前ら、コイツを捕まえろ！！

シモン（レン）

！

シモン（レン）

お、おい！何をする！

シモン（レン）

離せ！！

？？

黙れ！

ブスッ！

（男がシモンの首筋に注射器を刺す。）

シモン（レン）

ぐあっ…！

シモン（レン）

あ…

シモン（レン）

おう…じ…。

バタッ！

シモン（レン）

ﾊｧｯ…ハァッ

シモン（レン）

（全部…全部思い出した…）

シモン（レン）

（僕は三日月のお祭りでクマイド王子に仕えた軍師、シモン）

シモン（レン）

（僕はある日、釣りに行くところをギリカール人に拉致されて）

シモン（レン）

（ここ、ギリカール城で監視されているだった。）

シモン（レン）

（つまり、僕は）

シモン（レン）

（敵国の人間…！）

シモン（レン）

ッ、早くここから逃げないと！

シモン（レン）

（父さん母さん、王子に…みんな心配しているはずだ！）

シモン（レン）

…！

シモン（レン）

（シゼ…は。）

シモン（レン）

…。

シモン（レン）

うん、

シモン（レン）

先にシゼに伝えてからにしよう。

シモン（レン）

よし、シゼのところへ行くぞ！

ガチャッ！

11話　おわり

とある物書きの挑戦譚　【第三期】

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執筆お疲れ様です😊 セオドアさんが冷静に、淡々と物事を述べているシーンは流石に惚れました…かっこよすぎます…😭 ルドルフさんとシゼちゃんが楽しそうに話している所を見た、レンさんの思考が可愛すぎます…🤦‍♀️🤦‍♀️🤦‍♀️ と、思ったのも束の間…まさかまさかの展開で本当に驚きました…！続き全裸待機してます‼️✨✨

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