冴
(探り入れてみるか)
冴
…春川
紬
はッ、はい!?
冴
今日、…
冴
いや、違うな
冴
最近、なに考えてる
紬
…え、?
このとき、紬の表情を見て
ありえないと思っていた予感があたっているんじゃないかと思った
もしかして、こいつも、…、
でも、もし違ったら?
俺はどうしたらいい、?
きっと立ち直れないから、無駄な期待はよそう。
そう思った。
紬
…ッ、実はッ
ガラッ
モブ
失礼しまーす
紬がなにか喋ろうとしたとき 女が二人入ってきた
冴
(チッ、いいところできやがって、)
モブ
げー、せんせーいないじゃーん
モブ
って、冴いんじゃん!
モブ
え、まじじゃん!
モブ
ちょーラッキー
冴
(めんどくせぇ奴らだ、)
すると、俺に向いていた視線が紬に向けられた
モブ
それより、あんた誰?
紬
ギクッ)
紬
…は、はる、かわ、です。
そう言った紬のスリッパを見て学年を理解したらしい女は 眉間にしわをよせた。
モブ
その色、1年だよね
紬
は、はい
モブ
用がないなら出ていって
冴
おい
冴
こいつは…
俺が止めようとしたとき 春川はそれを遮るようにしゃべった。
冴
春川ッ、
俺が春川の名前を呼ぶと、女はあからさまに 春川に向かって睨みつけた。
冴
(この女はさっきからなんなんだ。)
紬
あ、さぇ、…
紬
糸師先輩、
冴
は、…
壁
春川に完全に突き放されて 2人の間に壁ができた気がした
胸の奥の方で ズキン、と痛みが走った
苦しい、
すると紬はドアを勢いよく開け、走り去ってしまった