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俺の上着を着たet先輩が外へ走っていく

et

わぁ〜っ、真っ暗〜

yan

っ…そっすね…

甘々になったet先輩と帰ることになり

ついさっきet先輩から手を繋がれ

離されないままぎゅっと握られている

yan

意識が手にしかいかなくて

握り返すのも違うし

でも、せっかく繋げたこの手を握り返さないまま終わるのも…

…って、なんだかまるで嬉しいみたいな…

 

そんなはずはないと思いたくて

et先輩に問いかけてみる

yan

…et先輩、手繋いだままですけど…

et

…ん〜?

et

…別によくない?w

et

ほら!あったかいし!

et

それに私が繋ぎたいの!

俺の目を見てにっと笑い

握られている力が加わる

yan

っ…そーっすか

そんなことを言われたら

もう何も言い返せなくて

 

yan

……てか、et先輩の家って…

et

あ、もうちょっと向こうだよ!

yan

…et先輩の家結構離れて…って

et先輩の方へ目を向けると

ぷくっと頬を膨らましていて

yan

…どーしたんすか

et

…やっぱやだ

yan

…えっ

et

…et先輩なの、仲良くないみたい

yan

えっでも…

et

…etちゃんって呼んで

yan

はっ…

et

…ね、お願い?

ぐいっと顔を近づけられ

思わず息を呑む

 

yan

…っ

これ以上こんな近い距離でいられると

なんだか俺が俺じゃなくなるような気がして

yan

わっ、わかりましたから!

と、焦って返事をしてしまう…が

et先輩は嬉しそうに微笑んで

顔を離される

et

じゃ、早く早くっ!

期待したような瞳で俺を見つめる

yan

……っ…et…ちゃん…

et

et

…なんか、聞いてる方も恥ずかしいw

yan

…なんですかそれ…(笑)

店長が言ってても、恥ずかしがってなかったのに

俺だけ、恥ずかしいとか…

 

なんだか悔しくて

でも…この感情を言葉にすることができなくて

 

こんな気持ちになっていたら

いつの間にか言葉が勝手に口から出てきていた

yan

…なんか、et、…ちゃん、俺のこといつも通りの呼び方じゃないすか?

et

…えっ

et

…どっ、どーいうこと?w

yan

…店長のことは、ttって呼ぶのに

yan

俺はいつもと同じ呼び方なんすね

やばい、止まらない

身体が言うことを聞かない

et

えっ

yan

……ほら、俺もいつもと違う呼び方で呼んだし…

繋がれている手の指を絡ませて

顔を合わせる

yan

…etちゃんも、俺のこといつもと違う呼び方で呼んでくれない?

et

……えっ

et

…な、なんて呼べばいいの…?

 

yan

…ん〜、いつもはyanくんだから〜…

yan

yanとかでいいじゃないすか?

et

っ…やだ、恥ずかしい…

さっきまでは積極的だったのに

今は恥ずかしくて少し頬を紅潮させるetちゃんが可愛らしい

yan

…店長は、平気なのに?

それに、urっていうやつは

寝ぼけてなくても呼び捨てだし

なんか、言い慣れてる…みたいな

et

…っ…それはさぁっ…

なにか言いかけて、すぐに口を閉じる

et

…んーん、なんでもない

誤魔化すように笑う

et

…言えばいいんでしょ?

yan

…あっ…はい

et

y、yan……

yan

っ…

そう呟いた瞬間

顔を真っ赤にして顔を背ける

et

…はい終わりっ…!

et

もう言わないからっ…!

yan

…っ

言われた俺も、なんだか恥ずかしくなって

なんだか心臓を引き締められたみたいで苦しくなる

yan

…えー(笑)

yan

…結構よかったっすよ?

少し深呼吸をして、言葉を続ける

et

……意味、わかんない

yan

…(笑)

yan

…まぁまぁ、とりあえずこっち見てくださいって

et

いや…っ

yan

…あ、流れ星

et

えっ、どこどこっ…!?

嘘ついた流れ星に反応して

俺がいる方へ顔を向ける

yan

…あ、やっと向いてくれました?

et

……っえ…?

キョトンとした顔をしていたが

俺の目をじっと見て、すぐ顔を真っ赤に染める

yan

…ふはっ……

yan

…本当だ、店長が言ってた通り

指を絡めて繋いでいる手に力を込めて

ぐいっとetちゃんに顔を近づける

yan

…etちゃん、可愛いっすね

et

っ〜…はっ…!?

目を大きく見開き

顔がこれ以上にないくらい真っ赤に染まる

yan

…あれ、照れてます?(笑)

et

っ…もういい…!先帰る!

手を無理やり振りほどかれて

そのまま突っ走っていく

yan

あっ…ちょ…荷物忘れてますよ…!

急いで追いかけるが

意外とすぐにetちゃんに追いつき

そっと肩に手を添える

yan

etちゃ…

et

っ…

肩をビクッと震わせて

バッと俺の方を振り向き

荷物を勢いよく取る

et

っ…ありがとっ…!じゃあ…!

また1人で走って帰ろうとしていたので

思わずetちゃんの手をぎゅっと握り

優しく引っ張って目を合わせる

yan

ちょ…なんかetちゃんおかしいっすよ

yan

大丈夫ですか?

et

…っ…大丈夫だから…!

そう言って目をそらす

yan

…さっきはあんなに見つめてきたのに

yan

今は俺のこと見てくれないんですか?

et

っ…別に…いいでしょ…

yan

…俺は、目合わせてほしいんすけど

et

っ…えっ

etちゃんが驚いた顔で俺の顔を見ると同時に

自分が言った言葉を思い返して

やばい…と、我に返る

yan

…なんてね、嘘っすよ(笑)

yan

からかってみたかっただけです

咄嗟に思いついた言い訳でなんとか誤魔化す

et

っ…そうっ…

etちゃんの顔の赤みがひかない様子に

もしかしたらさっきの俺の言葉の意味が

変な意味…恋愛的な意味に捉えられているかもしれないと思い

そうだったらまずいと

この場から逃げ出したくなる

yan

っ…んじゃあ…もう1人で帰れます?

et

あっ…う、うん…、!

握っていた手をそっと離す

yan

…じゃあ俺…反対方向なんで

et

…ついてきてくれてありがとね…、!

yan

…ん…じゃあまた…et先輩…

et

……、うん…じゃあね

軽くお辞儀をして、すぐ走ってet先輩から離れていく

 

そうしないと

この気持ちのことを紛らわせなくて

 

この気持ちに名前をつけるとしたら

あの二文字が浮かんでくる

 

yan

っ…(そんな…、まさか)

et先輩と会うだけで緊張するし、嬉しいし…

でも、その分心にモヤがかかって

嫌な気持ちになったりすることもある

 

こんな気持ち初めてで

信じたくなくて

 

この気持ちについて考えると

脳裏にあいつの顔が浮かんでくる

yan

…っ

俺がet先輩と出会う前より先に

仲が良くなって

お互いに呼び捨てで

et先輩が寝ぼけたときにあいつに抱きついたりして

yan

っ…俺にはっ

目も合わせてくれないくせに

 

 

yan

やっぱりっ…俺にはっ…

こんな気持ち、俺らしくない

 

もし、この気持ちがあの二文字だとしても

俺はっ…

yan

…っあいつには勝てねぇよ…っ

もっと早く

このバイトに入ってくるべきだった

 

そうしたら、あいつよりも

俺とのほうが仲良くなってたかもしれないのに

立場が逆だったかもしれないのに

 

yan

っ…くそっ…

 

 

 

コンビニアルバイト

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1,022

コメント

7

ユーザー

もう天才この作品好きすぎる作ってくれてありがとうございます(?)続きがとっても楽しみです!!!!!!

ユーザー

むっちゃ好きな作品です!!続き楽しみです!!待ってます(*´︶`*)

ユーザー

🍗くんの儚げな感情に何とも言えないしみじみとしたものがある…

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