月明かりの満開の桜と彼岸花──
“真っ赤な髪のニンゲン“
あの頃と姿かたちは変わっていなかった
相手はタキに気づいていないのか、視線を下に向けうつむいている
タキ(妖狐)
声をかけようか迷っていると
タキ(妖狐)
紫紺色の瞳が見つめる
意を決してタキは口を開く
タキ(妖狐)
タキ(妖狐)
タキ(妖狐)
考え込むように瞼を閉じる
ゆっくりと瞼を開いた
タキ(妖狐)
タキ(妖狐)
タキ(妖狐)
タキ(妖狐)
タキ(妖狐)
緋沙(ひさ)
緋沙
タキ(妖狐)
緋沙
納得したように相槌を打つ
タキ(妖狐)
訊きたいことは山ほどある
だが、なんとなく口にするのははばかれた
幽界(かくりよ)にやってくる者は大抵事情がある者たちばかりだ
タキ(妖狐)
タキ(妖狐)
緋沙
タキ(妖狐)
あのとき緋沙と一緒にいたニンゲン
タキ(妖狐)
タキ(妖狐)
タキ(妖狐)
緋沙
タキが立ち去ったあと──
碧
緋沙の背後から腕を伸ばし、ぎゅっと抱きしめる
緋沙
碧
緋沙
緋沙
緋沙
翌朝
マホ(鬼)
マホ(鬼)
タキ(妖狐)
マホに起こされ上半身を起こす
マホ(鬼)
木の実を手渡される
タキ(妖狐)
マホ(鬼)
タキ(妖狐)
タキ(妖狐)
タキ(妖狐)
木の実を一口齧る。口の中で甘さが広がった
さりげなく昨夜の場所へ行ってみるが満開の桜は咲いておらず、緋沙の姿もなかった
ただ彼岸花だけが咲いていた──
タキ(妖狐)
マホ(鬼)
タキ(妖狐)
マホ(鬼)
マホ(鬼)
タキ(妖狐)
マホ(鬼)
タキ(妖狐)
タキは甘味処へ駆け出したマホのあとを追いかけていった
彼女たちの旅はまだまだ続く
コメント
16件
緋沙は俺のだろう? にドキドキしちゃいました😍
初コメ失礼します。作品作りがお上手ですね!尊敬します