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それは突然のことだった
突然過ぎて私は幻覚でも見ているのかと思った。
彼には黒い立派な角に黒い翼が生えていて鎌を持って突然窓からやって来たのだから
そう、さっきとは別人のようなに無邪気な声が静かな病室に響いた
私が困惑していると彼は構うことなくこう言った
私が途切れ途切れに返事をすると何故か彼は頬膨らませた
死神兼悪魔と言ったところに驚かなかったかららしい
でも私は反応しないだけで
私がこう言い放つと彼は満足したように笑顔になった
そして私はふと気になったことを聞いてみた
聞いて欲しかったと言わんばかりの顔をしてこう言った
そう、誇らしげに言う彼はとても可愛かった
普段私ならこんなに話しかけないだろうが彼には何故か話しかけられた
今話しとかないと行けないような気がしたからだ
そう聞くと彼はまた何故か頬膨らませた
今度はなんだろうと思ったら私が敬語で話しているのが気に食わなかったらしい
随分我儘な悪魔さんだなと思った
彼は目を輝かせながらそう言った
そう言う彼はまるで少年のようだった
笑うのなんて何年ぶりだろう
笑い方なんてとっくの昔に忘れたはずなのに
彼の話を聞くと自然に笑みが出てくる
何でだろ
さっきまで頬膨らませたのにすぐ笑顔になった
彼は表情が豊かで見ていて飽きない
今度は不思議そうにこちらを見つめる彼
私はつい口を滑らせてしまった
彼は驚いた様子だったが無言になった
もしかして地雷踏んじゃった、、、?
そうあれこれ考えて謝ることにした
私が謝ると彼の体は一瞬ピクッとした
申し訳ないことしたと思い、もう一度謝ろうと思ったら
私はこの瞬間この日々が続けばいいなって思った
でも幸せな時間はすぐに過ぎて別れの時間になる
じゃあね、また来世で
死神に憧れる悪魔君