TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

※三途女体化注意 シリーズ全体で見ればメインは蘭春 (竜春・ココ春要素かなり含まれます) 最終的に甘々に落ち着きます

三途

はぁぁ〜〜〜

事務室いっぱいに三途の盛大な溜息が響き渡る。

九井

・・・

三途

はぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜

九井

…うるさい。

三途

ひどい!

九井

お前がそうやって溜息つく時は大体元気がいい時だからな。

三途

・・・わかってんじゃん。

三途

っあ゛〜〜〜もうやりたくなーーい

三途

たすけてここえもーん

九井

こっちはお前の何倍の量捌いてると思ってんだ。

九井

手を動かせ手を。

三途

う゛ーーーー

三途

九井冷たい!

九井

だーーーまーーーれーーー

三途と九井は関東卍會の頃からの腐れ縁もあり、何気とても仲が良かった。

三途

やっと今月分の経理の精算終わったーー!

九井

おお、

九井

お疲れ様。

三途

おつかれ俺ー。

三途

てかさー、ちょっと聞けよ。

九井

俺まだ仕事終わってないんだけど。

三途

なんか最近さー

九井

おい

三途

貧血みたいになることが多くて、

三途

スクラップ中に視界真っ白になったりして困るんだよね。

九井

は?

今まで一時も手を止めなかった九井が仕事の手を止め顔を上げる。

九井

お前それ…大丈夫なのか?

心配になり三途をじっと見つめてみるとただでさえ華奢な腕が心なしか更に細くなっている気がする。

三途

だいじょーぶ、だいじょーぶ

三途

誰かに愚痴りたかっただけだから。

そう言って三途がへらりと笑う。

九井

お前、

「お前、大丈夫な訳ないだろ。そうやってお前が笑うのは大丈夫じゃないときだけだろう。」

そんな言葉が喉まで出掛かり咄嗟に嚥下する。

三途は人に甘えたい癖に自分の不調を相手に知られることを極端に怖がる節がある。

三途

ん?

三途

なんて言った?

九井

いや、別に何も…

三途

そっか!

身体の不調なんて全く感じさせない顔で三途はニシシと笑ってみせる。

そういうことをするから、放って置けなくなる。

九井

はぁ…

三途

どうした。

三途

寝不足か?

九井

はは、俺はきっと万年寝不足だよ。

三途

あ、そうだ。

三途は何かを思い出したかのように、デスクの中を漁り始める。

三途

えっとーー

三途

確かここら辺に…

三途

んーーー

三途

あった!

そういって三途が取り出したのはアイマスクだった。

三途

これ、この前俺と九井用に作ったんだよ!

三途

作り終わったことに満足しちゃってすっかり忘れてた…

三途

はい。

思わず手を出した九井の手のひらにしゃらりと音を立ててアイマスクが置かれる。

九井

つくったって…お前が?

三途

おう、

三途

意外と器用だろ。

九井

ああ…

九井

すっげ、これ中小豆?

三途

そーそー、

三途

何回でも使えるタイプだから、是非使って。

九井

ありがとな。

三途

どーいたしまして。

三途

三途

やべ、九井のせいでもうこんな時間じゃん⁈

九井

俺のせい⁈

九井

120%お前のせ

三途

九井と話すのが楽しすぎるのが悪い。

三途

よって九井が悪い!

九井

暴論だ…

三途

じゃ、俺帰るから。

九井

ん、

九井

気をつけろよー

三途

わーってるよーー

三途のバランスの良い背中が事務室のドアの向こうへと消えていった。

九井

人間ドックの予約、入れとくか。

九井は梵天管轄の病院に三途名義で予約を入れ、その日は三途に仕事が回らないよう仕事の割り振りを調整し直した。机の上には膨大な資料の山が未だ残ったままだった。

三途

今日蘭久々に出張から帰ってくる日だったよなー

三途

・・・

三途

スーパーでも寄ってあいつの好きな芋グラタンの材料買うか。

三途と蘭は付き合っていた。

梵天唯一の女である春千夜はマイキーと九井以外にはずっとそのことを隠していたが、

ずっと憧れていた蘭からの告白により、3、4ヶ月前に幹部内で公表したばかりである。

蘭は三途が男だと思い告白したため、驚きつつも

元々ノンケであったので素直に喜んでいた。

明司は妹に彼氏ができたショックで崩れ落ち

望月は蘭と春千夜という信じられないコンビであることに生命の危機を感じフリーズした。

九井は仕事に追われそれどころではなく、

マイキーは相変わらずだった。

素直に祝ってくれたのは竜胆と鶴蝶だけだったが、幹部の皆ははなんだかんだ言いつつも二人を祝福してくれた。

故に、三途は今幸福の絶頂であった。

三途

んー

三途

今日ちょっと奮発して商店街で買っちゃおっかな。

既に同棲を始めている三途と蘭の家の近くにはまだ生きている商店街があった。

知る人ぞ知る穴場だが、質の良い老舗揃いであるためまだまだ活気を保っていた。

三途

あー

三途

ちょっと暗くなってきたな

三途

急がねぇと

三途

ふぅーー

三途

重。

三途が大きなビニール袋とエコバッグを両手にぶら下げてフラフラと歩く。

三途

おっさんたち気前良すぎ

三途

青果店のおっさんオマケとか言ってこっそりバナナ入れてんじゃねーよ。

三途

っっ⁈

三途

あ゛、ぁ

突如として三途が膝から崩れ落ちる。

三途

う゛〜〜〜〜

震える腕で買ったものだけはゆっくりと地面に下ろすと頭を抱えるようにして突っ伏した。

三途

痛い、痛い痛い痛い痛い

同時に吐き気も込み上げた咄嗟に口を抑える。

三途

…ぅ

起き上がれない、

頭が割れる様に痛い。

三途

今までは、カヒュッ

三途

こっこんなに酷くなかったのに…

しばらくのあいだ、蹲ってじっとしているとだんだん痛みにも慣れ始め

未だとんでもなく痛いが若干は動けるようになった。

三途

タクシー、呼ぼ。

家はまだここから4、5分歩いたところにある。

普段であれば短く思える距離だが今は一歩を踏み出すのも辛い。

三途

うぅ、タクシー

今三途が歩いているのは「緑に囲まれた家」をモチーフとして立てられた高層ビル街前の遊歩道である。

だがここは六本木。

一つ隣の通りへ行けばそこはもうショーウィンドウの立ち並ぶ煌びやかな大通りなのだ。

三途

っはぁ、

三途

ふぅーーーーー

荒い息を繰り返しながらビルとビルの隙間の路地裏へと入っていく。

だんだんと三途の目にカラフルな色が飛び込むようになり

商業ビルから発せられる宣伝の文句が耳に流れ込む。

三途

いってぇなぁ…

それらが更に三途の不調を助長させ、気分は最悪だ。

やっと、大通りまで出ることができる。

今まで目に余り光を入れたくなくて伏せがちに歩いていたが、タクシーを呼ぼうと顔を上げる。

三途

あ…

三途

へ?

その瞬間

三途の目に飛び込んできたのは

三途の知ない女の腰に手を回し

うっとりとその女を見つめながら楽しそうに歩く

蘭の姿だった。

Special thanks

レン💊(女)さん

いかないで。 蘭春

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

2,050

コメント

3

ユーザー
ユーザー
ユーザー

神✨待って春千夜がバチクソ心配なんやけど!!!てか有り難うございます!!!!✨続き楽しみです頑張って下さい!!!!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚