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赤眼孔病(読書をしていたら)

第1話 - 赤眼孔病(読書をしていたら)

500

2019年09月29日

#読書をしていたら

#奇病

#創作奇病

なつ@柑橘みんとサブ垢。

浦田湊

これ！

浦田湊

今、ネットで流行ってる実話の小説！

浦田湊

やっと手に入れた！

浦田湊

読もっと…

先生

今日のホームルームは

先生

会議なので

先生

読書です(*^^*)

浦田湊

はーい

月崎明莉

はーい…

皆

はーい…

先生

しっかり読書するのよ？

皆

はーい…

月崎明莉

(奇病…の本しか持って来てない…)

月崎明莉

(何故だ…)

月崎明莉

(まぁいいか…)

月崎明莉

うぅ…

月崎明莉

置いてかないで…

月崎詩織

ごめんね、明莉…

月崎明莉

何で、なんで僕を置いていくの…？

篠原柊斗

ごめんな

篠原柊斗

今まで－を隠してて

楮原渚

明莉…本当ごめん

常磐弥麗

明莉…貴女なら

常磐弥麗

いつかきっと…

月崎明莉

ねぇ待って！

月崎明莉

置いていかないで！

月崎明莉

…っ

月崎明莉

－なんて、無くなっちゃえばいいんだ！

月崎明莉

みんながいればそれでいいのに…

？？？

…っ、おい！

？？？

明莉っ！

月崎明莉

あれ？

月崎明莉

そこに

月崎明莉

誰かいるの…？

相田涼

おい！

相田涼

明莉！

相田涼

明莉ー！

月崎明莉

ん…っ

相田涼

もう授業終わったぞ？

月崎明莉

あ、ごめん…

月崎明莉

(また、昔の夢か…)

月崎明莉

ていうか、読書の時間じゃん

月崎明莉

授業じゃないじゃん‪w

相田涼

いやそーだけど

相田涼

相当うなされてたから、みんながそっとしておいてくれたんだよ

相田涼

何で、泣いてるの？

月崎明莉

あ、…

月崎明莉

いや、これはっっ！

相田涼

何でもないとか、言うなよな

相田涼

なんかあったら、頼れよな…っ

月崎明莉

…そういう、優しいところ…

相田涼

？

相田涼

なんか言ったか？

月崎明莉

…な、なんでもないっ

相田涼

？良いならいいけど…

月崎明莉

(そういう所が)

月崎明莉

(好きなの…)

私の過去－いや

僕の過去は、可哀想なんてものではない

月崎明莉

ねー詩織っ

月崎詩織

何よ…

月崎明莉

一緒に遊ぼ？

月崎詩織

…やーよ

詩織は、僕の双子の姉

月崎明莉

.........！？

月崎明莉

見て…

月崎明莉

僕の目、なんか赤くなってなぁい？…

月崎詩織

…！？

月崎明莉

痛いよぉ…

月崎明莉

助けて…

月崎詩織

ちょっと待ってて！

月崎詩織

お母さぁん！！

月崎明莉

うああ…あっ

月崎明莉

おねーぢゃあぁ…

月崎詩織

ちょっと待ってってば！

月崎詩織

お母さん！

月崎詩織

早く来て…！

月崎美佳

何事！？

月崎美佳

…っ、明莉！？

月崎明莉

おかあさぁぁ

月崎明莉

いだいよぉ…

手元の本にポトリ、ポトリと

赤い液体が垂れる

月崎明莉

うああっ…

月崎美佳

…っ、救急車呼んで！

月崎美佳

お願い詩織っ！

月崎詩織

わかった！！

月崎明莉

ここ、どこ…？

どこか分からないところを彷徨う

月崎明莉

あ…この本…

月崎明莉

お姉ちゃんが買ってくれた、大切な本なのに…っ

月崎明莉

血が垂れちゃった…

月崎明莉

そーだ、お迎えが来るまで本読も…

僕は、読書を始めた

お姉ちゃんから貰った、ファンタジー小説

それは、奇病のお話だった

月崎明莉

赤眼孔病…？

赤眼孔病。

瞳が赤く染まり、溢れる涙は血と化す－

涙を流した分だけ、記憶が失われていく

そんな病だった

月崎明莉

可哀想…

月崎明莉

大切な人の記憶を失くすなんて

月崎明莉

僕には耐えられない…

月崎詩織

明莉っ！

月崎明莉

詩織…？

月崎明莉

詩織お姉ちゃん…！

月崎明莉

迎えに来てくれたんだね！

常磐弥麗

明莉…

月崎明莉

あ！弥麗も！

楮原渚

明莉ー！

篠原柊斗

明莉…

月崎明莉

みんなっっ！

月崎明莉

迎えに来てくれたの？

月崎詩織

.........。

常磐弥麗

.........。

常磐弥麗

あのね、明莉

常磐弥麗

明莉は、赤眼孔病なの…

常磐弥麗

もう、一緒には居られないんだ…

月崎明莉

赤眼孔病…って…

月崎明莉

さっきの、記憶を失う病…？

月崎詩織

ごめんね、明莉…

月崎明莉

何で…っ

月崎明莉

何で、なんで僕を置いていくの…？

楮原渚

明莉…本当ごめん

篠原柊斗

今まで奇病だってことを隠してて

篠原柊斗

ごめんな

常磐弥麗

明莉…貴女なら

常磐弥麗

いつかきっと…

月崎明莉

ねぇ待って！

月崎明莉

置いていかないで！

月崎明莉

…っ

月崎明莉

赤眼孔病…奇病なんて無くなっちゃえばいんだ！

月崎明莉

みんながいればそれでいいのに…

？？？

っ、おい！

？？？

明莉！

月崎明莉

あれ？

月崎明莉

そこに

月崎明莉

誰かいるの…？

？？？

俺は…

相田涼

相田涼って言うんだ…

相田涼

明莉…でいいかな？

月崎明莉

うん

月崎明莉

僕は…月崎明莉…だよ

相田涼

じゃあ明莉って呼ぶね

月崎明莉

うん

相田涼

あのね、これからは…

相田涼

…明莉が読書をしていても

相田涼

悲しんでいても苦しんでいても

相田涼

僕が傍にいてあげるよ

相田涼

突然な話だけど

相田涼

僕と、友達になってくれないか…？

月崎明莉

こんな僕でいいの…？

月崎明莉

涙を流すだけで記憶を手放してしまうのに…

月崎明莉

そのせいで、お姉ちゃんにも友達にも置いてかれちゃった…

相田涼

それなら

相田涼

君が泣きそうになったら僕が笑わせてあげる

相田涼

僕は、そんな事で明莉を手放したりしないから

月崎明莉

っ、ほんと？

相田涼

うん

月崎明莉

じゃあ、約束しよ…

月崎明莉

この本、持って行っていいかな…？

月崎明莉

お姉ちゃんから貰ったんだ…

相田涼

うん、いいよ

相田涼

じゃあ、僕がこの本に魔法をかけてあげる…

月崎明莉

どんな魔法？

相田涼

僕と明莉が、一生一緒に居られますようにって…

それからは、涼に連れてかれて

暫くは2人で暮らしてたなぁ

もう、一人暮らししてるけど…

月崎明莉

相田…涼…

月崎明莉

相田涼…

月崎明莉

…っ、涼…っ

相田涼

…！？

相田涼

待って！泣かないで…

相田涼

泣いたらまた…っ

相田涼

ん〜…あっ！

月崎明莉

涼…

相田涼

見てみてこの本！

相田涼

家を探してたら見つかったんだ！

1冊の本

表紙には、赤黒い染み

月崎明莉

それ、どっから…

相田涼

僕の宝物だよ…

相田涼

無くなってたからさ〜

月崎明莉

っ、涼…

相田涼

泣くなよ！

相田涼

俺は…その…

相田涼

お前の笑った顔が、好きだから…

月崎明莉

…っ、！？

ふっと笑った涼の顔が

昔の涼の哀しそうな笑顔に重なった－

月崎明莉

….........！？

月崎明莉

涼…りょ、う…

意識が遠のいていく

抱き上げられる様な感覚の後に

相田涼

…おやすみ

優しい声が降ってきた…

相田涼

やっぱり保健室は快適♪

相田涼

あ、失礼してます

相田涼

…弥麗先生…

常磐弥麗

明莉…

常磐弥麗

…また、忘れちゃったの？

相田涼

ええ。

相田涼

…俺は、こいつを…明莉を、笑顔にさせなきゃいけないのに…

常磐弥麗

そんなに責任を感じなくていいのよ

常磐弥麗

元は、私達のせいだから…

月崎明莉

ん…っ

相田涼

明莉！大丈夫か？

月崎明莉

うん…

相田涼

どこまで覚えてる？

月崎明莉

.........。

相田涼

(また、覚えてないのかな…)

月崎明莉

…え？

相田涼

ん？どうした？

月崎明莉

さっきの事、全部全部覚えてる…

月崎明莉

何だか、パズルのピースがはまってくみたいに

月崎明莉

断片的な記憶が沢山流れ込んでくる…

相田涼

…！？

月崎明莉

昨日のお昼…かな？

月崎明莉

保健室に運んでくれたよね？

相田涼

…うん

月崎明莉

その前の記憶が蘇ってくるみたい…

月崎明莉

この前の放課後に見た夢も

月崎明莉

先月のカフェでの本の話も

月崎明莉

昔の事もぜーんぶ

月崎明莉

記憶が…

相田涼

.........。

月崎明莉

さっきの本、貸してくれないかな？

相田涼

おう…

相田涼

(もしかして…)

赤眼孔病

瞳が赤く染まり、溢れる涙は血と化す－

涙を流した分だけ、記憶が失われていく

しかし

大切な人が自分に思いを寄せている時だけ

思い出す事が可能－

ただし、大切で無くなると同時に

一生その人のことは思い出す事が不可能だという

そのため、赤眼孔病は

Eternal red forgotten

(永遠の赤い忘れ物)

と呼ばれている－

相田涼

明莉…もしかして…

月崎明莉

…っ

月崎明莉

嫌だ…こんなの

月崎明莉

涼が好きなのバレバレじゃん

月崎明莉

大切な人って、どう考えても涼じゃん…

相田涼

いや…だけどさ

相田涼

それだと、俺が思いを寄せたら思い出すみたいじゃん

相田涼

俺も好きなのバレバレじゃん…‪w

月崎明莉

.........。

相田涼

.........。

月崎明莉

.........ふはっ！

月崎明莉

可笑しいねー！

相田涼

ほんとにな…‪w

月崎明莉

じゃあさ、涼

月崎明莉

これからもよろしくね

相田涼

おう！

相田涼

…「明莉が泣きそうな時は、俺が笑わせてあげる」

月崎明莉

…っ

相田涼

わー！

相田涼

泣かないでっ！

月崎明莉

大丈夫だよ！

月崎明莉

涼が好きでいてくれる限り…っ

相田涼

そっか…！

相田涼

じゃあ、これからも好きでいるから、明莉も好きでいろよ？

月崎明莉

…っ、もちろん！

月崎明莉

あ、…

月崎明莉

あの、弥麗先生…

月崎明莉

…弥麗、姉ちゃん…

常磐弥麗

っ！

常磐弥麗

幸せになってね…！

月崎明莉

うん…！

月崎明莉

今度、お母さんたちにも会いたいな…

常磐弥麗

もちろんよ！

相田涼

もう失礼しますね

月崎明莉

バイバイ！

月崎明莉

弥麗先生(*^^*)

常磐弥麗

うん！バイバイ！

そんなこんなで3年後－

受験の合格発表にて

月崎明莉

星稜大学受かれ〜っ！

月崎明莉

(2304…あった！)

月崎明莉

涼！受かったよ！

相田涼

俺もあった！

月崎明莉

やったぁ！

月崎明莉

これからも一緒だからね！

相田涼

おう！

相田涼

(あの日かけた魔法は)

相田涼

(まだ解けていないみたいだなぁ…)

相田涼

(もう、一生解けないでいいや…)

涼の腕の中にある本は

ずっとずっと、2人のことをいつまでも

見守っていることでしょう…☆

浦田湊

面白かったぁ

浦田湊

でも、なんか違和感が…

浦田湊

…ん？待てよ？

浦田湊

月崎明莉と相田涼って…

浦田湊

部活の先輩じゃん！

浦田湊

今度聞いてみよ…( ◜ω◝ )

湊に

運命の小説との出会いと

運命の人との出会いがあるのは

まだまだ先の話…☆

この作品はいかがでしたか？

500

10件

Good Night…☆

おやすみ！(๑´︶`๑)ɢᵒᵒᵈ ɴⁱᵍʰᵗ

よろしくっﾖﾛ(｀・ω・´)ｽｸ！おやすみなさい！

なつ@柑橘みんとサブ垢。

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