TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

LINE1147

一覧ページ

「LINE1147」のメインビジュアル

LINE1147

1 - あ

2023年09月17日

シェアするシェアする
報告する

タツミ

ねえお姉ちゃん、もしかして私が仕事に行ってる間にうちにきた?

トラコ

ん?いや?そんなわけないでしょ

トラコ

あんた住んでるの、僻地でしょ僻地w

トラコ

東京に私住んでるんだからわざわざそっちに行く用なんてないわよ

タツミ

そうだよね

タツミ

じゃあ、なんで私の家にお姉ちゃんのピアスが置いてあるのかな

トラコ

え?

トラコ

嘘!まさか忘れたの!?

タツミ

やっぱりうちにきたんじゃん

タツミ

何しにきたの?

タツミ

てか、なんでそんなこっそり泥棒みたいな感じできたわけ?

タツミ

一言言ってくれればよかったじゃん

トラコ

いや、ほんとに行ってないから!

トラコ

てか大体あんたの家の住所知らないし

トラコ

決めつけないでくれる?

タツミ

決めつけるも何も家にお姉ちゃんのピアス置いてあるんだから事実でしょ!

タツミ

てかさっき「忘れたって言ってたじゃん!」

トラコ

うるさいな!ちょっと言葉間違えただけよ!

トラコ

自分のピアスじゃないの?リングのピアスなんて全部同じようなもんじゃん

タツミ

私ピアスの穴開けてないんだけど

タツミ

それにこれカルティエのやつでしょ

タツミ

この前インスタでもLINEでも電話でも実家でも自慢してきたじゃん

タツミ

まあお姉ちゃんのやつじゃないなら捨てるけど

トラコ

待って!

トラコ

私のだから捨てないで!

タツミ

なんで嘘つくわけ?

タツミ

何隠してるの?

トラコ

隠してるとかじゃないくて、ただちょっと近くに来たから寄っただけよ

トラコ

でもあなたがいなかったからすぐ帰ったわ

タツミ

ふーん

トラコ

何、嘘ついてないわよ

タツミ

ただ寄っただけね…

タツミ

じゃあなんでピアス外したの?

タツミ

私の家で何かしたんじゃない?

タツミ

例えばベットの上で

トラコ

は!?

タツミ

ケンジはもう白状したからね

トラコ

え?

タツミ

家にケンジいたでしょ?

タツミ

二人で何したか問い詰めたらすぐ白状したよ

トラコ

なーんだ、ケンジくんのために黙っておこうとしたのに

トラコ

ケンジくんがもう言ったなら隠す必要ないか

トラコ

寝たよ、ケンジくんと

タツミ

妹の旦那に手を出すってどういう神経してるの?信じられないんだけど

トラコ

妹の旦那って私の義弟でもあるわけだからね

トラコ

家族として仲良くするのも当然でしょ

タツミ

家族とそういう事するのが当然だと思ってるわけ!?

トラコ

うるさいな

トラコ

いいでしょ、あんたのものは私のものでもあるんだから

トラコ

昔からずっとそうだったでしょ?今更わーきゃー騒がないでよ

タツミ

まじで最低

タツミ

これはおもちゃを横取るとか勝手に服を使うとかのレベルじゃないじゃん

タツミ

私たちの家庭を壊したんだよ?

トラコ

家庭を壊すとか大袈裟すぎでしょ

トラコ

てか、人生何年あると思ってんの

トラコ

旦那を数回寝取られたぐらいでヒスんないでよ

トラコ

ケンジくんが可哀想だわ、まだ27歳なんだからまだいろんな女性を知りたいでしょ

タツミ

結婚してるんだからそんなの関係ないよ

タツミ

てか数回って何回も寝た経験があるように聞こえるけど

トラコ

うん、去年から何回かお忍びさせてもらったわよ

タツミ

気づかなかった自分が嫌になるよ

トラコ

でもね、誘ってきたのはケンジくんからなのよ

トラコ

顔合わせの時に推理小説の話で盛り上がったことが忘れられなかったらしくてね

トラコ

ぜひお時間ある時にまた話しましょうって誘いがあったの

トラコ

それで初めてあんたの家に行った時あったでしょ

タツミ

お姉ちゃんが泊まったひ

トラコ

そう、あの日にあんたが寝てる隣の部屋で、ね

トラコ

こっそり

タツミ

最低

タツミ

外道だよ外道

トラコ

姉を外道呼びしないでくれる?不愉快なんだけど

タツミ

とにかくもう私ケンジと離婚することにしたから

タツミ

このことも全部お母さんにいうね

トラコ

別に好きにしなよw

トラコ

今更家族と仲こじれたところで支障ないしねw

トラコ

てか元々お母さんたちに勘当され気味なのよ私

タツミ

は?

トラコ

流石に娘の口をしないと思うからあんたはお母さんから聞いてないかもしれないけど

トラコ

私、一回万引きで捕まってるのよ

タツミ

え?

トラコ

ほんとあの時は最悪だった

トラコ

ただストレスとかでむしゃくしゃしてやっただけなのにみんなが私を「お金のない人みたいな」

トラコ

憐れむ目で見られたわけ

トラコ

私そんなお前らに憐れむ目を向けられるほど落ちぶれてないっつの!ってちょううざかったんだよね

タツミ

そりゃ憐れむでしょ、こんなどうしようもない31歳

トラコ

その時はまだ29だったわ!

トラコ

てかあんたがケンジくんと離婚するなら私もらっちゃおうかな〜

トラコ

別に今好きな人とかいないし、ケンジくんフリーランサーなんでしょ?

トラコ

お金も結構稼いでるんじゃない?保育園の先生のあんたがあんな一軒家に住めるんだからw

トラコ

あ、それは田舎だからかww

タツミ

別に好きにすれば

トラコ

とりあえず社長の旦那捕まえるまではケンジくんを旦那としてキープしておこうかなw

トラコ

そろそろ独身を憐れむ目もうざくなってきたし、離婚なんて人生で何回してもいいしねw

トラコ

ほらケンジくん顔めっちゃいいじゃん、竹野内豊みたいで

タツミ

はいはい、勝手にどうぞ

トラコ

随分とドライな人ねあんた

トラコ

元旦那が姉に言いように搾取されそうになってるっていうのにw

タツミ

あんなやつ知らないよ

タツミ

大学の頃から一緒だったからちょっと情もあったけど、もうすっかり冷めた

トラコ

それじゃ、今まで通りあんたのものは私が美味しくいただきま〜すw

〜ケンジのチャットルーム〜

ケンジ

まじでごめん

ケンジ

本当にもうしないから許してほしい

タツミ

今更何

タツミ

バレたから誤ってるんでしょ?

タツミ

まじでありえないよね、今までどれだけ私があんたを支えてきたと思ってるの?

ケンジ

本当にごめん

ケンジ

ちょっと気が動転してた

タツミ

気が動転っていい言い訳だよね

タツミ

だって、本当の僕じゃありません、あの時の僕は少しおかしかったんですってさ

タツミ

まるで自分もやりたくてやったわけじゃないって言いたげじゃん

タツミ

何言ってんの?

タツミ

しかも一回だけならまだしも、数回も寝たらしいじゃん

ケンジ

なんで知ってるの

タツミ

さっきお姉ちゃんから聞いたよ

タツミ

反省するそぶりも見せないでね

ケンジ

本当にごめん、もう二度としないから

タツミ

しかもケンジから誘ったって聞いたけど

ケンジ

確かに家から誘ったのは俺だけど夜に襲ってきたのは向こうからだったんだよ!

タツミ

じゃあ、その後も誘ったのは全部お姉ちゃんってこと?

タツミ

ちなみに嘘ついても全部バレるからね、これ以上誤魔化してもしょうがないよ

ケンジ

その後は、全部僕が誘いました

タツミ

救いようないねほんと

タツミ

とにかく家出てって

タツミ

もう顔も見たくないから

タツミ

後離婚だからね

ケンジ

離婚だけはちょっと勘弁して!

ケンジ

ほんとに俺が間違ってた!

ケンジ

一回だけ!

ケンジ

一回だけチャンスをください!

タツミ

無理、無理無理無理無理無理

タツミ

キモすぎ

タツミ

慰謝料請求もするからね

タツミ

言っとくけど

ケンジ

払えないよ俺…

タツミ

あ、そうだ

タツミ

慰謝料請求しないであげる代わりにさ、

タツミ

お姉ちゃんと結婚してよ

ケンジ

へ?

タツミ

お姉ちゃんと結婚してくれたら慰謝料請求しないであげる

ケンジ

なんで

タツミ

なんでってあれを押し付けるために決まってるじゃん

ケンジ

家族にそこまでするのかよ

タツミ

家族じゃないよなんな人

タツミ

てか、あの人より自分の心配しなよ

タツミ

どうするの?するの?しないの?

ケンジ

します…

〜数ヶ月後〜

トラコ

ちょっとあんた!

トラコ

まさか知ってたの!?

タツミ

え?なんのことかな

トラコ

ケンジくんの借金のことよ!

タツミ

うん知ってたよ

トラコ

どういうこと!?急にポストに身に覚えのない請求が来てたのよ!それに怖い人が家に!!

トラコ

それをあの人に問い詰めたら借金があるとか白状し始めたのよ!

タツミ

うんあるよ

タツミ

5000万の借金でしょ

トラコ

へ?

トラコ

5000万?何よその額

タツミ

額までは知らされてなかったんだ

タツミ

うん、5000万

タツミ

昔友達数人で大学卒業してすぐ起業したんだよケンジ

タツミ

別に経営とかビジネスのことをなんも知らない馬鹿な大学生数人が色々なところからお金借りてね

トラコ

は?

トラコ

何その話聞いたことないんだけど

タツミ

でも一年もしないで会社は潰れてね、残ったのは多額の借金のみ

タツミ

どうやって払おうってなってたんだけどさ

タツミ

可哀想なことに他の友達たちに裏切られてケンジ一人に背負わされちゃったんだよ

タツミ

多額の借金をね

タツミ

その時私既にケンジと付き合ってたんだけどさ、

タツミ

なんか可哀想すぎて別れる気も起きなくて、

タツミ

一緒になんとかして返していこうねって言って結婚したんだけど

タツミ

まあ裏切られたよね

タツミ

まさか、私があいつの分まで必死に働いたお金を借金に当ててたっていうのに

タツミ

あいつは嫁の姉と体の関係持って楽しんでたわけなんだからさ

トラコ

何よそれ

トラコ

なんでもっと早く言わなかったのよ!

トラコ

私が結婚する前に言ってくれてたら結婚しなかったのに!

タツミ

知らないよそれは

タツミ

わざわざ私が言ってあげることじゃないでしょ

トラコ

道理であの人稼ぎの割にお金が少ないとおもった!

トラコ

借金があるからだったのね!騙された!

タツミ

騙されたも何も、お姉ちゃんだって次のパートナーができるまでの繋ぎとして結婚したんでしょ?

タツミ

お互い様じゃん

トラコ

何がお互い様よ!さっき怖い人が家に来て家のものあらかた持ってかれちゃったわよ!

タツミ

そうそう、怖いところからも借りてるからね

タツミ

でもあの人たち優しいところあるからね

トラコ

どこがよ!すっかり家の中が更地になったんだけど!

タツミ

私が旦那の借金を働いて代わりに返し続けてることを知ったらね、

タツミ

可哀想だ、あんたは立派だよとか言ってさ、なんか仲良くしてくれるようになったんだよね

トラコ

私もその手を使うしかないわね

タツミ

残念だけど無理だよ

タツミ

お姉ちゃんのこともあの人たちに話してあるから

トラコ

へ?

タツミ

ちょうど先月に一緒に飲んだの

トラコ

は!?

タツミ

月に一回、集まって飲むのが恒例なのよ

トラコ

そこまで仲良くなってるのかよ!

トラコ

てか保育園の先生がそんな人たちとつるむのって良くないでしょ絶対!

タツミ

まあ、それはそうだね確かに

タツミ

でも根は優しい人たちだから

トラコ

そうは見えませんでしたけど!?

トラコ

玄関のチラシとか入れる場所から消化器噴射されたのよこっちは

トラコ

ホグワーツからハガキきたのかと思ったわよ最初

タツミ

とにかく、お姉ちゃんと健治の所業にはあの人たち相当キレてたからさ

タツミ

容赦ないと思うよ

トラコ

ふざけんな!

タツミ

それでさ

タツミ

連帯保証人の欄、私に今書き換えてもらってたんだけど

タツミ

私もう関係ないんでね

タツミ

お姉ちゃんに書き換えてもらいました、サービスで

トラコ

へ?

トラコ

は?

タツミ

だから離婚してもお姉ちゃんに支払い義務がいく可能性あるから

タツミ

頑張ってケンジ働かせて二人の力で頑張ってね!

トラコ

は!?ふざけんなそんなことして許されると思ってんのか!?

タツミ

私からのささやかな復讐でした

トラコ

倍々返しすぎるだろ!!!

タツミ

頑張って〜

〜後日談〜

タツミ

その後、姉夫妻がどんな末路を辿ったか詳しくはわかりません

タツミ

姉とはすっかり家族の縁を切ってしまいましたから

タツミ

それでも年末に実家へ帰ると毎回姉の話題が出てきます

タツミ

母が一度気になって、姉の自宅を訪れたそうなのですが

タツミ

そこは既に売却されており、何も残されていなかったそうです

タツミ

数日後、実家に姉から一通の絵葉書が届いたと言います

タツミ

そこで極寒の地でカニを撮りに行っているという内容が綴られていたそうです

タツミ

5000万円ですからね、それぐらいしないと返せませんよね

タツミ

カニ食べたいなあ

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚