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テラーノベル(Teller Novel)

僕は人の事が

信じられない。

今まで信じてきた人達は

全員僕のことを裏切った。

そんな人の事を

信じられない僕の前に

現れた彼は…

いつもと変わらず

ざわめく教室。

僕はヘッドホンをしながら

1人で外を眺める。

綺麗な桜が

風によって揺れている。

時々僕のことを

呼んでいる声が

聞こえるが

別にどうでもいい。

そんなことを思っていると

僕のヘッドホンが

誰かによって取られたのだ。

ころん

だ、誰?

るぅと

もう!

るぅと

誰じゃないんですよ!

るぅと

もうすぐで先生来ちゃいますよ!

るぅと

ヘッドホン持ってきてることがバレたらどうするんですか!?

この人は

唯一の友達のるぅとくん。

生徒会長ということもあり

かなり真面目だ。

だがその真面目が

たまにウザったい。

ころん

…うるさいなぁ。

るぅと

ほら、早くヘッドホン閉まってください!

ころん

はいはい。

僕は渋々

ヘッドホンを

カバンの中に入れる。

その光景を見た

るぅとくんは

納得したかのように

自分の席に戻っていた。

ころん

はぁ。

ころん

学校だるい。

静かに呟く。

学校というものは

僕にとって拷問のような場所だ。

るぅとくん以外

友達がいないので

誰かと喋ることもないし

誰かとわいわい騒ぐこともないし

クラスに一人はいる

陰キャとは

まさに僕のことを言うだろう。

と、その時

先生が教室に入ってきた。

先生の後ろには

見たこともない人が

いたのだ。

先生

皆席につけ!

先生

転入生を紹介する。

その途端

クラスがまたざわめく。

先生

静かにしろ!

先生が言ったことで

クラスがしーんと

静まった。

先生

よし、それじゃあ挨拶しろ!

さとみ

はい。

その転入生は

1歩前に出て

自己紹介を始めた。

さとみ

さとみです、よろしくお願いします。

この一言で

彼の自己紹介は終わった。

彼は桃色の髪の毛をしており

目は綺麗な

濃紺色だった。

顔が整っていることもあり

女子が静かに騒いでいた。

先生

えー、それじゃさとみの席は…

先生

お、丁度ころんの隣があいてるな!

先生

すまないが、ころんの隣に行ってくれないか?

さとみ

はい。

僕は目を丸くする。

え、イケメンが僕の隣?

え?

何その少女漫画みたいな展開。

意味分かんないんだけど。

僕は彼と隣になる事が

嫌だったので

全力で手を上げる。

ころん

せ、先生!

先生

なんだ、ころん?

ころん

た、谷川さんの隣もあいてるので

ころん

せっかくなら、あっちの方がいいんじゃないですか?

僕は谷川さんの席の

方向を指さす。

ころん

谷川さんが隣なら、多分さとみさんもいいと思うんですよね!

先生

う〜ん......

先生

確かにそうかもな!

先生

それじゃ、さとみ悪いが谷川の方に行ってくれないか?

さとみ

あ、はい。

心の中で

ガッツポーズをする。

ちなみに谷川さんとは

うちのクラス1…いや

うちの学校1人気な

美少女だ。

そんな2人が隣の席になったら

美男美女でお似合いなんだろうな。

そう思いながら

静かに彼を見る。

よくよく見ていると

彼は桜に似ている。

雰囲気とか顔が綺麗な所とか

とてもよく似ている。

と、その瞬間

1時間目が始まる

チャイムがなったので

僕は先程カバンに入れた

ヘッドホンを取り出し

装着する。

そして机に顔を埋めて

爆睡をかます。

お昼休み

あくびをしながら

僕は弁当箱の中に入ってる

具材達を口に放り込む。

この時間が

僕は何気に好きだ。

誰もいない屋上に1人で

いるとたまに

世界に1人っきりになってしまったかのような

感覚に陥る事がある。

その度になぜか

僕の心は満たされる。

冒頭で話した通り

僕は人を信じることができない。

今までたくさんの人に

裏切られたから。

確かに友達のるぅとくんは

いるけれど

別に信じてる訳ではない。

あの人が僕に付きまとってくるだけだ。

しかも僕、あの人ちょっと

苦手だしな…

そう思いながら

ボーッと空を

眺めていると

ドアの方から音がした。

僕はすぐドアの方向に

視線を向けると

今日転入生したばかりの

彼がいたのだ。

僕は眉毛を八の字にする。

ころん

お、お前なんでここに.....?

さとみ

ほら、今日天気いいじゃん?

さとみ

だから、外でご飯食べたくなっちゃって。

ころん

.....あっそ。

さとみ

あ、もしかして俺邪魔?

ころん

別に。

さとみ

そう…良かった。

彼は優しく微笑んだ。

その笑顔もなぜか

桜に見えてくる。

さとみ

.....ねぇ。

ころん

何?

さとみ

名前聞いてもいい?

ころん

.....ころん。

さとみ

そっか、ころんって言うんだ。

さとみ

よろしくな、ころん。

ころん

うん。

さとみ

俺の事はさとみって呼んでくれればいいからさ。

ころん

分かった。

その後は

ほぼ質問攻めになった。

でも僕が嫌がる質問は

無理して聞こうとしてこないから

少し調子が狂ってしまう。

さとみ

.....それじゃあさ、ころん。

ころん

何?

さとみ

俺の話、聞いてくれる?

ころん

別にいいよ。

さとみ

ありがとう。

彼はこれから

自分の話をするようだ。

さとみ

まずね.....

さとみ

俺、長生き出来ないんだよね。

ころん

…は?

転入してきた彼は桜のようだった。

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コメント

7

ユーザー

気になり過ぎて、夜しか眠れそうにありません!(は?)

ユーザー

めっためた続き気になってご飯食べれない((((((

ユーザー

続きが気になりすぎて今日は寝れそうにないです(( 楽しみにしてます!!

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