すちいる

すちとのLINEを開きシンプルに「きらい」のみを送った

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動画の締めのくだりを話していると、スマホが振動する。すちからの通話だった

いつもよりも低い声にビクリと肩をすくめてしまった。正直無理もないと思った

いるまとすちは恋人関係にあった。恋人からいきなりそんなメッセージが来たらこうもなるだろう

二人が会話に参加してドッキリとネタバラシをするといつものような穏やかな声色に戻った

そのまま和やかな雰囲気で撮影は終わっていった

すちに詫びのLINEを送ろうとしたらその前に連絡が入る

今からそっち行くね

逃げないでちゃんと待っててね

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着いたよ、連絡が入った次にインターホンが鳴る

活動用の連絡先ならもっと反応も違ったかもしれない。わざわざプライベートな連絡先にしたのは、

じわりと目に涙が溜まる。嫌われたくない、そんな軽い気持ちじゃないということを伝えたいのに言葉がでてこなかった

目に涙を溜めて一生懸命言葉を紡ぐいるまに背徳感に似たなにかが湧き上がる

まるでご主人様から”よし”を待つ犬のようにすちからの許しを待っている

ゆっくりと、甘い毒がいるまを侵食していく

いるまに気づかれぬよう、

いや、気づいてももう遅いだろう