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「ばいばい。」

そんな声がいつも聞こえる。

誰なのだろう。

ちょっと気になってしまう…

「ん…?」

またあの夢を見た。

あの声は誰が発しているのだろう。

よく分からない…

だが、少なくともわかるのは、

彼氏に近い声だ。

ブーブー…

…ずっと聞こえていたのは、着信音か。

画面に映し出されているのは、「絵海」の文字。

…こんな名前で男なのか…

「そんな名前でで何が悪いんでしょうか?」

「うわあ!!!!」

つい大きな声を発してしまった。

なぜ私の彼氏、絵海がここへいるのだろう。

「そりゃ、もう18時だし。」

「え?聞こえてたの?」

「めっちゃ普通に喋ってた‪よ。」

うわ、はっず。

「…んで、本題。」

「うん…どうした?」

「いや、言いずらいんだけどさ…」

俺と、別れてくれない?

そんな声が隣から聞こえる。

「…え?」

思わず声が出てしまった。

「だから、俺と別れてくれない?」

「…分かった。」

「それじゃ。」

ばいばい。二度と喋りかけるなよ。

…私は何かしたのだろうか?

いや、何もしていないはず。

そう思ったのに、目からポロポロと雫が零れ落ちていく。

「ばいばい。」

…夢の中のあの声は、私の「元」彼氏だったのか。

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