桃赤
さっき投稿したやつの赤くん目線です
俺は歌が好き
いや、
歌っている俺を見る桃くんが、好き
歌ってる瞬間は俺の事を見てくれるから
だから俺は、歌を歌うのが好き
でも、だんだんと気づいてきた
桃くんは俺の事を見てるんじゃなくて
俺の歌声だけが、好きなんだって
俺の歌声しか興味がないんじゃないかって
そう考えると、辛くなってきて
俺は桃くんを避けるようになった
桃
…俺なんかした?
赤
…別に、
俺が勝手に勘違いして、勝手に傷ついているだけ
桃
…なんで歌わなくなったんだよ
桃
歌、好きだろ?
赤
…
桃くんは何も知らない
別に俺は歌が好きなんじゃない
俺は、桃くんが好きなの
赤
もう、歌わない
桃
っ、は、?
赤
…桃くんは俺の歌が好きなんでしょ?
俺じゃなくて
赤
俺の歌声だけが大好きでしょ?
桃
…そうだよ
赤
…それだと辛くなってきたの
俺は歌声だけじゃない
赤
もう歌うのが苦しいの
俺は俺だもん
赤
…もう桃くんに歌を聞かれたくない
ちゃんと俺自身も見て欲しい
こんなの、我儘だけど
桃
…あっそ
桃
じゃあ、もういいよ
あれから俺はいっぱい泣いた
自分から突き放したのに
自分から、桃くんを拒絶したのに
それでも、桃くんに会いたかった
どれだけ歌っても、満足しなくて
何かが足りなくて
多分、それは桃くんで
ずっと、桃くんに歌を聞いて欲しかった
もう、無理だけど
どれだけ歌っても、桃くんに届くことはないけど
俺はずっと、歌い続けたい
もう二度と届くことの無い俺の歌を






