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ほんとに凄すぎて凄い、、(語彙力) めっちゃ涙出た、
昨日の流れで竜胆とパートナーに戻ることになった。それは良い。俺だって心から喜んでいる。
問題は事情を知っている梵天のメンバー達にどう説明するかだ。いや、幹部達はまだいい。恐らく俺のことなんかに興味はない。心配なのはマイキーの反応だ。
俺がマイキーに心配を掛けてしまったせいとは言え、アイツは俺と竜胆をなんとしてでも引き離そうとしていた。
それどころか俺がきっかけで、マイキーまでもサブドロップにさせてしまった。それだけの事をしたのにパートナーに戻りましたなんて、軽々しく言えるワケがない。
竜胆もその事は気に掛けているようで、事務所に向かう車の中で頼りない顔をしていた。
竜胆
春千夜
竜胆
春千夜
俺達の心配をよそに、マイキーの反応は意外にも寛容で拍子抜けした。
マイキー
春千夜
マイキー
竜胆
マイキー
笑顔で竜胆を脅すマイキーはやっぱり怖い。竜胆はヘラヘラと笑って誤魔化した。
九井
望月
竜胆
春千夜
マイキー
九井
鶴蝶
竜胆
皆が一斉に竜胆を茶化し始めた。こんなに賑やかな事務所はいつぶりだろう。理解のあるメンバーばかりで、本当に助かった。
蘭
蘭が無邪気な声で勢い良くドアを開けると、乾青宗が子犬のように首根っこを掴まれて捕獲されていた。怯えきってガタガタと震えている。
九井
鶴蝶
蘭
九井が怒りのあまり、Domがパートナーを守るために攻撃的になる『ディフェンス』の状態になりそうになったところで、慌てて鶴蝶が羽交い締めにして押さえた。蘭はここぞとばかりに舌を出して九井を挑発している。
春千夜
竜胆
蘭
鶴蝶
乾
九井
九井が羽交い締めから開放されるなり、乾は子犬のように九井の元に駆け寄って抱きついた。九井も目をうるうるとさせながら乾を抱きしめて、頭を撫でた。
竜胆
蘭
春千夜
熱い抱擁を交わす2人を、その場にいた全員が呆れた目で見ている。
九井
乾
九井
乾
九井
マイキー
望月
蘭
???
突然ドアの外から耳慣れない声が聞こえて、九井と乾と蘭を覗くメンバーが動揺を見せた。各々が警戒態勢に入って、武器に手を伸ばした。俺も咄嗟にポケットに手を入れて、仕込んでいた銃に手を掛けた。
鶴蝶
竜胆
望月
マイキー
気がつくと、マイキーが俯きながらガタガタと震えていた。さっきまでは一緒に笑っていたのに…一体どうしたんだろう。
???
九井
マイキー
マイキーに言われて、その場にいた全員が武器から手を離した。それでも緊迫した空気は消えない。
九井
ドラケン
ドアを開けて入ってきたのは、黒髪になりすっかりと大人の雰囲気に変わったドラケンだった。口調は昔と変わらず冷静でアンニュイなのに、切ない目でマイキーを見つめて今にも泣き出しそうだった。
マイキー
ドラケン
マイキー
ドラケン
マイキー
マイキーは言葉とは裏腹に怯えた様子はなくて、両目から大粒の涙を流して顔を真赤にしていた。ドラケンは一歩一歩ゆっくりとマイキーに近づくと、震える手で肩を優しく抱きしめた。マイキーの肩に顔を埋めているから表情は見えないけれど、鼻を啜る音が聞こえたから泣いているのだろう。
ドラケン
マイキー
ドラケン
その場にいた全員がつられて泣きそうになっていた。良かった、本当に良かった。子供に戻ったように泣きじゃくるマイキーを見て、2人の間で空白の時間を埋めているのが伝わってきた。
九井
乾
九井
蘭
鶴蝶
蘭
鶴蝶
場の空気を読んだ2人は、静かに手を繋いで俺たちに視線を配らせた。
乾
九井
乾
九井
乾
九井
乾
春千夜
竜胆
春千夜
竜胆が急に俺の手を握るから、一瞬心臓が跳ねた。蘭が微笑ましげに俺達を見ている。
蘭
竜胆
望月
鶴蝶
九井
竜胆
こういう時の梵天は団結力が強い。皆で一斉に事務所を出て、散り散りになった。
俺と竜胆は、結局竜胆の家に戻ってきた。デートに行くのも悪くはないが、今は誰にも邪魔されない場所で2人の時間を大切にしたかった。
竜胆が淹れてくれたコーヒーを飲みながら、2人でタブレットで通販サイトを見ている。
竜胆
春千夜
竜胆
俺が竜胆の家に頻繁に泊まりにくることを予想して、俺専用のものを買い込んでいるらしい。『ついで』と言って竜胆の分の揃いのものも買っているのは、この際放っておこう。
竜胆
春千夜
竜胆
春千夜
竜胆
竜胆はおかしな奴だ。俺の感情に敏感に気付く癖に、肝心な気持ちはわかってくれない。
…当たり前か。俺と竜胆は別の人間なんだから、結局は気持ちは言葉にしないと伝わらない。
俺はクッションを引き寄せて抱いて、深く息を吸ってから想いを口に出した。
春千夜
竜胆
春千夜
今自分がどんな顔をしてるかなんて考えたくもない。けれど竜胆が嬉しそうな顔をして俺を抱き締めたから、変な顔をしていたんだろう。
竜胆
春千夜
本当は竜胆と離れたくないだけだ。そこは素直になれなくても、さすがに俺の気持ちはわかってくれるだろう。
竜胆
どちらからともなく瞼を閉じて、キスをした。今日はコマンドを1度も使ってないのに、胸に温かい感情が広がって幸福に包まれた。
──人間は誰だって愛し愛されて、誰かの役に立ちたいと思って生きている。どうしてかを突き詰めたら、誰かに必要とされることこそが俺の『存在する理由』になるからだ。…ダイナミクスはもしかして、そんな人間の本質的な欲求から生まれた性別なのかもしれない。
いや、小難しいことは考えなくていい。俺は竜胆のためにSubである俺を受け入れて、2人の時間が末永く続くように一生懸命生きれば良い。──長年曇っていた俺の心が晴れて、全てが上手くいく気がした。
春千夜
END