ヒトクイさん

俺は友達の誠人と 家に帰っていた ふと電柱を見ると 行方不明者の情報を求める ポスターが貼ってあった

翌朝 学校に登校すると 教室が異常に騒がしかった

ガラッ

メールに既読もつかず 電話にも出ない誠人が気にかかるが "噂" というのも気になったため とりあえずクラスメイトに 聞きに行くことにした

帰り道 誠人の家に立ち寄ることにした

いつの間にか無意識に 早足で歩いていた

道端にうずくまる 一人のお爺さんがいた

気味が悪かったが とりあえず 声をかけることにした

何度も何度も頭を下げる お爺さんが哀れになり 俺は頼みを聞くことにした

言われていた家は 本当に近く すぐに着いた

とても大きな家だったが

おかしなことに 表札のない家だった

ずるっ

ズテッ

地面が少しぬかるんでいたせいで 盛大に尻餅をついてしまった

すると、お爺さんから渡された 封筒の中から 二つ折りにされた 一枚の紙切れが出てきた

興味本位で二つ折りにされていた 紙切れを開くと

大きな文字で

この子が食材

…と 書かれていた

慌てて立ち上がり その家の敷地から飛び出した

渡してきたお爺さんも グルかもしれないので お爺さんがいた道は通れず 少し遠回りし 誠人の家に着いた

ピーンポーン　ピーンポーン

なんだか

なんだか 少しだけ 違和感を 感じた

誠人ならいつも 連絡くれたり するのに

何も言わずに 学校をサボるなんて 今まで一度もなかった

走っても走っても家に辿りつかない それどころか遠く 離れていくような感覚さえしてくる

「異世界に連れて行ってその後…」

普通に家に走るのではなく 真逆の方向へと走り出す

家のすぐそばにあるコンビニが見えて ほっと胸を撫で下ろす

そして なんの躊躇もせず 家へ飛び込む

リビングでは 両親と妹がこちらに背を向け ソファーに座っている

ツルツルと滑る足元に 視線も移さず 家族に話しかける

TVからの楽しそうな笑い声が 部屋に響く

なかなか話を聞かない 家族に痺れを切らし母の顔を 半ば強引にこちらに向けさせる

家族達 いや 家族だったモノ達は

目は虚に虚空を見つめて 口からは血と泡を吐き 喉からはおびただしい量の 血が吹き出した跡があり リビングに 血溜まりを広げていく

足元もヌルヌルと血で 滑って動きにくい

足から力が抜けて 床に足から崩れ落ちる

ペタ…ピチャッ…

足音が廊下から響いてくる

後ろを振り向く気力もなかった

背中に刃物を突き刺サれる痛み

テレビかラ出ているたクさんノ 笑い声ガ部屋に響く

床に転がル妹と 目ガ合った …気がシタ