テラーノベル
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…自分語りはこのあたりにしておきましょうか
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⚠注意⚠ ガッツリ史実表記あり!! 微ブラックジョークあり
一応CP要素なしのつもりで書いてました…が! いま見直すとめっちゃ腐ィルターかかってます!! 一部修正してあります 約1年前なのでかなりクオリティ低め
完全に途中でバッサリ切れます。オチなし。 ミスあればその都度修正します
ふぉみゅ
時計の長針は地面と垂直に、 まっすぐに落ちて時を示す。 うっすら明るさが残る薄明の時、 姿勢正しく外を見つめる若者がいた。
ジャケットは右腕に掛け、 左腕には帽子を抱えて、 シワ一つないシャツを着ている__ その人こそが海上自衛隊である。
三兄弟のうちの次男でありながら、 他の誰よりも戦時の記憶を受け継ぎ、 今なおその文化を継承している。 勤勉で、かつ穏やか。 まさしく、己の国の然るべき海を守るのに 適切な人物であった。
日が疾うの昔に落ちていった海を眺めた。 締め切られた空間であるのにも関わらず、 潮風が頬を撫でているような気がした。
ここはロビー。 普段は海上自衛隊の隊員が 利用しているが、今はその姿はない。 この時間多くの人は夕食を取りに ロビーを離れるからだ。
日中の談笑のない静かな空間で、 夜に染まった海を眺めるのが 海上自衛隊の密かな嗜みだった。 しかし、ただ眺めるだけではなく、 仕事の整理の時間に 使っていることがほとんどであったが。
「『自由で開かれたインド太平洋の実現』、か……。 近頃は尖閣諸島での領海侵犯が 頻発に発生していると 海上保安庁から聞いた。 東シナ海も同様に被害があると 耳にしたことがある…… 我が国にとっては極めて容認しがたい事実だ。」
先週配布されたプリントの表紙を 一通り見たのちモノローグをこぼし、 珍しく怪訝な顔をした。 ふと、その顔が硝子に映り、我に返る。
「いかんいかん、 このような顔をしては…… もうあのような失態は 起こさないと決めたはずだ。」
「失態、と言ったかね?」
背後から聞き馴染みのある声が突如として響き、 ほんの少し身体がこわばる。 帽子の歪みが分かるほど、 腕に不自然な力が入っている。 先程まで自分以外誰一人として いなかったのではなかろうか、 なぜ気づかなかったのか。 そんな疑念を抱えながら、 身体を180度回し、 声の主の方を向く。
そこには見慣れた顔があった。 整った顔立ち、すらっと優雅な体型。 海自よりも5cmほど高いだけの その背丈でありながら、 厳粛な雰囲気を感じる。 ほんの少しだけふわりと香る、 染み付いた紅茶の匂い。 夕闇の中でも存在感のある、 そこにいるだけで 空間を支配してしまうかのようなその姿は、 昔の記憶からほとんど変わらない。
「イギリス殿ではありませんか、 いらっしゃったのですね。」 「ああ、君が立ち止まって 空を眺めている頃から。」 「では……わたくしの独白も お聞きになりましたか。」 「勿論さ。」
アメリカやその他の国は 夕食に出かけていたところは見ていた。 いつも通り、ひとりには あまりにも広すぎる空間を 独占していると思っていた。 まさか他人、それもよりにもよって 師のイギリスに聞かれていたとは……。 何たる恥辱か。 顔の火照りを感じ、 その表情を少しでも見せぬよう、 少し俯く。
「なんだね、恥ずかしいのかい? 大した失敗ではないだろう。 君は少々完璧主義の度が過ぎる。」 「いえ、とんでもないことでございます、 わたくしのようなものが 貴方の前で言葉を漏らすなど…… 非常にだらしのないこと。 それに、何より私情でありますから、 失礼極まりない言動でございます。」 「君がそう思うのならそれでも良いのだが……。 まあいい、私はこのような話をしに ここに来たわけではないのだから。」
彼は私の横まで、コツ、コツと 重厚な足音をたてて歩みを進め、 続けて言った。
「本日の訓練は素晴らしかった。 以前も非常に出来が良かったが、今回は特に。 近年、君の近隣の国を起因とする 問題が多く起こっている。 君の言った、 『自由で開かれたインド太平洋の実現』とは かけ離れているのが現状だ。 嗚呼、あの時しっかりと薬漬けにして 再起不能にしておけば よかったのだけれど。」
薬漬けとは、おそらくアヘンのことだろう。 イギリス、その植民地のインド、 そして清の間での三角貿易で、 彼は清に大量のアヘンを売った。 そのため清では太平天国の乱が起こり、 結果的にアヘン戦争に繋がった…… と習った記憶がある。 実際多くの中毒者は出したが、 中華民国へと国家が変わった後に 現代へと移り変わったことを考慮すると、 少しファンタジーすぎる話な気がするが。
「……今の部分は笑って良いところですよ。」
こころなしか口を尖らせているようにも見える。 どうやらご機嫌を損ねてしまったようだ。 彼の笑い話は私の国とはかけ離れている部分がある。 ジョークだろうな、と思っても 笑えない話の時も多々あるので、 反応をどうするか考えている間に 話が進んでしまうことが多いのだ。
「申し訳ございません。 いささか諧謔に馴染みがないものでして……。 しかしながら、お褒めいただけて光栄です。 貴方様に褒めていただけるのが、何よりも嬉しい。」
彼の瞳の奥が、ほんの少しだけ揺らいだように見えた。
「まだまだ未熟ではありますが、 いつか貴方様の前で胸を張れるように これからも努めてまいります。」 そうか、とクスっと笑い、 少しの間をおいて彼は言った。
「君はもう十分な強さを持っている。 私に並ぶぐらいのね…… 本当に君は昔から変わらない。 その行き過ぎたまでの礼儀正しさと、 恐ろしいほどの自己肯定感の低さ。 君のお兄さん、日本と同盟を結んだときから。」
突如として放たれたその言葉に、面を食らう。 うっ、と小さな呻き声が咄嗟に出る。
兄と貴方が同盟を結んでいた、 あの頃から 私が変わっていない? 大きな失態を犯し、 武力解除を強制され、 一度ほぼ屍となったあのときから…… 反省も、変化も、成長も、 してきたつもりで 出来ていなかったのか? ……もしそうだとしたならば 私は愚か者だ。 未だ昔の記憶に囚われ、 その枠を打ち破ったつもりでいて、 何も出来ていない。 変わっていたのは世界で、 自分ではなかった。 早々に気づくべきことであっただろうに__
きゅ、と 垂れ下がったジャケットの裾を掴む。 ぐちゃぐちゃな感情が 行き場をなくして 体の中を這いずり回っている。 喉元まで這い上がった言葉が、 ふつふつと湧き上がる 腸の奥へと沈んでいく。 ついさっきまで気にも留めなかった 時計の針の音が煩い。 ああ、どうしようか。 このことが勘付かれてしまったら ひどく彼を傷つけるかもしれない。 でも、どう切り返せば……
「⋯…JMSDF いや、今は海上自衛隊、と呼ぶべきだな。」 顔は下を向いたまま 目線を上に上げると、 彼は屈んで 私と視線がまっすぐに 交差する位置にいた。 「一度私の部屋に来ないか。」
「⋯…っ、御言葉に……甘えて……。」
一瞬の迷いも、 そして自分が何を感じたのかも 勘づかれてしまったようだ。 はしたない、と思いながらも、 今更彼の願いを退けるわけにはいかない __それどころか、 到底恐ろしくて出来ない。
手を精錬された動きで優しく取られる。 エスコートは手慣れているようだった。 先程まで身体を巣食っていた感情が、 スッと抜け落ちるかのように思った。 手袋の上からでも分かる整った手つきに、 自分より少し冷たいのに、温かい手。 自分が触れていいものなのか不安になる。 その手に導かれながら、 私は彼の宿泊部屋に招き入れられた。
ふぉみゅ
なんと、以後の展開なし!!
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SS供養所
トールサイズのあじふらい
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コメント
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読みました!海自とイギリスのやりとり、すごく丁寧で引き込まれました。特に「自己肯定感の低さ」を昔から変わらないと指摘されるシーン、ぐっときましたね…。軍人としてのプロフェッショナルさと、内心の脆さのギャップがよく描かれていて、続きが気になります。紅茶のシーンがあればもっと深まったでしょうけど、この余白も味わい深いです。また次の作品も楽しみにしてますね。