君と歩く学校の帰り道
君
人の気配がしないこの広い通りに 君の楽しそうな声が響く
君と顔を合わせたくなくて、
ずっと前を見ていたら、 石につまずいて転んでしまった
地面に打ちつけてしまった右ひざを さすっていると、君は
君
そう言って右手を差し伸べてくれた
でも、その手を無視して何事も なかったかのように立ち上がった
君は少し不思議そうな顔をして
君
また、楽しそうに今日の学校でおきた人生の''ハジメテ''を話し出した
君
そして、
君ならきっとするだろうと思っていたこの話の最後の問いを 私に投げかけてきた
それを
聞き終わりたくなくて
自分
と遮るように問いかける
君はまた不思議そうな顔をして
こっちを向いた
自分
君は訳が分からないという顔をした
君
続きを聞きたくなくて、
答えたくなくて、
そっと
君の唇に人差し指をあてた
君は驚いた顔をした
そして
君の唇にあてた人差し指を
自分の唇にあてる
……ありがとう
そのまま逃げるように走った
もう君がどんな表情をしているのかも 分からなかった
この頬を伝うものの理由は、
地面にうちつけた膝の痛みでもなく
全速力で走る苦しさでもなく、
君の唇にあてた人差し指だった
コメント
1件
素晴らしい作品でした;; ブクマとフォロー失礼します