青
ご飯を食べ終わり、何気ない話をしながら残りのお昼休みを過ごしていると、青先輩が突然立ち上がった。
青
青
え?
黄
青
青
え、あの!
引き止める間もなく、行ってしまった2人。
出ていく寸前、青先輩がウインクをしたように見えた。
もしかして、気を使わせてしまった?
広い屋上で、桃先輩と二人きり。
少しの間、沈黙が流れる。
桃
桃
静寂を破った桃先輩の声は、申し訳なさそうで、でもどこか優しさが含まれているような声色をしていた。
赤
桃
桃
ふふっ、さっきはキツいことを言ってたけど、なんだかんだとてもいい関係なんだなぁ。
赤
笑顔を浮かべて、桃先輩の方を見る。
するとなぜか、桃先輩は目を見開きながら俺を見つめ返してきた。
赤
どうしたんだろう?
桃
桃
赤
今、可愛いって…言った?
恥ずかしげもなく言葉にする桃先輩に、こっちが照れてしまう。
ま、また顔が熱くなってきた。
桃
放課後?
赤
赤
桃
赤
今日は水曜日だから、委員としての仕事がある。
先生のお手伝いというより、先生がいない間、先生の指示どおりケガ人や病人の手当をするお仕事だ。
桃
桃
俺の顔色をうかがうようにじっと見つめて言ってきた桃先輩。
赤
断る理由もなくこくりと頷くと、桃先輩は嬉しそうに口角を緩めた。
桃
桃
"迎えに行く"
その言葉に、くすぐったい気持ちになる。
昨日は冗談だと思い、約束を破って黄くんと帰りそうになったけど…。
赤
気恥ずかしくて、桃先輩から視線を逸らしながら言った。
ところが、なぜか返事がなくて、シーンとその場が静まる。
あ、あれ?
俺、変なこと言ったかな?
赤
心配になって桃先輩のほうを見ると、なぜか先輩は、真剣な表情で俺を見つめていた。
綺麗な瞳に見つめられて、逸らせなくなる。
ゆっくりと、桃先輩の顔が近づいてきた。
桃、先輩?
顔が、近……い、
――ガチャリ
青
扉が開いて、青先輩と黄くんが入ってくる。
俺は反射的に、桃先輩から距離を取った。
び、びっくり、した。
今……。
……ほ、ほっぺに、き、キス、されるかと思った。
青
桃
青
と不満をこぼしながら不機嫌アピールをする青先輩に、ホッとする。
よかった、2人が戻ってきてくれて。
もしあのまま、2人が戻ってこなかったら…
どう、なっていたんだろう
……ダメだ。
変な事考えるのはやめよう!
慌てて首を振って、妄想を振り払う。
ただ心臓だけが、ドキドキと鳴り止まないままだった。
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コメント
9件
ブクマ失礼します!
後フォロー失礼します!
連載ブクマ失礼します!やばい凄く最高です!物語作るのうますぎです。私にもその力欲しいです!