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あ、僕お茶買ってくるわ

ご飯を食べ終わり、何気ない話をしながら残りのお昼休みを過ごしていると、青先輩が突然立ち上がった。

喉渇いたしー。

……そうだ、黄くんも行かない?

え?

!?ぜ、ぜひ!!

ふふっ、じゃあ行こっか!

邪魔者はいったん退散しまーす

え、あの!

引き止める間もなく、行ってしまった2人。

出ていく寸前、青先輩がウインクをしたように見えた。

もしかして、気を使わせてしまった?

広い屋上で、桃先輩と二人きり。

少しの間、沈黙が流れる。

ごめん………。

あいつふざけてるけど、根はいいやつだから……

静寂を破った桃先輩の声は、申し訳なさそうで、でもどこか優しさが含まれているような声色をしていた。

友達思いなんですね

友達…………っていうか、兄弟みたいな感じ。

うるさいけど、信用はしてる

ふふっ、さっきはキツいことを言ってたけど、なんだかんだとてもいい関係なんだなぁ。

はい。伝わってきました

笑顔を浮かべて、桃先輩の方を見る。

するとなぜか、桃先輩は目を見開きながら俺を見つめ返してきた。

………桃先輩?

どうしたんだろう?

あ………ごめん。

可愛かったから見惚れてた

………っ、え

今、可愛いって…言った?

恥ずかしげもなく言葉にする桃先輩に、こっちが照れてしまう。

ま、また顔が熱くなってきた。

あのさ、いつも放課後って何してる?

放課後?

えっと、月,水,金は夕方五時まで保健室にいます。

保健委員なので、先生のお手伝いを……

今日も?

はい。

今日は水曜日だから、委員としての仕事がある。

先生のお手伝いというより、先生がいない間、先生の指示どおりケガ人や病人の手当をするお仕事だ。

俺も5時まで部活なんだけど、…

終わったら、一緒に帰らない?

俺の顔色をうかがうようにじっと見つめて言ってきた桃先輩。

は、はい

断る理由もなくこくりと頷くと、桃先輩は嬉しそうに口角を緩めた。

ありがと。

それじゃあ終わったら迎えに行く

"迎えに行く"

その言葉に、くすぐったい気持ちになる。

昨日は冗談だと思い、約束を破って黄くんと帰りそうになったけど…。

今日は…ちゃんと、待ってます

気恥ずかしくて、桃先輩から視線を逸らしながら言った。

ところが、なぜか返事がなくて、シーンとその場が静まる。

あ、あれ?

俺、変なこと言ったかな?

桃、先輩?

心配になって桃先輩のほうを見ると、なぜか先輩は、真剣な表情で俺を見つめていた。

綺麗な瞳に見つめられて、逸らせなくなる。

ゆっくりと、桃先輩の顔が近づいてきた。

桃、先輩?

顔が、近……い、

――ガチャリ

ただい……あれ、タイミング悪かった?

扉が開いて、青先輩と黄くんが入ってくる。

俺は反射的に、桃先輩から距離を取った。

び、びっくり、した。

今……。

……ほ、ほっぺに、き、キス、されるかと思った。

えっと、僕らもう1回どっか行こうか?

……もうお前しゃべんな

えー、ひっど!

と不満をこぼしながら不機嫌アピールをする青先輩に、ホッとする。

よかった、2人が戻ってきてくれて。

もしあのまま、2人が戻ってこなかったら…

どう、なっていたんだろう

……ダメだ。

変な事考えるのはやめよう!

慌てて首を振って、妄想を振り払う。

ただ心臓だけが、ドキドキと鳴り止まないままだった。

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コメント

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連載ブクマ失礼します!やばい凄く最高です!物語作るのうますぎです。私にもその力欲しいです!

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