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あ
801
羽海汐遠
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コメント
1件
読み終わりました…!第3話、めちゃくちゃ重くて惹き込まれました。キョウカとエゴの「だっせぇ」「気の合わねぇ相棒」って関係性がたまらないです。トワ助けるために自分の影と契約して、毒雪の戦闘シーンも映像が浮かぶようで鳥肌立ちました。最後の転校生がまさかのあの女で「エゴ様の大ファン」って…不気味すぎる笑。重いのにクスッとくる掛け合いが絶妙で、続きめっちゃ気になります!
エゴ
知らない場所、知らない空気、 知らない声。
ここは何処だ、これは何だ、 こいつは誰だ。
刹那、幾度もそんな思考を復唱する。
目の前の影には見覚えがあった。 いつも一緒にいるあの影だ。
しかしちょっと違うところがある。
暗闇の中でもはっきりと輪郭が 見えており、おまけに顔がある。
瞳孔も眉も無い、絵に描いたような 適当な赤い目。
大きく開かれた右目に、縮んだ左目。
ちょっと不気味で幼稚な、 おかしな顔だ。
キョウカ
ただ一言、簡潔に返した。
エゴ
エゴ
エゴ
キョウカ
エゴ
キョウカ
エゴ
人差し指を立て、自分と影を 交互に指す。
キョウカ
キョウカ
エゴ
影が拳から何かを上向きに立てる。
指か何かだろうか。
エゴ
エゴ
キョウカ
エゴ
エゴ
キョウカ
エゴ
エゴ
エゴ
キョウカ
エゴ
エゴ
キョウカ
エゴ
キョウカ
エゴ
キョウカ
キョウカ
トワ
トワ
トワ
トワ
トワ
トワ
ズオ……!!!
黒い霧の触手がトワに巻き付き、 首までじわじわと迫り上がる。
ついに顔まで覆い始め、トワに 一縷の焦りが走った。
キリ
ギュ…ッ!!!
トワ
影が固形化し、身体を強く圧迫する。
胸が強く締め付けられ、 呼吸まで苦しくなってきた。
トワ
トワ
トワ
ドクン…
トワ
ドクン…
ドクン…
キリ
壁に貼り付けになった男の身体が、 大きく揺れる。
Q.それは何故か。
ッドクン!!……
A.心臓の鼓動が強すぎる為。
キリ
シュルッ…!
キリが後ずさるように 黒い霧の身体を退いてゆく。
女が制止しても、キリは聞かない。
Q.それは何故か。
A.影特有の直感により、 危機を感じた為。
意識がない、ただの肉体。
だというのに、 壁から降ろされても倒れない。
肩をガクンと落とし、 不気味な雰囲気を纏っている。
直立している。
Q.それは何故か。
A.強い潜在意識が目覚めている為。
キョウカ
Q.それは誰か。
A.適当な答えが出来ません。
キョウカ
キョウカ
Q.それは"誰"と"誰"か?
キョウカ(?)
キョウカ(?)
キョウカ(?)
キョウカ(?)
キョウカ(?)
キョウカ(?)
キョウカ(?)
ズオッ_!!!
キョウカの足元から、黒い影が伸びる。
彼の身体に纏い付くその影から、 赤い目が二つ現れた。
アンバランスで、何処か可笑しい 赤い瞳だ。
エゴ
エゴ
エゴ
影が体積を増し、彼の全身を 覆ってゆく。
呑み込むというより、 鎧か何かでも着けるように。
エゴ/キョウカ
エゴ/キョウカ
キリ
エゴ/キョウカ
キリ
ドギャッ_!!
驚異的なスピードで放たれた 黒い拳が、キリの防ぎ手と衝突する。
キリは押し負けるどころかそのまま 吹き飛び、天井に激突した。
エゴ/キョウカ
黒い拳を開いたり閉じたりし、 握力の加減を確かめる。
すると、やけに感覚が軽い。
つまりは遥かに強くなっている ということだ。
キョウカ
エゴ
キョウカ
キョウカ
エゴ
エゴ
キョウカ
エゴ
エゴ
エゴ
見ると、女が手元に影を集め、 一体に収縮している。
あの影の眼光がより輝き出し、 女の瞳と繋がった。
キリ
「"因子共鳴"……」
彼 岸 細 雪
ヒガンササメ
影の瞳と女の瞳が薄紫光で繋がり、 閃光が弾ける。
その瞬間、部屋中を包み込む 無数の細雪が視界を覆った。
エゴ/キョウカ
ボフッ…!!!
大量の薄紫の雪が 暴雨風のようにキョウカを呑み込み、 その姿は見えなくなった。
ダッ_!!!
エゴ/キョウカ
トワ
キョウカがトワを抱え、コンテナ街の 中から飛び出てくる。
直後その出口から、黒い霧が 雪崩のように続く。
それは伝播するように徐々に 薄紫の細雪に変化し、上空へ 霧散していった。
エゴ/キョウカ
脚で勢いを殺し、女と相対する。
抱えていたトワをその場に降ろした。
トワ
エゴ/キョウカ
エゴ/キョウカ
エゴ/キョウカ
女の瞳がぼんやり発光している。
背後ではしんしんと 静かで細やかな雪が降っていた。
…しかし、ただの雪ではないことは 確かだ。
薄紫色で、異常なほどの量。
なんというか、ゲームなら 毒属性か何かだろう。
トワ
フラ……ッ
エゴ/キョウカ
キョウカ
エゴ/キョウカ
トワ
エゴ/キョウカ
トワ
ガシッ…!!
トワが弱々しく、しかし力強く 肩を掴む。
トワ
トワ
トワ
エゴ/キョウカ
エゴ/キョウカ
トワ
トワ
エゴ/キョウカ
自分の手を見る。
黒くて、鋭くて、やけに硬い。
人間の力では無い。
エゴ/キョウカ
キョウカ
エゴ
エゴ
エゴ
キョウカ
キョウカ
エゴ
エゴ
深く息を吐く。
女の鋭い眼光が、薄紫色の敵意が、 真っ直ぐこちらに向けられていた。
エゴ/キョウカ
もう一度、手を握る。
軽い。
エゴ/キョウカ
エゴ/キョウカ
トワ
トワ
キリ
ブワッ……
黒い霧が左右から展開し、 目の前に一本道が現れる。
月光が塞がれた、闇の道。
その道を衝動的に、本能的に駆けた。
ダッ…!!!
エゴ/キョウカ
エゴ/キョウカ
カッ_!!
周囲の霧が、一気に紫色に花開く。
廻る闇の中、毒の鱗粉が しんしんと振り注いだ。
キリ
ズドド………!!!
雪崩。
地面に落ちる前に空中で雪塊を形成し、 キョウカを真上から押しつぶす。
濃い毒の突風が地面を伝い、瞬時にして その姿を呑み込んだ。
「……」
「ところでよォ……」
「お前、暗い所は好きか?」
ズシャ_!!!!
エゴ/キョウカ
エゴ/キョウカ
雪塊を黒い爪が両断する。
粉雪の様に辺りに舞い散り、 毒とともに立ち上がる。
腕だけじゃない。 足から胴、顔に至るまで。
黒い影がすべてを覆っていた。
エゴ/キョウカ
_ドッ
轟音。
黒い脚が地を蹴るだけでヒビ割れ、 重い音を響かせる。
風圧が霧を掻き消すも、 黒い姿とキリの霧が入り混じって よく視認できない。
キリ
ブワッ!!
煙幕状の雪霧の中を、圧縮された 霧の触手が縦横無尽に駆け巡る。
圧倒的物量の巨大範囲挟撃。
キョウカは既に、その範囲に 入っていた。
キョウカ
エゴ
エゴ/キョウカ
霧の中。 致命的な視界でも軌道が見える。
エゴと同化した彼は今、明らかに 人間としての能力を超越していた。
ダッ_ダダッ!_ダ_!!!!
コンテナの壁を駆け上がり、 蹴りながら真横に跳ねる。
こちらもまた圧倒的運動量。
目に追うのも難しい速度で 女を翻弄していく。
エゴ/キョウカ
あちらこちらで風切り音が聞こえる。
自身も高速で宙を跳びながら、 反射と姿勢制御を利用し 千撃を躱しているためだ。
一方女は、距離を詰められることは そうそう無いと確信している。
しかし、だからこその不安。
そのあまりの手応えの無さに、 女は違和感を覚えた。
均衡状態が彼女の神経を逆撫でる。
相手は全身を影で纏い、 呼吸すらできない状態。
それで耐久勝負を持ちかけている彼が、 無性に気に食わないのだ。
キリ
キリ
キリ
_ヒュオッ!!!
何かに気づいたあと、 迷いなく一点だけを攻撃する。
そこは霧の……"毒雪"の外。
キョウカはその場所でトワを抱え、 今にもこの場を離れる準備をしていた。
・・ 触手が伸び、キョウカの左側から 躍りかかる。
そしてそれが、憚られた。
__ドゴッ…!!!!!
キョウカ
キョウカ身体が地面に叩きつけられ、 大きく弾む。
ドシャ……
コツッ
コツ、コツ、コツ……
女のスニーカーが軽快な音を鳴らす。
両手に手を突っ込んだまま、沈んだ瞳で キョウカを見つめていた。
……スッ……
女が手を構える。
瞳が妖しく光り、女の影"キリ"の 目と繋がった。
キョウカ
キョウカ
キョウカ
キョウカ
キョウカ
キョウカ
………ニヤリ。
微笑む。
ずっと一緒だった。
いつも側にいた。
あの木陰で出会った時から、 人生の延長線を引いてくれた。
家族よりも、近しい存在だった。
だから
だから……
キョウカ
キョウカ
キリ
キリ
「トーゼンよォ!!」
ブォ…!!
女の背後。
毒雪の霧を引き裂いて躍り出てきた そいつは、真っ黒で。
手足は鋭いし、輪郭は少しぼやけてるし
何が可笑しいのか。大きく目を見開いて
その目は紅く、淡い光を灯していた。
エゴ
キョウカ
ギュッ……!!
ダッ_!!!
キリ
エゴが女を羽交い締めにし、 首に手をかける。
それと同時にキョウカはトワを抱え、 港のコンテナ街から脱出した。
エゴ
エゴ
トワ
トワ
タッタッタッタッ……
トワ
キョウカ
キョウカ
トワ
キョウカ
トワ
キョウカ
キョウカ
トワ
トワ
キョウカ
ズ……
街灯の下を駆け抜ける。
その時、 キョウカの影の中から人型の 黒い者が這い出し、立ち上がった。
そして真横を、同じスピードで 並走する。
キョウカ
エゴ
エゴ
キョウカ
エゴ
エゴ
キョウカ
キョウカ
トワ
トワ
エゴ
キョウカ
キョウカ
トワ
トワ
キョウカ
エゴ
エゴ
キョウカ
エゴ
トワ
キョウカ
エゴ
トワ
キョウカ
エゴ
「「気の合わねぇ」」
「「"相棒"だな。」」
担任
担任
サヤ
トワ
キョウカ
エゴ
キョウカ
キョウカ
エゴ
エゴ
エゴ
キョウカ
キョウカ
エゴ
エゴ
キョウカ
トワ
サヤ
トワ
サヤ
サヤ
彼女の目元が少し赤い。
加えて少し腫れていた事には、 気づいて気づかないフリをした。
トワ
トワ
サヤ
キョウカ
エゴ
担任