山風木琴
山風木琴
山風木琴
私はただ木以外に何もない場所をひた走る。
山風木琴
佳菜宮加里
逃げたところでどうにもならないと悟った私は、考えて考えた。
ただ逃げながら。
私は巫女だ。
それなら、浄化できるんじゃないか?
そういう風に考えた私は、あの変な呪文を唱え始める。
山風木琴
山風木琴
佳菜宮加里
悪霊の体が消えかかっている。
それでも私は、引き止めようとは思わなかった。
巫女の力を、失いたくなかった。
これはただの自己満足かもしれない。
でも、ただ一つだけ分かった。
山風木琴
これだけは考えられたんだ。 私の小さな脳みそでも。
数年後
私は、またあの森へ来ていた。 今でも悪霊の力が感じられるようだった。
私は木の幹をなぞりながら一人呟く。
山風木琴
でも、言ったところで無駄だった。
もう消えたものは帰ってこない。
今の私には、その言葉が痛いほど響いた。
END…
山風木琴
山風木琴
山風木琴
山風木琴
山風木琴
コメント
3件
加里と木琴が仲良く学校に通っていたのは、夢だったんですね。切ない物語をありがとうございました。