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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 嘔吐表現注意⚠️ 二次創作
rara🎼
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第45話『混線する記憶』
朝。
目覚ましの電子音が耳に届くより先に、らんは目を覚ましていた。
頭の奥に残る重い靄と、まだ消えないざわめき。
夢なのか記憶なのか――判別できない映像が脳裏にこびりついている。
らん
額を押さえて深呼吸をする。
体が鉛のように重い。
けれど、昨日のように倒れたわけではない。
ただ「違和感」が全身を支配している。
洗面所の鏡を覗き込む。
青白い顔。
そこに映る自分が、ほんの一瞬だけ口角を上げた気がした。
──「おはよう」
声はしない。
だが、唇が動いたのを確かに見た。
らん
慌てて顔を洗い、冷たい水で現実に引き戻す。
午前。
リビングに出ると、すちが来ていた。
すち
すち
いるま
すち
すち
らん
そう答えながらソファに腰を下ろす。
すちは心配そうに紅茶を淹れてくれた。
優しい香りが漂い、少しだけ息が整う。
らん
すち
短いやり取り。
けれど、その温度が今のらんにはありがたかった。
すち
すち
いるま
昼。
外の空気を吸おうと、二人で近所を歩いた。
道端の花、子どもたちの笑い声、鳥の鳴き声。
どれも現実のはずなのに――
突然、視界が二重にぶれる。
街路樹の下に立っているのは仲間たち。
汗を拭いながら笑い合うこさめの姿。
こさめ
声が鮮明に耳に届いた。
同時に、現実のすちの声も重なった。
すち
すち
二つの景色が衝突する。
目の前の現実と、脳裏の記憶。
どちらが本物なのか判別できない。
心臓が速くなる。
呼吸が浅くなる。
そして――
胃の奥からこみ上げる強烈な吐き気。
らん
胸を押さえ、木の陰に駆け込む。
喉の奥が熱くなり、耐えきれず吐き出した。
らん
らん
酸っぱい液体と一緒に、頭の奥の「混ざった映像」まで吐き出せればいいのに――そんな絶望的な願いが過った。
すち
背中をさすりながら、すちが必死に声をかける。
すち
らん
息を荒げながら、らんは必死に笑みを作った。
だが、その目には涙が滲んでいた。
夕方。
帰宅後、らんは自室にこもった。
水を口に含んでも、吐き気は完全には消えない。
体調を崩したわけではない。
――脳が「矛盾」を処理できずに悲鳴を上げているのだ。
机に突っ伏すと、また映像が流れ込んできた。
――スタジオの鏡に並ぶ自分たち。
――こさめが真剣に振り付けを確認する姿。
――カメラを構える自分。
らん
確信が強くなる。
だが、次の瞬間、映像が歪み始めた。
鏡の中に「もう一人の自分」が立っている。
笑顔を浮かべながら、しかしその目だけは冷たく光っていた。
らん?
らん
らんは机を叩きつける。
らん?
らん
らん
頭の中で二つの声がぶつかり合う。
現実のらんの声と、もう1人の声。
ノイズが混ざり、胃の奥が再びえぐられる。
らん
喉を押さえ、呼吸を乱しながら必死に耐える。
らん?
らん?
らん
震える声で返すと、もう1人は嗤った。
らん?
夜。
布団に横になっても、映像は消えなかった。
虚偽の記憶――昨日まで信じていたはずの自分の日常。
そして、鮮明に蘇る本物の記憶――仲間たちとの時間。
二つがぐちゃぐちゃに絡み合い、脳が悲鳴を上げ続ける。
――こさめが笑う。
――こさめが泣く。
――いるまが隣にいる。
――みことが声をかける。
――自分はそこにいて、でもいなくて。
全てが矛盾し、押し潰されそうになる。
吐き気に耐えながら、らんは胸を掴んだ。
息を吸う。
吐く。
ただそれだけで精一杯だった。
らん
らん
震える瞳で天井を睨みながら、らんは固く拳を握った。
――こさめ。
その名前を思い浮かべるたびに、影はざわめき、ノイズは増す。
だが、確かにそこに「真実」が眠っていると感じていた。
らん
誰に聞かせるでもなく、掠れた声で呟いた。
その決意を、もう1人がどこかで嗤って見ているのを感じながら。
第45話・了
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡460
rara🎼
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コメント
2件
キチィ〜(らんくんも私も)
あーーーーーーまじ思い出してくれ、