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怪盗 時雨桜

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怪盗 時雨桜

14 - 情報共有

2021年12月06日

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〜渉 side〜

時雨桜

『__そういうわけだから、さようなら』

その言葉の直後、物を落とした音と、 ついでに踏みつけるような音も鳴る

……バレたか

うーん、一筋縄ではいかないっすね……

元々、この作戦にあまり期待は していなかったが……

それにしても、あの時の時雨桜の 反応が、妙に引っかかる

俺が手錠をかけた直後、ずっと 冷静沈着だったあいつが、突然焦った ように暴れ出した

まるで、理性を失ったかのように

その後、追う予定ではなかったから 逃したが、そのまま捕まえることも できたと思うと……

(……少々、惜しいことをしたな)

結局、声はあっさり聞けちゃいましたけど、ほんとに女っぽかったっすよね

……どうだかな。声を作っている可能性もある

えっ、男があの声を……?

長身の見た目に反して、声は 可愛らしい少女のようなものだった

女性というより、女の子と 言った方が適当だ

うらさん、次どうします?

もう少し、“L”と連絡を取り合ってみる。流石に頼りっぱなしなのも良くないけどな

たしかにそうっすね。今頼れるのは“L”だけやし……

それから、学校での調査も しなければいけない

二年三組の藤咲彩莉

今日の昼に会った時、真冬の彼女と 言っていた藤咲は、最近真冬とよく いるのを見かける

前から浮上している、 『時雨桜複数人説』

春舞で出ている『相川真冬時雨桜説』 も含めると、今のところ怪しいのは、 一ノ瀬彼方と藤咲彩莉の二人

頭脳明晰な生徒会長も十分怪しいが、 藤咲彩莉は、何か引っかかる

突然仲良くし出したのも怪しいし、 何より、昼に話した時は、嘘を 言っているようにしか見えなかった

探偵をやっているおかげで、 人の動きを見れば、相手が嘘を 言っていても粗方見抜ける

彼女は、俺が真冬のことを聞いた時、 少し怪しんだような顔をした

それから俺の質問に答える時も、 まるで本当だと言うように、 強く言っていた

それが逆に怪しい

ほぼ確実に、彼女は何かを知っている

そして、何かをしている、もしくは、 何かに巻き込まれている

……少し、仕掛けてみるか

 〜彼方 side〜

美術館での出来事から、二日後

プルルル……

九葉

『……もしもし?』

彼方

お前だろ、あっちに情報流してんのは

相手が電話に出た直後、 単刀直入で聞く

九葉

『え、何のこと?』

彼方

とぼけるな

九葉

『今忙しいんだけど。後にしてくれない?』

彼方

お前しかこんなことできるやつなんていないんだよ

毎回毎回、俺のパソコンに 土足で入って来やがって……

九葉

『…………』

九葉

『はぁ、そうだよ。で、何の用?』

全く悪びれた様子もなく、 そう聞き返される

彼方

何がしたい

九葉

『特に何も。ただの嫌がらせだよ』

その“ただの嫌がらせ”で、 ユキがどれだけ危険な目にあったか

九葉

『別に、あれぐらいじゃ二人は捕まらないでしょ?』

彼方

一歩間違えてたら、こっちは終わってたんだぞ

九葉

『今無事なんだからいいじゃん』

ああ言えばこう言う…… 本当にこいつは、敵に回すと厄介だ

九葉

『話ってそれだけ?』

九葉

『さっきも言ったけど、ボク今忙しいんだけど』

彼方

まだある

九葉

『はぁ……何?』

あのことは一旦頭の隅に置いて おいて、もう一つ、重要な話を しないといけない

彼方

“ファントム”のこと

九葉

『……そっち、どんな状況?』

電話越しでも、 空気が張り詰めたのが分かる

彼方

……見つけた

九葉

『口頭で教えて。ネット経由じゃいずれバレる』

あっちもパソコンをいじってるのか、 カタカタ、というタイピング音が 聞こえてきた

彼方

分かってる。けど入り込めてはないからな

九葉

『それはボクが何とかする』

そう返された後、俺が特定した “ファントム”の情報を伝えた

九葉

『…………ビンゴじゃん。何、ちょっとは腕上がった?』

彼方

今はそんな話してる場合じゃないだろ

俺達二人がかりで手分けして、 “ファントム”の情報を探して、 やっと見つけた

けど、見つけただけ。 本題はここからだ

九葉

『入れたらまた連絡する。情報はこっちで抜いとくから、そっちは動きを見といて』

彼方

了解

九葉

『じゃあまた』

その言葉を最後に、通話が途切れた

世界的犯罪組織、ファントム

世界中の警察や、警察の家系である 探偵の浦田も、裏でずっと追っている

けど、一切証拠を残さない奴らで、 警察が総力を上げて探している中、 全く捕まらない

俺達がやっていることは、そいつらの グループサイトのようなものを、 特定すること

どちらかが見つけて、セキュリティ 突破は、俺よりハッキングの腕が 優れているリーフに任せる

突破した後は、あいつらの情報と 計画を、根こそぎ抜き出して……

プルルル……

彼方

もしもし?

九葉

『突破できた。今伝えるから準備して』

突破できたって、さっきの電話が 終わってから、五分も経ってないだろ

一体あの家は、娘に何を教えてんだか

彼方

もうできてる

セキュリティの突破方法を教えて もらって、その通りにパソコンに タイピングしていく

九葉

『どっかで間違ってなければ入れるはずだけど、どう?』

彼方

問題無し

九葉

『じゃあ、痕跡残さないように気をつけてね』

また通話が切れた

……一先ず、ユキにも報告しよう

そよよ

そよよです!

そよよ

怪盗vs探偵、勝ったのは……

そよよ

一応、探偵組の作戦が失敗していたので、怪盗組の勝ちですかね?

そよよ

そして今回は、初のそらるさん視点でした

そよよ

時雨桜の情報を探偵組に流していたのは、九葉ちゃんこと、リーフです

そよよ

リーフ→Leaf→L
で、“L”と名乗ってたんですね

そよよ

さらに、裏方2人の会話で出てきたファントム

そよよ

何やらまた新しいものが出てきましたね……

そよよ

ちなみにファントムって名前、ちょっと意味にこだわってたりします

そよよ

さて、そのファントムとは、一体何なのか……

そよよ

そしてうらたさんは何をするつもりなのか……?

そよよ

それでは!

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