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〜彩莉 side〜
渉
彩莉
放課後、廊下を歩いていると、 向こうから歩いてきていた 浦田先輩に話しかけられた
彩莉
数日前に話しかけられた時から、 私が少し怪しんでいるこの人
結局、この前のことも真冬達に 話せていないままだ
渉
ブレザーのポケットから、 折り畳まれたメモ用紙を取り出して、 私に渡してきた
彩莉
紙を開くと、どこかの 住所が書かれていた
渉
渉
その後に、じゃあ、と言って、 先輩が去ってしまった
不審に思いつつ、もう一度 渡された紙を見てみる
彩莉
これって、行くべき?
それとも、一回真冬達に相談する?
でも、誰にも言うなって 言われてるし……
彩莉
今日用事は何もないし、 浦田先輩が何をしようとしてるのか、 少し気になる
やっぱり、行こう
学校を出て、電車に乗って、 書かれた住所の場所まで来た
そして一つの建物の前で止まる
彩莉
入り口近くの看板に、 そう書かれているのを見つけた
恐る恐る、建物の中に入る
彩莉
優
優
彩莉
なんで、坂田君がこんなところに?
渉
さらに、奥から浦田先輩も出てくる
渉
彩莉
着席を促されて、部屋の奥に 置かれているソファに座った
渉
渉
彩莉
入り口の看板に書いてあったけど、 この二人の探偵事務所だったの!?
渉
彩莉
わざわざ事務所に呼び出して この話題って……もしかして私、 疑われてる……?
渉
彩莉
渉
それは、少し前のニュースで、 私も写真を見たことがある
しかもそれで、 真冬の名前が出てくるって……
渉
渉
彩莉
あはは、と薄ら笑いを浮かべつつ、 そう相槌を打ってみる
渉
渉
彩莉
あれは春舞だけの、しかも ただの噂程度の話だったのに、 真冬が疑われてる
渉
少し顔に笑みを浮かべて、 優しく聞いてきた浦田先輩
彩莉
何も話しちゃいけないから、 ここは誤魔化すしかない
渉
彩莉
次はなんだろう……?
渉
彩莉
「時雨桜の何を知ってる」
まるで、私が時雨桜についての情報を 知っているかのような聞き方だ
彩莉
渉
彩莉
私の言葉を遮って、 浦田先輩にそう言われる
そんな、なんで嘘って 気づかれたの……!?
渉
渉
彩莉
どうしよう、全部バレてる
もう、いとこだってことを言う?
でもあの二人に口止めされてるし、 隠していたことを怪しまれて、 真冬にさらに疑いがかかる
彩莉
渉
私の話を聞いているのかいないのか、少し俯いて腕を組んでいる浦田先輩
渉
彩莉
な、何で言い当てちゃったの……!?
優
渉
渉
渉
さっきとは打って変わって、 鋭い目でこちら見られる
彩莉
渉
また言葉を遮られる
私の話に、全く耳を 貸してくれない……
渉
渉
彩莉
もう限界かもしれない、 完全に確信されてる
彩莉
プルルル……
……って、電話?
彩莉
二人に一言断りを入れてから、 電話に出る
真冬
すると、明るい真冬の声が 聞こえてきた
真冬
彩莉
どうしよう、このことは誰にも 言うなって言われてるんだ……
だから、真冬に話せない……
真冬
少し声を潜めて、真冬に聞かれる
彩莉
真冬
真冬
彩莉
そう言って、私から電話を切る
いとこだってことだけは、 言っていいらしい
あれ? そういえば、何で私がここに いるって分かったんだろう……?
渉
彩莉