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怪盗 時雨桜

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怪盗 時雨桜

15 - 探偵事務所

♥

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2021年12月07日

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〜彩莉 side〜

あ、藤咲さん

彩莉

はい?

放課後、廊下を歩いていると、 向こうから歩いてきていた 浦田先輩に話しかけられた

彩莉

(次はなんだろう……?)

数日前に話しかけられた時から、 私が少し怪しんでいるこの人

結局、この前のことも真冬達に 話せていないままだ

えーっと……これ

ブレザーのポケットから、 折り畳まれたメモ用紙を取り出して、 私に渡してきた

彩莉

これは……?

紙を開くと、どこかの 住所が書かれていた

今日この後、この場所に来てほしいんだ。

それと、このことは誰にも言わないで

その後に、じゃあ、と言って、 先輩が去ってしまった

不審に思いつつ、もう一度 渡された紙を見てみる

彩莉

(全然知らない住所だけど……)

これって、行くべき?

それとも、一回真冬達に相談する?

でも、誰にも言うなって 言われてるし……

彩莉

(……行こう、かな……)

今日用事は何もないし、 浦田先輩が何をしようとしてるのか、 少し気になる

やっぱり、行こう

学校を出て、電車に乗って、 書かれた住所の場所まで来た

そして一つの建物の前で止まる

彩莉

探偵事務所……?

入り口近くの看板に、 そう書かれているのを見つけた

恐る恐る、建物の中に入る

彩莉

すみませ〜ん……

いらっしゃ……おっ!

うらさーん、来ましたよ〜

彩莉

(えっ、坂田君?)

なんで、坂田君がこんなところに?

藤咲さん

さらに、奥から浦田先輩も出てくる

こんなところまでごめんね。とりあえず、そこ座って

彩莉

は、はい……

着席を促されて、部屋の奥に 置かれているソファに座った

じゃあ改めて。

俺は探偵の浦田渉。こっちは助手の坂田優だよ

彩莉

(探偵……!?)

入り口の看板に書いてあったけど、 この二人の探偵事務所だったの!?

今日来てもらったのは、今俺たちが追っている、時雨桜のことについて

彩莉

時雨桜……ですか?

わざわざ事務所に呼び出して この話題って……もしかして私、 疑われてる……?

今春舞で、真冬が時雨桜じゃないかって、噂が出てるのは知ってる?

彩莉

はい、友達から聞いたことがあります……

時雨桜の特徴は、長身に長い白髪、細身の体。それでくノ一の格好をしてる

それは、少し前のニュースで、 私も写真を見たことがある

しかもそれで、 真冬の名前が出てくるって……

真冬って、たしかに似てるんだよね。背も高いし、長くはないけど白髪で、男子にしては細身だし。

それに、三階から飛び降りても無事な程、運動神経も良い

彩莉

ありましたね、そんなこと……

あはは、と薄ら笑いを浮かべつつ、 そう相槌を打ってみる

そこで、真冬の彼女である藤咲さんに質問。

これまで、真冬が何か不審な行動をしたりしなかった?

彩莉

不審な行動……ですか?

あれは春舞だけの、しかも ただの噂程度の話だったのに、 真冬が疑われてる

うん、気になったこととか、些細なことでもいい。教えてくれないかな?

少し顔に笑みを浮かべて、 優しく聞いてきた浦田先輩

彩莉

えっと……いえ、特に何も……

何も話しちゃいけないから、 ここは誤魔化すしかない

……そっか。じゃあ、ちょっと質問を変えるね

彩莉

は、はい

次はなんだろう……?

君は、時雨桜の何を知ってる?

彩莉

え……?

「時雨桜の何を知ってる」

まるで、私が時雨桜についての情報を 知っているかのような聞き方だ

彩莉

いや、私は噂程度のことしか……

そろそろ嘘吐くのやめたら? 何か隠してるのバレバレだよ

彩莉

っ……!?

私の言葉を遮って、 浦田先輩にそう言われる

そんな、なんで嘘って 気づかれたの……!?

君、真冬の彼女でもないよね。

まず、二人がどういう関係なのか教えてくれない?

彩莉

え……っと……

どうしよう、全部バレてる

もう、いとこだってことを言う?

でもあの二人に口止めされてるし、 隠していたことを怪しまれて、 真冬にさらに疑いがかかる

彩莉

……か、彼女なのは本当です。でも時雨桜のことは、噂のことしか知りません

…………

私の話を聞いているのかいないのか、少し俯いて腕を組んでいる浦田先輩

……もしかして、二人はいとこ?

彩莉

……!?

な、何で言い当てちゃったの……!?

いとこっすか?

恋人なのは嘘。でも、友達ってわけでもなさげ。

兄弟……この場合は双子だけど、それなら名字が同じはず。

だとしたら、当てはまるのはいとこくらいだろ

さっきとは打って変わって、 鋭い目でこちら見られる

彩莉

い、いや、違います。私達はほんとに……

口止めされてんの?

また言葉を遮られる

私の話に、全く耳を 貸してくれない……

恋人のフリをしてまで、いとこってことを隠したい理由があるようにしか見えない。

お前ら、他にも何か繋がってるだろ

彩莉

っ……!!

もう限界かもしれない、 完全に確信されてる

彩莉

えっと……

プルルル……

……って、電話?

彩莉

すみません……もしもし?

二人に一言断りを入れてから、 電話に出る

真冬

『あ、もしもし?』

すると、明るい真冬の声が 聞こえてきた

真冬

『今どこにいる?』

彩莉

えっと……

どうしよう、このことは誰にも 言うなって言われてるんだ……

だから、真冬に話せない……

真冬

『……もしかして、浦田先輩達のところ?』

少し声を潜めて、真冬に聞かれる

彩莉

う、うん、そう

真冬

『分かった。いとこってことは言ってもいいよ。ただ、理由は絶対隠して』

真冬

『それと、急いでそっちに向かうから』

彩莉

うん、じゃあ

そう言って、私から電話を切る

いとこだってことだけは、 言っていいらしい

あれ? そういえば、何で私がここに いるって分かったんだろう……?

話、続けていい?

彩莉

は、はい

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