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コメント
2件
初コメです 一話読んだ瞬間からこのお話大好きになっていいね連打してました…
心が締め付けられる回でした。海での優しさを知ったからこそ、家の“愛”の異常さが嗤えるほど浮き彫りになる——その構造が痛いほど伝わってきます。「会いたい」という最後の呟きが、暗い部屋の中でどれだけの重みを持っているか。初めて誰かを求める気持ちを自覚した瞬間、巧い演出だと思います。
家へ近づくにつれて、レウクラウドの足取りは少しずつ重くなっていった
さっきまで胸の中に残っていた温かさが、暗い住宅街を見るたびに薄れていく
空はすっかり夜になっていた 家々の窓から漏れる灯りが、どこか別の世界のように見える
笑い声 食器の音 「おかえり」という声
そんなものは、レウクラウドの家には存在しなかった
レウクラウドは家の前で立ち止まる
帰りたくない
その感情が初めて、はっきり胸に浮かんだ 今までは“帰るしかない”だけだった でも今日は違う
コンタミの声を知ってしまった 優しく撫でられる感覚を知ってしまった だからこそ、 この家の冷たさが余計に怖かった
レウクラウド
震える手で扉を開ける
ギィ……
その瞬間
父親
低い声が、暗闇から響いた レウクラウドの身体が硬直する
リビングには電気もついていない ソファに座る父親のシルエットだけが見えた
そして
母親
静かな声 それが逆に恐ろしかった
レウクラウド
喉が詰まる 逃げたい でも逃げられない
父親が立ち上がる音がした ゆっくり、ゆっくり近づいてくる足音 レウクラウドは反射的に肩を縮める
父親
レウクラウド
父親
レウクラウド
母親
その声に、嫌な気配が混じる
母親
レウクラウド
父親
次の瞬間 鈍い衝撃が腹に入る
レウクラウド
息が一瞬で潰れる 身体が床へ倒れ込む
父親
蹴り また蹴り 身体が転がる
レウクラウドは声を押し殺した 叫べば長引く 泣けばもっと怒る 身体が覚えている
母親
しゃがみ込み、髪を掴み上げる
母親
レウクラウド
母親
パシン
頬を叩かれる 視界が揺れる コンタミの“痛くない手”が脳裏をよぎった
その瞬間 余計に苦しくなった 違いを知ってしまったから
父親
腕を乱暴に掴まれる 火傷の跡に指が食い込み、レウクラウドの身体が跳ねた
レウクラウド
父親
無理やり立たされる 足が震えてまともに立てない
母親
笑い声 それが部屋に響く
レウクラウドは俯いたまま、小さく震えていた 父親は煙草を取り出す 火が灯る
赤い光 それを見た瞬間、レウクラウドの呼吸が乱れた
レウクラウド
父親
レウクラウド
父親
その言葉とともに、熱が腕に押し付けられる
レウクラウド
涙が滲む 熱い 痛い 怖い
何度も押し付けられるたび、身体が震える でも、その痛みの中で 不意に思い出してしまう
コンタミ
コンタミの声
コンタミ
優しく撫でられた感覚 その記憶が、逆にレウクラウドを壊しそうになる
こんなの、愛じゃない 心のどこかが、そう叫び始めていた でも認めてしまったら 今まで耐えてきた意味が全部崩れる
レウクラウド
父親
レウクラウド
言葉にならない
母親
母親
優しく頭を撫でる その手に、レウクラウドはびくりと震えた コンタミの時と違う
冷たい 怖い 逃げたい
母親
次の瞬間、髪を強く引っ張られる
レウクラウド
母親
涙がぼたぼた床へ落ちる それでも二人は止まらない まるで壊れた玩具を弄ぶように、何度も何度も“愛”を押し付け続けた
時計の音だけが響く
カチッ……カチッ……
時間が過ぎる どれくらい経ったのか分からない頃
父親
乱暴に身体を突き放される レウクラウドは床へ倒れ込んだ
呼吸が苦しい 身体中が痛い でも、一番痛かったのは別の場所だった
コンタミを知ってしまった心 優しさを知ってしまった心 それが、この家を“異常”だと理解し始めていた
母親
レウクラウドはふらふらと立ち上がる 足元が揺れる 壁に手をつきながら、自分の部屋へ向かった
扉を閉めた瞬間 身体から力が抜ける 床へ座り込み、小さく震える
レウクラウド
ぽつりと名前が零れた 誰かの名前を呼んだのは、いつぶりだろう 涙がまた溢れる
痛い 怖い 苦しい でも
海で抱きしめられた感覚だけが、消えなかった レウクラウドは小さく身体を丸める そして、震える声で呟く
レウクラウド
その願いだけが、暗い部屋の中に静かに残っていた
次❤️800