ジェシー
ずっとこの部屋で寝て、
もう見慣れたはずなのに、
全てがモノクロに見えて、
気味が悪く、どれだけ経っても慣れない。
それは3ヶ月前。
俺の中の何かが壊れた。
スタッフさんからのいじめ
ネットでの誹謗中傷
そんなこと、俺の職業なら普通だと思ってた。
けど違った。
メンバーのみんなが楽しそうに話している時、
俺はスタッフさんから呼び出され、
いじめを受ける日々。
それだけじゃなかった。
最近、メンバーとは住む世界が違うようで、
メンバーさえも俺の事を嫌いなんじゃないか。
そう思ってる俺が嫌いだ。
その時、メンバーが俺の事を嫌っている。
そんなことを小耳に挟んだ。
あぁ。そっか。
やっぱりそうなんだ。
俺の見方なんて、誰もいなかったんだ。
けど、1人は嫌。
表面上の仲でもいい。
俺がいない時に悪口を言っていてもいい。
俺の前で仲良くするだけでもいい。
1番じゃなくていいから、
誰か、俺を愛して。
ギリッ…ギリッ…
ザクッ…
ジェシー
あぁ。またやっちゃった。
気づかないうちに机の引き出しから
カッターを取り出して、
気づかないうちに手首に当てて、
傷をつけてしまうんだ。
俺…もうダメかもな。
俺って…生きてんのかな。
そう思った時には、
もう誰も信じれなくなっていた。
撮影終わり。
今日も静かで心を閉ざしたまま
みんなとの撮影を終えた。
もうみんなも、壊れた俺の姿に
気づいていたと思う。
ガチャ…
慎太郎
ジェシー
返事をしたい。
けど、声が出なかった。
慎太郎
樹
そういい樹が俺の肩を持った。
ジェシー
バサッ…
咄嗟に振り払ってしまった。
樹はとてもビックリしてガッカリそうにしていた。
俺はその空気に耐えられず部屋を飛び出した。
耐えられず、というか、怖かった。
みんなの目が、いつも俺の事をスタッフさんが
殴ってくる時の目と一致してたからだ。
ジェシー
誰もいない暗い物置部屋に逃げ込んできた。
やっぱり俺、もうダメなんだ。
傷が着いた手首の包帯を取る。
いつもは何がなんでも隠してた。
けど、もうそんなことどうでもよかった。
ずっと持っていたカッターを取り出し、
傷に沿ってまた傷をつける。
治りかけの傷を切り裂くと、
より多い血が出てくる。
ジェシー
ジェシー
もう俺は我を失った。
その時、誰かが来た。
ガチャッ…
スタッフ
ジェシー
スタッフ
スタッフ
そう言って携帯の時間を見せる。
スタッフさんに呼び出されていたんだった。
夕方の5時半に男子トイレ。
けど今の時間は6時。
スタッフ
スタッフ
ジェシー
ボゴっ…ドコっ…
ジェシー
スタッフ
スタッフ
スタッフ
ボコッ…
バコッ…
ドゴッ…
スタッフ
ジェシー
もう、疲れた。
この生活も、何もかも。
俺が我慢すればいいだけなんだ。
俺がちょっと耐えれば…
俺が…
俺が…
そうだ。
俺が…消えればいい?
俺…みんなの前から消えれば…
もうみんなに迷惑かけない方法
思いついちゃった。
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