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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

[男の楽園]

正式名称 「第一献者育成機関」 だいいちけんじゃいくせいきかん

献者とは

建設などの肉体労働から 要人の暗殺などの黒い仕事、

そして通常の風俗などに通えない VIPの為の下の世話

国の要人に関わるすべての末端の仕事をこなす者の隠語だ。

つまり、奴隷。

第一献者育成機関とは、

「奴隷を育てる場所」

そして、美也と透はそこの生まれであった。

美也の話した[聖献者]とは

VIPの下の世話役 性奴隷の通称だった。

通常、献者はもう仕事をこなすことのできなくなった聖献者より産まれる。

産まれた時点で、親からは引き離され、

物心のつく頃で容姿、運動能力を判断され

各役職へと割り振られていく。

ー三年前

ー第一献者育成機関 住人エリア

日が暮れかけ、肌寒くなってきた時間帯だ。

美也は縁側に座りぼーっと空を眺めながら 前髪をいじっていた。

美也

...やることないなぁ

美也

住人エリアって、落ち着くけど

美也

することって空を眺めるか

美也

定時の食事くらいなのよねぇ

住人エリアは、簡素な住宅が並ぶだけだ。

家の中には寝具と最低限の家具しかない。

食器なども定時の食事に職員の男が運んでくるだけ。

また、その食器も食事が終わると回収されてしまうのだ。

もちろん、住人である献者の反乱を防ぐためだ。

???

みーや

家の中から声がかかる。

美也

みく

三久。

美也と一緒に住んでいる聖献者だ。

住人エリアは複数あり、 各役職ごと別れる。

つまり、聖献者は聖献者としか関わりがない。

そして、一つの住宅に二人以上で住むのが決まりであった。

機関への反抗心を持つものを密告すると、生活レベルをあげてもらえたり、

何か恩赦があるらしい。 つまり、献者同士で見張りあわせてるのだ。

三久

なにしてるの?

三久

今日は美也、[奉仕]の予定だっけ?

美也

うん...

三久

やっぱり。

三久

美也、奉仕の日は絶対この時間になると空見てるもん

美也

えぇ、そうだったかな

奉仕とは、ここでは役職ごとの仕事を意味する。

聖献者は不定期に、リストアップされた中からVIPに選ばれると

[要人エリア]へ呼ばれ、 奉仕をしなくてはならない。

気に入られると、前の日からお呼びがかかっている旨が伝えられることが殆どだ。

三久

まあ、美也は男だし男相手は憂鬱にもなるよね

三久

今日もいつもの男の娘専門のジジイでしょ?

みくは美也とは違い、 正真正銘の女性だ。

要人の中には男好き、男の娘好きなど

さまざまなフェチがいるようで、 聖献者ももちろん、全てに対応できるよう育てられていた。

美也はいわゆる[男の娘]だった。

美也

うん。まあね

美也

(ていっても)

美也

(物心つく頃から女として育てられたから、自分のことを男として認識してないし)

美也

(男を相手にするのが当たり前みたいになっちゃってるんだけど)

美也もみくも、ここに住むもの皆

ここでの生活が当たり前だった。

いつだか見回りの職員が話してたことを小耳に挟んだことが美也はあった。

暗殺、スパイ、ボディーガードなど汚れ仕事専門の献者 通称[暗献者]

彼ら彼女らは、人を殺す、騙すことに微塵も疑いや躊躇をもたないという。

幼い頃からそれを当たり前と洗脳されているのだとか。

それを聞いたとき、美也は自分の立場はまだましなのだと、

そんな役職でなくてよかったと思った。

三久

ま、私は今日は奉仕ないからさ

三久

先に寝てるけど

三久

美也、気をつけてね

美也

気を付けるもなにも

美也

もう何年これしてると思ってるのよ

三久

そうじゃなくて

三久

なんか、最近さ

三久

新しく入った要人にヤバい趣味のやつがいるって。

美也

ヤバい趣味?

聖献者は需要がなくなるとすぐに使い捨てられる。

中には乱暴を振るうことを快感にする者もいるので、新規の相手は毎回注意が必要だ。

三久

超サディストでさ

三久

人が絶望してる姿が大好きって

三久

肉体的にも精神的にもいたぶるのが趣味らしいよ。

三久

ほら、二個となりの白ちゃん。

三久

そいつの餌食で、今病棟エリアだって。

美也

えぇ、キモいね。そいつ

美也

まあ、そういうやつって自分が屈服させれるか弱い女にしか手ださないし

美也

一応男の私は大丈夫でしょ

三久

だといいけど。

三久

一応忠告だよ

美也

ありがと。

美也

ま、そろそろ支度するよ

美也

今日の常連は食事も一緒だからさ

三久

それはうらやましいわ~

三久

ほんと、ここ生まれて18年

三久

食事がまずいことが一番きつい

三久

私の常連は食事なんて一緒にしてくれたこと一回もないよ~

三久

いいご飯食べれるんでしょ?

美也

これだけが楽しみ、ってくらい。

実際、普段の食事と要人との 食事。

食べるものは天と地ほどの差があった。

普段の食事は、栄養には気が使われてるがお世辞にもおいしいとは言えなかった。

三久

いいなー、私も今度一緒にお呼ばれしてもらえるように口利いてよぉ

みくが地団駄をふみながら言った。

日常に娯楽がないから、当たり前のことなのかもしれない。

美也

ははは、男の娘専門だからたぶん無理だよ。

不満そうな顔をするみくの隣を通り、水浴びへと向かいながら

美也はさきほどは軽く流した[ヤバい趣味]の男のことがどうしても

頭から離れなかった。

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