TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

いつもあなたが助けてくれる

一覧ページ

「いつもあなたが助けてくれる」のメインビジュアル

いつもあなたが助けてくれる

第1話 - いつもあなたが助けてくれる第1話

1,421

2020年10月17日

#ミステリー

#サスペンス

#家族

冷血アッシュ

シェアする

この作品はいかがでしたか？

1,421

冷血アッシュ

プロフィール

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール

テラーノベルのスクリーンショット

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

ホーム

検索

通知

本棚

ユキ

はあぁ…

ヨシタカ

ユキ、お前ため息ばっかりだな

ヨシタカ

まだ気にしてるのか？

ヨシタカ

親父のこと

ユキ

だって、昨日もだよ…

ヨシタカ

昨日も？

ユキ

うん…

ユキ

私がお風呂入ってる時

ユキ

用もないのに洗面所に来て

ユキ

ずっとうろうろしてて

ヨシタカ

歯磨きしてるとか？

ユキ

ううん。水の音とかしないんだよ

ヨシタカ

うーん…

ユキ

しかも、この前なんて…

ヨシタカ

なんだ？

ユキ

…下着、触ってた

ユキ

私がドア開けたら、慌てて戻してたけど…

ヨシタカ

ちょっと待て

ヨシタカ

その話、初めて聞いたぞ

ヨシタカ

確かにそれは…

ユキ

気持ち悪いでしょ

ユキ

なんで？わかんない、怖い…

ヨシタカ

親父、何考えてんだろう

ヨシタカ

確かに、お前を見る目つきも

ヨシタカ

ちょっと気になるな

ユキ

どうしたらいいんだろ…

ユキ

こんなこと、お母さんにも言えない

ヨシタカ

まあな…

ユキ

ねえ、ヨシタカ

ユキ

私、どうしたらいいんだろ

ヨシタカ

ん？何が？

ユキ

せっかく受かったのに

ユキ

ずっと高校行けてない

ヨシタカ

ああ…

ユキ

だって、みんな怖いよ…

ユキ

誰も私の言うことわかってくれない

ユキ

みんな、私のことを無視して

ユキ

嘘つきとか頭おかしいとか

ユキ

そんなふうに扱われて…

ユキ

どうやって学校に行けっていうの！

ユキ

誰も…助けてくれないのに…

ヨシタカ

俺がいるだろ

ユキ

うん…そうだね

ユキ

ヨシタカだけは

ユキ

私のことわかってくれる

ユキ

双子だからかな

ヨシタカ

まあ、それもあるかもな

ユキ

本当はさ、私…

ユキ

お母さんも好きじゃない

ユキ

お医者さんだのカウンセリングだの

ユキ

しつこく言ってきて

ユキ

まるで私がおかしいみたいに…

ヨシタカ

そういや、最近は言わないな

ユキ

あきらめてくれたのかな

ヨシタカ

さあね

ユキ

…そうだといいな

ヨシタカ

あ、母さんの足音

ヨシタカ

朝めしが来たぞ

ヨシタカ

腹減ったな

コンコン

恵子

ユキちゃん、おはよう

恵子

ごはん置いておくからね

ユキ

…………

ヨシタカ

…よし、おりて行ったぞ

ユキ

うん

カチリ

ヨシタカ

鍵かける習慣をつけておけよ

ユキ

わかってる

ヨシタカ

さて、食うか

ユキ

ねえ、ヨシタカ

ヨシタカ

ん？

ユキ

…いつまでこんな生活が続くのかな

ヨシタカ

引きこもりのこと？

ユキ

…私だって本当は

ユキ

高校でちゃんと勉強したりとか

ユキ

友達とおしゃべりしたりとか

ユキ

もっと普通のことしてみたいのに

ユキ

今は、もう…

ユキ

この部屋から出るって考えるだけで

ユキ

体が…震えてくる…！

ヨシタカ

別に、無理する必要なくね

ユキ

どうしてなんだろ

ユキ

どうして、私は…

ユキ

できない自分も情けないし

ユキ

お父さんのこともあるし…

ヨシタカ

いいか、ユキ

ヨシタカ

先のことはわからないけど

ヨシタカ

安心しろ

ヨシタカ

俺だけは、何があっても

ヨシタカ

ずっと一緒にいてやるから

ユキ

ヨシタカ…

ユキ

うん、絶対だよ

ユキ

（…ん？）

ユキ

（何か、物音？）

ユキ

（そのせいで、目が覚めたけど…）

ユキ

（…気のせいかな）

カチャ

ユキ

（…！）

ユキ

（やっぱり気のせいじゃない！）

ユキ

（今、音が聞こえて…？）

ガチャガチャリ

ユキ

（ドアの音…？）

ユキ

（まだ暗いし、夜だよね…）

ユキ

（今、何時…？）

ユキ

（夜中の2時か…）

ガチャガチャ

ユキ

（誰かがドアを開けようとしてる！？）

省吾

…ユキー？

ユキ

（この声…お父さんだ…！）

ユキ

（気持ち悪い、猫なで声…）

省吾

ユキ、寝ているのか？

省吾

ちょっと久しぶりに

省吾

父さんと話をしないか

ユキ

（話？こんな時間に？）

ユキ

（絶対ウソだ！）

ドンドンドンドン

ユキ

（ドアをたたいてる…！）

省吾

ユキ、開けなさい

ガチャガチャガチャ

省吾

ユキ？鍵をかけているのか？

省吾

どうしてだ。返事をしなさい

ユキ

（なんで？）

ユキ

（こんな夜中に…）

ユキ

（一体、何をしに来たの？）

省吾

ユキ？聞こえるか？

ガチャガチャガチャ

ユキ

（もしかして、このまま…）

ユキ

（部屋に入ってくるかも！？）

ユキ

（入ってきて…何をするつもり？）

ユキ

（どうしよう、どうしよう…）

ユキ

（怖い、怖いよ…）

省吾

ユキ、開けなさい

ドンドンドンドン

ユキ

（どうしよう、ヨシタカ…）

ユキ

（嫌だ、怖い…！）

ユキ

（ヨシタカ…助けて…！）