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壁から聞こえる

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壁から聞こえる

1 - 壁から聞こえる

2021年06月05日

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2週間前から住んでるアパートは

正直言って古くてボロい

それに1階2階合わせて

全部で6部屋しかない

102号と103号が空室で

俺は103号室に入居した

入居数日後

俺と同い年ぐらいだろうか

隣に若い女性が入居してきた

ふんわりとした笑顔が特徴的だ

何回か顔を合わす程度で

特に親しみは無かったが

数日前から夜になると

トン…トン…

と壁を叩く音が

聞こえるようになった

無理もない

こんなアパートだ

恐怖を和らげるために

毎晩トントンと叩いて

俺がいるか確認しているんだと

勝手にそう思っていた

翌日、大学から帰宅すると

彼女もどこかから帰ってきた

女性

こんばんわ

こんばんは

女性

……あの

ん?

女性

あっ……いえ

女性

ごめんなさい

女性

なんでもないの

だいじょうぶっすか?

女性

じゃ!また…

何が言いたげの様子だった

―その夜―

当然ながら壁を叩く音が聞こえる

トントントン…

トントントン…

いつもより多いな

それだけじゃない

叩き方…おかしくないか?

俺に訴えかけているような

そんな気がした

その日から俺は

どことなく違和感を感じ始めた

―次の日の夜―

トントン …

トントン…

またか

大丈夫かな

今まで俺は

返事をしなかった

壁を叩き返さず

テレビの音量を少し上げたり

咳払いをするなどして

俺がいるアピールをしていた

叩き返したほうがいいのか

俺はそう思い

壁に手を近づけようとした…

ドンッドンッ!!

?!

今までにない強い音だ

俺は咄嗟に壁から離れた

は!?

なんだ…!

ドンッ…!!!!

ドンッ…!!!!

や、やめろ…

ドンッ…!!!!

ちょ…

ドンッ…!!

トンッ…!

トントントン…

トントントントントン…

っ…!?

トントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントン トントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントン

やっ……

やめてくれ…!!

その瞬間音が止んだ

なん、なんだ……

あの女性がここまでするとは

当然思えなかったが

俺の足は玄関へと向かっていた

怖い気持ちもあったが

声に出して言えない何かが

彼女にあるのではないか

そんなバカなことを考えながら

ノブに手をかけドアを開けた

え…??

女性

あっ…

彼女も部屋から出てきていた

すごく怯えた表情だった

女性

あのっ…!!わ、わたし

女性

な… なにかしました…?!

女性

謝りますから…

女性

もうやめてください…!!

え…。

いやまって

大丈夫…??

女性

え……??

叩いてたよね…??

女性

っ…?!

女性

あなた…でしょ…??

……

おい

うそだろ…

すぐに荷物をまとめるよう

俺は彼女に伝え

2人でアパートを出た

アパートを出たあと

あの音のことについて

改めて彼女から話を聞いた

俺に聞こえてた音が

彼女にも同じように聞こえていた

お互い隣人が叩いていると思い

不審がっていたこと

何か言いたげな顔をしていた日

なぜ壁を叩くのか

俺に聞こうとしていたこと

そして今日だ

ドンドンと激しくなる音

彼女は怖くて耳を塞いでいた

音が消えたあと耐えきれず

俺を訪ね外に出たこと

この出来事から数ヶ月後

あのアパートは取り壊された

俺たちがいた部屋の間の

壁から出てきたもの…

腐敗しているが

確かに人間だったという

「ここから出してくれ」

助けを求めていたのだろうか…

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