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王道なシチュでも ここまで満足感のある小説を書けるのが 本当にすごい😇😇😇
主
主
主
主
主
主
主
いふ
俺の名前はいふ
普通の会社員や
毎日仕事に追われとるが やり甲斐がある為 続けることができとる
いふ
いふ
ふと時計を見るといつも 退社している時間になっとった
今日のノルマはもう終えとるし、 帰ることにする
いふ
すっかり人が少なくなった オフィスに声をかけて退社した
ガチャ
いふ
ないこ
ないこ
いふ
いふ
家に帰ると同居人が 出迎えてくれた
ないことは大学の サークルが同じで知り合った
それ以来大事な親友や
そしてお互いの利害が一致し、 ルームシェアするようになったんや
ないこは在宅ワークやから 晩飯はないこの担当や
代わりに俺が朝飯の担当や
家事を分担しながら なんとかやりくりしとる
お互い一人暮らし したかったんやけど、
社会人になりたては 安定せぇへんから 一緒に暮らすことに なったんや
ないふ
いふ
いふ
やっぱりないこの 作る料理は美味い
ハンバーグは元々好物やけど、 ないこが作るんは格別美味い
毎日食べとっても 飽きへんのは すごいことやと思う
仕事の疲れが癒えていく
ないこ
ないこ
いふ
いふ
ないこ
俺の言葉に花を 咲かせたような 笑みを浮かべるないこ
かわええなぁなんて思う
実は俺は密かにないこに 恋心を抱いとるんや
最初はただの友達としか 思ってへんかった
でも気がついたら 好きになっとった
やけど、この気持ちを 口にしたらきっと 一緒におれんくなる
やからそっと この感情は胸にしまう
ないこ
いふ
ないこ
もうお互い新人という 歳でもなくなった
やから同じ日々の繰り返しや
まぁやりがいがあるから なんとか頑張れる
いふ
ないこ
お互いそこそこ名の知れた 企業に勤めとるだけあって 給料は結構ええ
それこそ貯金も十分に できるくらいや
やけど仕事を続けるって 言うんは辛い時があるんも事実や
そういうときは支え合って 暮らしてきた
きっと俺らはこれからも そんな日常を過ごしていくんやろう
やけどそれはいつ終わりが 来るかわからん
いふ
ハンバーグを頬張りながら 考え事をする
二人で暮らすんは 永久的なことやない
もしどちらかが結婚することに なったら家を出ることになるやろう
今の生活は一時的な ものでしかないんや
ずっと一緒におりたいんやったら 関係を変える必要がある
友達やなくて恋人になったら 別れない限り一緒におれるやろう
もちろん友達のままでも 会えんくなるわけやない
でも、疎遠になる可能性は 捨てきれへん
何より俺がないこと 付き合いたいと思っとるんや
それやのに告白する勇気は出ぇへん
怖いんや
告白したことによって 関係に亀裂が入ることが
もしかしたら友達ですら おれんくなるかもしれへん
それだけは絶対避けたいんや
いふ
結局ホンマに怖いんは 今の関係やおれんく なることやなくて、
ないこに振られることや
きっとこの恋が 実ることなんかない
それでももしかしたら 両思いなんやないかって 思ってまう自分がおるんや
俺はその淡い期待を 捨てることができへんのや
そんな都合のええ話 ある訳ないことぐらい わかっとる
やけど長年拗らせた 片想いを簡単に諦める ことはできへんのや
ないこ
いふ
いふ
ないこ
ないこ
いふ
ないこ
ないこ
どうやら物思いに耽すぎたらしい
食べ終わったことにも 気づいてへんかった
中々に重症や
最近は俺らの関係の ことで頭がいっぱいや
そもそも俺らの 関係って何なんやろう?
友達ではあるんは確かや
共に過ごす時間が長すぎて 同居人と言う言葉の方が しっくりくる
俺にとってないこは好きな人や
じゃあないこは俺のことを どう思っとるんやろうか?
ただの友達?
同居人?
もしくはそれ以外?
正解は本人以外わからへん
ただ言えるんは今の俺らは 曖昧な関係ってことや
いふ
ないこ
シンクに食器を持っていく
するとないこが早速 食器洗いを始めた
うちでは作った人が 片付けまでするんがルールや
いふ
いふ
俺はとりあえずソファに腰掛けた
何年も使っとるから コイルが凹んできとる
俺はこのままでええんやろうか?
この想いは年月が経つほど 伝えるのが難しくなるやろう
まだ若いうちに当たって 砕けといた方が楽なんかもしれん
でもやっぱり振られるんは怖い
何度も告白しようとして断念してきた
今日こそは覚悟を決めるべきや
振られて気まずくなっても 想いを伝えられれば十分や
覚悟を決めたところで、 ないこが戻ってきた
ないこ
いふ
ないこ
いふ
ないこ
今日を逃したらきっと 一生告白なんてできへん
何となくそんな確信があったんや
ないこ
いふ
目を閉じ、一度深呼吸をする
何とか心を落ち着かせる
いふ
いふ
ないこ
驚いた顔をするないこ
あぁ、これで終わってまうんや
この数年に渡る恋が
楽しいことも苦しいことも たくさんあった数年間やった
沢山の思い出たちが脳裏に蘇る
振られると思うと 涙が出てきそうになる
やけどせめて、ないこの前では 泣き顔は見せたくない
無意味に等しいプライドで なんとか表情を保っとる
ないこ
いふ
ないこ
ないこ
いふ
「俺もまろのことが好き」?
「恋愛的な意味で」?
脳内にその二つの 言葉が反響する
ないこが、俺のことを好き…?
ホンマに…?
都合の良い夢を 見てるんやないかと 疑ってまう
でも、それは紛れもない現実で…
いふ
ないこ
ないこ
急に泣き出した俺を見て ないこが慌てとる
心配させないように 泣き止もうと試みる
やけど涙は一向に止まる 気配はなく、 むしろ溢れ出す一方や
いふ
いふ
ないこ
ないこ
二人で向き合って見つめ合う
気がつけば俺の涙も止まっとった
いふ
ないこ
ないこ
ないこが俺の手を取り、 心臓のあたりに持っていった
ないこ
いふ
手から心音が伝わる
それと同時に、ないこの体温も 伝わってきた
ドク、ドク、と 規則正しいリズムが聞こえる
少し早めなんは俺を意識して くれとるからなんやろうか?
そうやったら嬉しい
ないこ
いふ
いふ
ないこ
ないこ
ないこが拗ねたように言う
顔を伏せ気味で目を逸らしとる
その姿に愛しさが芽生えてくる
いふ
ないこ
溢れた俺の本音に 納得のいかなさそうな 顔をしとる
コロコロ表情が変わって 見てておもろい
ないこ
いふ
ないこ
ないこ
いふ
見事にやり返されてしまった
顎クイをされながら 挑戦的かつ余裕のある 笑みを浮かべられる
それだけで俺の心を 撃ち抜くには十分やった
ないこ
いふ
顔の熱がまだ引かない中、 ないこに真剣な眼差しで 見つめられる
ないこ
いふ
こうして俺たちは、
同居人から恋人へと 変わったんやった───