放課後
美菜
夏帆、帰ろっか。
美菜
(私と夏帆は、家の方角が一緒。)
美菜
(だから、いつも一緒に帰ってる。)
夏帆
え?あ、ごめん!今日、居残りなんだ!
夏帆
(ごめんね美菜ちゃん。一緒に帰りたいけど、二人をくっつけるために!)
美菜
なんで?夏帆、赤点なんて一度もないじゃん。
夏帆
いろいろあるんだよ。
美菜
あ、もしかして呼び出し?ラブレターが来たの?
夏帆
ち、違うよ!とにかく、先帰って。
美菜
わかった。じゃあね。
祐介
ちょっと待って。
美菜
え?
祐介
美菜と柚月、同じ方向だろ。一緒に帰りなよ。
祐介
(美菜にドキドキしてもらうには、二人きりにさせるのが一番だ。)
美菜
え、やだ。
柚月
なに言ってんだ祐介。
柚月
(ありがとう!二人でなに企んでるのか知らないけどありがとう!)
夏帆
ほら、一人より二人のほうがいいでしょ?祐介くん、方向真逆だし。
美菜
なんで柚月と。一人のほうが言いんだけど。
柚月
それはこっちのセリフだ。
柚月
(なんで素直に言えないんだよ!俺のバカ!)
夏帆
おっ、お願い!
美菜
(可愛いすぎる!天使!)
柚月
(夏帆可愛いー。いや、美菜が一番なんだけど。)
祐介
(やっぱり、夏帆は可愛いな。)
祐介
(やばい、好きだわ。)
祐介
(俺が夏帆を好きなことは、柚月にも言ってない。)
祐介
(あいつに気を使わせたくないからな。)
祐介
(告るつもりもないし。)
美菜
いやぁ、まあ、夏帆が言うなら。
柚月
そうだな。夏帆に免じて、一緒に帰るか。
祐介
じゃあな。
夏帆
ばいばい!
美菜
また明日ー!
柚月
じゃあなー!
美菜と柚月が教室を出た。
夏帆
よし、第一段階クリアだね。
祐介
ああ。助かったよ。
夏帆
全然大したことないって!頼んだだけだから。
夏帆
二人が優しいんだよ。
祐介
(もうマジで天使。)
祐介
(惚れるわー。いやもう惚れてるか。)
夏帆
どうしたの?
祐介
なんでもない。もう少ししたら二人を追うからな。様子を見ておきたい。
夏帆
うん!
夏帆
(祐介くん、すごく頼りになる!)
夏帆
(かっこいいな〜。)
夏帆
(あ、どうしよう!顔、赤くないかな?好きだってバレちゃう!?)
夏帆
(落ち着いて。落ち着いて。)
夏帆
(祐介くんを好きなことは、美菜ちゃんには言ってない。)
夏帆
(今は、自分の恋愛に集中してほしいから。)
祐介
じゃあ、そろそろ行くか。
夏帆
そうだね。
続きます。