まふまふside
一瞬、見間違いかと思った。
いや、見間違いであって欲しかった。
まふまふ
一番見られたくない姿を
一番見られたくない人に見られた。
そらるさんの宇宙みたいな瞳が、 真っ直ぐ僕を射抜く。
……嫌だ、見られたくない。
そらるさんの仲間の血を浴びた 僕なんて、醜いにも程がある。
そんなに綺麗な目で…
こんなに醜い僕を見ないで……
まふまふ
まふまふ
僕はそらるさんに背を向けて、 自分の姿を腕で隠そうとする。
そらるさんは、一瞬眉をひそめた。
そらる
僕の背後に気配を感じ、反射的に 短刀を振るう。
武士
赤い液体が飛び散り、 僕に降り掛かってくる。
白髪が、元々赤い髪だったかのように染まった。
そらるさんが、目を見張る。
まふまふ
そらるさんのこと、 傷つけたくないのに。
僕が居るだけで、 そらるさんが傷ついちゃう……
嫌だ…嫌だ…駄目だよ!
敵が刀を向けてくる。
僕は短刀で攻撃するのを 躊躇い、身を翻して避ける。
まふまふ
見ないで。
まふまふ
今、聞きたくない声が 聞こえた気がした。
心臓がさらに早鐘を打つ。
来ないで。
嫌だ。
大名様
大名…様っ…
まふまふ
まふまふ
僕は喉がちぎれそうなほど 大声で叫ぶ。
そらる
そらるさんは、大きく目を見開いた。
そして、天月くんに連れられて 茂みの奥へと消えていく。
そらる
そらるさんは、 悲しそうにこちらに手を伸ばした。
僕は、そらるさんから目を逸らし、 大名様に向き直る。
もう、忠誠なんて誓えない。
大名様
大名様
大名様は、そらるさんを指さす。
まふまふ
僕は大名様の騎馬の前に立ち 大名様を見上げ、その姿を見据える。
まふまふ
まふまふ
まふまふ
僕はその瞬間、 大名様の左腕に、血に塗れた短刀を 投げつけた。
短刀は見事に 大名様の左腕に突き刺さった。
鈍い音と共に、大名様は顔を歪める。
大名様
大名様は、"左利き"だ。
それを知っていながら 左腕に短刀を刺した。
大名様も、それに気づいている。
大名様
大名様
まふまふ
僕はゆっくり、大名様に頭を下げる。
まふまふ
まふまふ
まふまふ
僕はそう言って、 素早くそらるさんの元に駆け出した。
後ろから、 ものすごい怒号が響き渡る。
大名様
大名様
大名様
僕は振り返らず、 ひたすら走った。
大好きなあなたの姿を探して。
そらるside
俺は天月と一緒に、 茂みの中をひたすら走り抜けている。
喉が干上がって、汗が滴る。
そらる
天月
天月が息を切らしながら俺に尋ねる。
そらる
そらる
まふまふが あんなに声を荒らげるのを、 俺は初めて聞いた。
俺はそんなに、 まふまふのこと、追い詰めたのか…?
好きな人の負担になってたのか…?
考えただけで、 胸がつっかえるようだ。
???
そらる
少し遠くから、 女性の声が響き渡った。
天月
天月を見ると、顔面蒼白だった。
そらる
そらる
天月
天月の声が震える。
そらる
俺がそう尋ねると、 天月は少し、視線を和らげた。
天月
俺たちは合図も無しに、 同時に走り出す。
茂みをかき分けると、背の低い女性が 作りかけの武器を使って 武士と戦っているのが見えた。
あの女性は… 武器作りの役割なのか…?
天月
天月が苦しそうな大声で叫んだ。
96猫
武士
女性は目を丸くしながら、 敵と応戦している。
……いや、敵って言ってるけど、 あの武士たちは 俺にとっての城の仲間だ。
てことは、 あの"96ちゃん"っていうのは俺の敵。
そして、天月にとってもそうだ。
でも……
そらる
天月の心配そうな横顔を見て、 何となく、わかった。
天月の好きな人は、この子なんだな。
そらる
天月
そらる
俺は今まで 天月に向けたことがないような 大声をあげる。
天月
そらる
天月
天月
そらる
俺はにやりと、笑った。
そらる
そらる
思いっきり、天月の背中を叩く。
天月
そらる
俺は天月に向かって微笑むと、 別の方向に走り出した。
ノンカフェイン
ノンカフェイン
ノンカフェイン
ノンカフェイン
ノンカフェイン
ノンカフェイン
ノンカフェイン
ノンカフェイン
コメント
19件
あ、やばい( ´ ཫ ` )( ´ཫ` )
ぁあ…ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙(´;ω;`) 泣く…過呼吸…スゥッ 続きも待ってまスゥッ((
待ってました! 出してくれてありがとうございます! 次も楽しみにしてます!