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『君と僕の忌避進路』

第75話 - 光の中で　②

111

2023年11月11日

#nmmn

#utit

#srr

#mfmf

縁（エニシ）

真冬視点

3人と分かれて、僕は彼方さんと帰路についていた

真冬

ありがとうございます、迎えにきてくれて…

彼方

講義終わってる時間なのに帰ってこないから、ちょっと心配だった

真冬

ごめんなさい、連絡すればよかったですね

彼方

…次から絶対して

真冬

はーい…

隣で歩く彼方さんを見ながら、少し懐かしい気持ちになる

真冬

…ねぇ彼方さん

彼方

ん、何？

真冬

覚えてますか？僕たちが初めて会った日のこと

彼方

…覚えてるけど、何突然

真冬

3人と会ったら、思い出しちゃって…

真冬

"初めて会ってからのこと"

彼方

ねぇ、何してるの？

真冬

……え？

真冬

っ、待っ……！！

真冬

……！

彼方

っ！

真冬

早く、こっち走って！！

彼方

……！

真冬

助けてもらって何ですけど…

真冬

ああいうのに軽くついて行っちゃって大丈夫なんですか？なんか危なく見えて……

彼方

…あぁ、別にいいんじゃないの？減るものでもないでしょ

真冬

……え？

真冬

いや、減るでしょ！ばっちり！！

彼方

そう？そんなでもないでしょ

彼方

……真冬の事、思ってるのはそっちだって言ったよね

彼方

これは俺の考えだから、そんなにはっきり言えないけど

彼方

多分俺のほうが、真冬のことよく知ってる

真冬

…彼方さん！！

彼方

っ…まふ、ゆ…

彼方

助けて…っ！

彼方

本当は、真冬を巻き込みたくなかったのに…っ

彼方

……でも、

彼方

信じてた、来てくれるって…

真冬

…！

真冬

…来るに決まってるでしょう？

真冬

これからも、助けが必要な時に言ってくださいね

真冬

どこにいても、僕が1番に駆けつけます

真冬

彼方さんと出会ったあの日から、僕は彼方さんのことが好きでした

真冬

だから、もしよければ…

真冬

僕と、付き合ってください…っ！

彼方

………

彼方

……俺、ずっと恋人とか作りたくないって思ってた

彼方

色々もつれると面倒だし、暁の件で色々学んだから…

彼方

…でも、何となく真冬とは

彼方

そういう関係でも、いいかなって…

真冬

っ！！

彼方

じゃあ、俺からも言わせて

彼方

俺は真冬が好き

真冬

っ…！！

彼方

"俺と付き合ってください"

真冬

っ……はい、っ！

彼方

真冬、一騎打ちするぞ

彼方

もう容赦しないから、覚悟しろよ

真冬

そっちこそ、油断は禁物ですからね？

彼方

すごい、楽しかった

彼方

…ありがと

真冬

っ！！

真冬

え、ていうか………

真冬

すごい美人さんですね！？

彼方

うるっせぇ、すごい恥ずかしいんだからなこれ……

彼方

はぁ…本当屈辱、一生許さない

彼方

本当は、みんなと同じ学校がよかった

彼方

みんなと同じ学校に通って、その上で真冬たちと会えてたらどれだけよかったのかなって、時々思う

真冬

…！

彼方

でも、そもそも家がああいうのだったら出会っても同じ学校でも意味無いのかなって…

彼方

真冬は、さ……

彼方

俺が家のこと話したら、どれくらい信じられる…？

真冬

っ…！

彼方

俺がここからいなくなったら、あの人も諦めるだろうし

彼方

いなくなれば、母さんも心から幸せになれるから…っ

彼方

真冬だって……！

彼方

俺さえいなかったら……っ

真冬

っ…！

真冬

一緒に逃げましょうか

彼方

え…？

真冬

僕たちのことを誰も知らないような、遠い遠いところ

真冬

"2人で逃げよう"

彼方

っ……

彼方

悪者じゃ、なかった

彼方

母さんのこと幸せにしてくれるって、いい人なんだなって思ってたよ

彼方

そうやって、思いたかった…っ

真冬

………っ

彼方

……真冬、好きだよ

真冬

……へっ？！

彼方

そういえば、まともに言ってなかったなって思って

彼方

俺なりの励まし

真冬

っ…〜！

彼方

じゃあ、頑張れよ

僕は過去を思い出しながら、薬指にはめられた指輪を見つめる

真冬

色々ありましたけど、あれって全部高校生の時にあった出来事ですからね〜

彼方

高校生が経験するようなことじゃないだろうな

真冬

まあ、2人とも色々ありましたから

真冬

…でも、こうして過ごせてるのが当たり前なんだなって感じられるくらいには、幸せに慣れた気がします

彼方

今までが気を張りすぎてただけで、本当はこれが普通なんだろうな

真冬

"普通"、かぁ……

普通を知らずに育って、僕がそれを知ったのは高校一年のとき

彼方さんは僕よりも少しあとに"普通の幸せ"を知った

でも、まだまだ知らないことだらけでこの先1人じゃ生きていけない

だからこれから2人で知っていこう

真冬

（って、これもらったときに言ってたっけ…）

彼方さんの指についた、僕と同じデザインの指輪

それを見て、思わず顔が綻ぶ

彼方

…なに、ニヤニヤして

真冬

ん〜？

真冬

…僕、彼方さんのこと好きですよ

真冬

初めて会ったあの時から、ずっと

彼方

…………

彼方

…俺はもう、"好き"じゃないかなぁ

真冬

えっ！？

真冬

ちょ、それどういう…

彼方

いや、えっと……

彼方

っ…"好き"じゃなくて、"愛してる"ってこと……

真冬

っ…！！

彼方

…わざわざ言わせんな

僕の顔を見て、彼方さんは少し恥ずかしそうにした

出会った時とは高校生のときとは比べものにならないくらい豊かになった表情

きっとそれは、僕も同じことだろう

お互いがお互いに救われて、影響されて、惹かれあって

そのうちに、忘れかけていた笑い方も泣き方も全部思い出すことができた

真冬

（僕の方が、彼方さんのことを"愛してますよ"）

真冬

（なんて、恥ずかしくてまだ言えないや）

お返しのつもりで、僕の右側を歩く彼方さんの手を握ってみた

彼方

っ……！

少し照れた後、ゆっくりと指を絡めてきた彼方さん

僕が手を握ると彼方さんは絶対に握り返してくれるのだが、この仕草がいつまで経ってもかわいく見える

真冬

そういえば、天ちゃんたちが『今度は5人で集まれたらいいね』って言ってましたよ

彼方

あ〜、最近みんな忙しかったしいいかもしれないな

彼方

今度都合あったら行く

真冬

お、言いましたね？

真冬

（あの文化祭の写真、見せられるんだろうなぁ……）

彼方

…なんか嫌な予感するんだけど

真冬

え？いやいや、そんなことないですよ…

彼方

本当に？絶対にそう言える？

真冬

も、もちろん！

彼方

ふ〜ん……？

真冬

ほら、もう遅い時間だし早く帰りましょうね！

彼方

うん…

『また今度』『いつかまた』

あの頃は明日が来るのか不安で、言うのも聞くのも怖かった言葉

でも、今は違う

『おはよう』『おやすみ』『また明日』

全部全部、大切な言葉になっていって

大切な友達がいて、最愛の人がいる

明日はどんな一面を見られるのかなって楽しみになりながら明日を迎える事ができるようになった

少し前の真っ暗だった毎日を塗りつぶすように、たくさんの幸せで埋め尽くして

これからも、2人で光の中を歩いていけますように

『君と僕の忌避進路』番外編 fin

本日夜9時、キャラクター裏話とストーリー裏話を投稿予定です

もしよろしければ、そちらにもお付き合いください

『君と僕の忌避進路』

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2人が出会ってから色々な事あったなぁ、ほんとに普通の高校生が体験しないような事ばかりw けれど乗り越えて今2人で普通を過ごしてる。 5人集まった時は散々いじられるんだろうなぁ〜w 2人共末永くお幸せにねーー！！！！

出会ってから今まで、本当に普通の高校生じゃ体験しないような出来事ばかりあって、その中を2人はお互いに救い合いながら切り抜けてきた… そして全部が終わって、ようやく“普通”を手に入れた今、きっとこの2人は誰よりも幸せを感じてるんだろうなぁ… これまでの分もこれからも、2人とも永遠にお幸せにーっ！！(大声)←うるせぇ番外編ありがとうございます！裏話も楽しみに待っていますっ！！