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ミーンミンミンミーン……
ないこ
夏 俺は実家に帰ってきていた
ないこ
ウィーンと扇風機の音が頭に響く
ないこ
いつもこの季節、この日に 夏祭りが地元では開催されていた
ないこ
ぼっちでは寂しいかもだけど
ないこ
ないこ
ないこ
夏祭りに行く となれば テンションも上がる
ないこ
そして 思い出も蘇る
ないこ
幼馴染2人と、鮮やかな夏祭りの記憶
ないこ
こんな風に暑い夏の日のことだった
ないこ
エアコンは壊れてて、 ウィーンと扇風機の音が 頭の中に響いていた
いふ
りうら
ないこ
だらりと寝転んでいた俺を呼んだのは 幼馴染2人だった
ないこ
いふ
ないこ
りうら
働かない頭の中を探ってみる、が 何も思いつくものはない
ないこ
りうら
いふ
ないこ
夏祭り! そういえば行く約束をしていた
ないこ
いふ
りうら
ないこ
2人に急かされて、俺も急いで 浴衣に着替えた
ないこ
いふ
りうら
ないこ
りうらに褒めてもらった。 なんだか照れ臭いけど嬉しかった
ないこ
いふの浴衣は蝶の柄が入った 青色の物
いふ
りうらの浴衣は椿の柄が入った 赤色の物
りうら
ないこ
いふ
りうら
いふ
りうら
ないこ
それぞれ、夏祭りの感想を述べながら どこへ行くか、何を買うかを決めた
ないこ
りうら
いふ
ないこ
いふ
パシッと音がして手首を掴まれる
ないこ
夏祭りの熱気にやられたのかな なんて思いながら冷静になっていく
りうら
りうらが思いついたように言う
りうら
りうら
ないこ
いふ
ないこ
3人仲良く手を繋ぐ
ないこ
2人のことが、結構好きだった 俺はこの繋がりが嬉しかった
いふ
りうら
ないこ
持ち金が1000円程度しかないため 何を選ぶかは重要だとこの時知った
りうら
いふ
ないこ
「お祭りだから」 今日はあんまり考えない!
ないこ
店のおじさん
気前の良い笑顔もお祭りだから、 おじさんも楽しいのかもなぁ なんて、どうでもいいことを思った
りうら
いふ
ないこ
店のおじさん
俺たちはそれぞれ300円出し、 りんご飴をもらった
りうら
ないこ
いふ
りうら
ないこ
りうら
いふ
くだらない会話を交わして お店を見回る
ないこ
りうら
いふ
りうら
図星だと言わんばかりの反応をする それが可愛いかった
ないこ
りうら
唇をとんがらせて、不機嫌そうに 返事をする
ないこ
いふ
りうら
さっきの姿はどこへやら 目を輝かせどこかな?と探している
ないこ
声に出したら怒られるから 言わないけど
いふ
ないこ
りうら
いふ
ないこ
りうら
意気揚々と前へ行く
店のおじさん
りうら
ヨーヨー釣るためのこよりを貰い 浴衣の袖を捲り、水槽の中を除く
りうら
ないこ
りうら
いふ
りうら
真剣な顔で赤色の鮮やかなヨーヨーと 向き合っている
りうら
パシャっと水音がして、 釣れたかな?とりうらの方を見る
ないこ
りうら
いふ
ないこ
りうら
全く、勝手なことを言ってくれる 後でしばく
ないこ
いふ
ないこ
いふ
コイツとぼけやがって!とまあ 思ったがりうらの眼には敵わなかった
りうら
ないこ
ないこ
さっきのりうらと同じように 袖を捲り、濡れないようにする
ないこ
りうら
ないこ
いふ
ないこ
歓喜の声を上げていると、 店のおじさんが
店のおじさん
と言ってきた
ないこ
ないこ
青、赤、緑、黄色など、様々な 色のヨーヨーが浮いている
いふ
りうら
ないこ
俺はピンク色の可愛らしいヨーヨーを 狙うことにした
ないこ
集中して、やった だけど
りうら
ないこ
りうら
いふが声を張って言う
いふ
いふ
ないこ
りうら
ないこ
これでとれたら、さっきのは チャラだけどとれなかったら 倍にしてやる と心の中で誓った
いふ
そうやっていふが、一息つくと
いふ
素早い動きでこよりを動かした
ないこ
りうら
いふ
ふふん、と自慢げに笑っている 面白いなあ、なんて思った
ないこ
いふ
ないこ
りうら
店のおじさん
もうなんか店のおじさんまで 応援し出している
いふ
緊張が走る中、 いふはこよりを動かした
ないこ
りうら
いふ
こよりは千切れる寸前まで きているが青のヨーヨーはしっかり 釣れていた
いふ
ないこ
りうら
店のおじさん
店のおじさんにお礼を言って、 ヨーヨーのお店を後にした
ないこ
いふ
ないこ
りうら
3人の意見がここに来て別れる
いふ
ないこ
りうら
気まずいようなどちらかと言うと 張り合っている雰囲気が流れる
ないこ
いふ
りうら
ないこ
いふ
まあそんなこんなで 別行動を取ることになった
ないこ
たこ焼き屋は並んではいたが、 無事に買えた。
ないこ
うちわをパタパタと仰ぎながら 集合場所まで移動する
ないこ
ふと眼に止まったのは、花形の髪飾り
赤から青に変わる 鮮やかなグラデーションの大きな花に 小さく可愛らしい赤色と青色の 花が二つ付いている
ないこ
値段は1000円と俺にとっては 高めな値段でもちろん 買えるわけもなかった
ないこ
ないこ
見惚れていて時間を忘れていたようだ
俺は走って集合場所へと向かった
集合場所に着いたとき、 もう既に花火は始まっていた。
いふ
ないこ
りうら
ドーンドーンと花火は 打ち上がっていく
いふ
りうら
ないこ
小さな声で言う
ないこ
ないこ
何十年未来だって いふと、りうらのこと好きでいるから
ないこ
ミーンミンミンミーン……
ないこ
髪飾りに触れる ずっと閉まってたからか、冷たい
ないこ
もう、準備は済ませたから 俺は立ち上がり夏祭り会場まで 向かった
着いた時には、花火はもう既に 打ち上がっていた
ないこ
笑ってみせるけど、それを許す友は ここにはいない
ないこ
ドーンと、花火の音がただ辺りに 響いていた
ないこ
零す言葉は誰の耳にも届かない
翌日、俺は墓に来ていた
ないこ
ないこ
二つ並んだ墓を見てそう言う
ないこ
2人して、俺を置いていって。
ないこ
掠れた笑いは2人には届かない
ないこ
ないこ
ないこ
ないこ
凄いね! やるやん そんな声は、聞こえてはこない
ないこ
赤と青のヨーヨーをそれぞれの墓に 置いた
ないこ
ないこ
わかってるよ
何も聞こえてこないのが 答えなんだよね
ないこ
ないこ
ニチニソウ ネリネ それぞれに2本ずつ
ないこ
2人の前まで行ってそっと花を刺した
ないこ
ないこ
今も昔も大好きだよ