なんの変哲もない
普通の日。
気分で屋上にあがって
空を眺めていた。
くに
綺麗…だな…
がしゃんッ
くに
?
突然“がしゃん”という音が響いて
不安になり音の方へ走った。
そこにいたのは他の誰でもない。
こただった。
くに
こた…?
こったろ
……
くに
こたっ!!
こったろ
わ…(ビクッ
こったろ
ん〜?
こたはいつもと変わらない
穏やかな笑顔でこちらを振り返った。
こったろ
くにおちゃんだ!やっほ〜
くに
やっほ〜じゃないよ!
くに
なんで…そんなことして…
こったろ
え?
こったろ
死ぬからだよ
くに
ッ…
フェンスに座ったこたは
不思議そうな目でこっちを見ている
くに
なんでッ…?ポロポロ
こったろ
わわわ、泣かないでよ…
こったろ
くにおちゃんが泣くことないじゃん
くに
…
くに
なんで…やだよ…
くに
ねぇッ…こたぁッ…!!
こったろ
ッ…
こったろ
俺は…
こったろ
自分の人生を自分で決めちゃいけないの?
くに
ッ……こた…
こたはそう言って
悲しそうな顔をする。
普段はそんな顔しないのに
こったろ
俺はもう…疲れたよ…?
くに
…
こったろ
もう…いいんだよ…
こったろ
後悔することしかないけど…
こったろ
どうあがいても無理だって…わかったからさ
くに
ねぇッ…こた…
こったろ
もう…やめてよ…
くに
お願いッ…
止めたくないから
止められなくて
とっさに出た言葉。
くに
もう少し…まってよ…
こったろ
…
少し…なんて嫌だった。
ずっと一緒がよかった
でも…こうしないとこたは…
止まってくれないから…
くに
今日って…何日だっけ…
くに
10月19日だ!
くに
ねぇ…こた!
こったろ
…
言いたくなかった言葉が
俺の口から出てきた。
くに
死ぬならハロウィンまで我慢してほしい
こったろ
ハロウィン…?
くに
だからッ…
くに
ハロウィンまでは…死なないで…
ハロウィンまで死なないで…
は
ハロウィンには死んでいい
そう言ってるのと同じだと
気づいた時にはもう遅かった。
こったろ
なんで…?
くに
俺…こたとのハロウィン大好きなんだ…!
くに
それにっ!
くに
最後の最期は…
くに
思い出作ってから死にたいじゃん…!
こったろ
…
くに
…ね…こた…お願い…
こったろ
…わかった…
こったろ
じゃあ、さ、
こったろ
ハロウィンパーティーが終わった後…
こったろ
ここに集合ね
くに
俺も?!
こったろ
最後にくにおちゃんに言いたいことあるんだ!(ニコッ
くに
…そっか!
くに
わかった!
こったろ
約束だからね!
約束
…
くに
…うん