テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

一覧ページ

あやかしログ

第24話 - 地獄で呼吸する神様たち【アポローン】

3,009

2024年03月24日

#あやかし

#スピンオフ

#伏黒恵のお姉ちゃん

ほのかな湯♨️

悠華

これは『地獄で呼吸する神様たちエリニュエス』の200年後、つまり私のお話！

悠華

では、どうぞ！！

悠華

ちょこっと秘話みたいな感じです！

伏黒母

恵〜

恵

きゃ〜！

ケラケラ

悠華

…ん゛んー！！！

伏黒母

？悠華どうし＿

悠華

なんでかあさんは、恵ばっかかまうの！！！！

フリカムイ

(あぁ、よくあるやつ)

鈴鹿御前

(ですね〜これも成長！)

伏黒母

！！

伏黒母

ごめ、

悠華

はるかも！！！

悠華

めぐみ、おせわしたい！！！！

フリカムイ

は？

鈴鹿御前

(声出さないで、バレますよ)

フリカムイ

(……意味が分からない)

フリカムイ

(普通は、かまって欲しいでしょ)

悠華

めぐみぃ〜！

恵

きゃ〜！

悠華

！わらった！！

悠華

かあさん、わらったよ！！！

伏黒母

んふふっ、笑ったね！

伏黒母

お姉ちゃんに抱っこして貰えて、きっと恵も嬉しいのよ！

悠華

〜〜〜！！

悠華

おねいちゃん！！

鈴鹿御前

………

鈴鹿御前

(この子は、無意識に、本当に無意識に)

フリカムイ

？

鈴鹿御前

(【愛して欲しいから愛した】んでしょう)

フリカムイ

…………

フリカムイ

(俺、この子苦手かも)

鈴鹿御前

…

鈴鹿御前

(まだ、苦手と断定するには早いですよ)

鈴鹿御前

(気長に、気長に行きましょう)

鈴鹿御前

(別にこの子を嫌いでも、誰も咎めたりしませんよ)

フリカムイ

………帰る

ｼｭﾝｯ

悠華

あのね、かあさん！！

伏黒母

なぁに？

悠華

はるか、おねいちゃんなんだよ！！

伏黒母

うん、お姉ちゃん！

悠華

はるかの、かわいいおとうと！！！

恵

？

恵

う？

数年後

悠華

…馬頭鬼ぃ、牛頭鬼ぃ

牛頭鬼

ん？

馬頭鬼

どしたの？

悠華

最近ね、フリカムイと契約したんだけどね

牛頭鬼

？

悠華

なんかこう…壁を感じる

馬頭鬼

…あー

牛頭鬼

…それは、まぁ、うん

牛頭鬼

…うん……

馬頭鬼

まぁ、大丈夫でしょ！

馬頭鬼

なんとかなる！

牛頭鬼

なんとかなるって…

悠華

なんとかなる…

悠華

？

牛頭鬼

…あー、お嬢が

悠華

うん？

牛頭鬼

お嬢らしくいれば、きっと大丈夫。
ちょっとだけ、気長に待ってて欲しい

悠華

…きなが？

馬頭鬼

ゆっくりってことだね

悠華

！ゆっくり！

悠華

大丈夫、それなら出来るよ！！

悠華

私、待つの得意！！

馬頭鬼

(本当になんとかなると思う？)

牛頭鬼

(思えない)

馬頭鬼

…

牛頭鬼

(でも、お嬢ならもしかしたら…って、思える何かを持ってる)

馬頭鬼

？何

牛頭鬼

分からん！

悠華

？

後日

悠華

……ｽﾞﾋﾞｯ

悠華

いま、悲しみ中だから、話しかけないでくださない

悠華

泣きます

フリカムイ

………

悠華

めんどくさいって思うのも゛や゛だ

フリカムイ

えぇ、

悠華

うぅぅぅぅ

ｼｭﾝｯ

鈴鹿御前

…これは、大変珍しいですね！

悠華

！

悠華

鈴鹿御前、契約しに、来てくれたの？

鈴鹿御前

いいえ、契約はまだ貴方様の呪力が足りないので辞めておきます

悠華

ん゛ん

フリカムイ

…それで、何があったの？

鈴鹿御前

(は？貴方そんなことも知らないですか)

鈴鹿御前

どうやらタケシくんに心無いことを言われたようで

鈴鹿御前

好意のある子に意地悪をしてしまうありがちなものだと思うんですがね…

フリカムイ

タケシ？誰？

鈴鹿御前

二丁目の佐藤さんのお子さんですよ

鈴鹿御前

最近ヨガ教室を始められた奥様の息子さんです

鈴鹿御前

ほら、最近昼ドラにハマってらっしゃる

フリカムイ

いや聞いても分からなかったわ誰だ

フリカムイ

というかなんでそんな情報知ってんの

鈴鹿御前

はぁーー

鈴鹿御前

これだから休日に少し相手をしただけで

鈴鹿御前

育児をした気でいる鳥は

フリカムイ

いや誰目線だよ…

悠華

ｽﾞﾋﾞｯ

フリカムイ

…………

フリカムイ

悠華は、ソイツになんて言われたの？

悠華

………………

フリカムイ

(やっぱ俺じゃ無理かも)

鈴鹿御前

(諦めないでください)

フリカムイ

(だって、俺だよ…？)

悠華

……………

悠華

…………へんって、

フリカムイ

ん？

悠華

かってもらった、ピン、

悠華

へんって、

フリカムイ

…ソイツに言われたから嫌だったの？

悠華

ううん、

悠華

でも

悠華

ほかにも、いっぱいあったの

悠華

かわいいやつ、たくさん

悠華

けど、これが一番だったから

悠華

だいすきっておもったから

悠華

……

悠華

へんっていわれて

悠華

やだった

フリカムイ

……

悠華

…ん゛んん……

悠華

うぅぅ、

悠華

だいすきだったのに゛

悠華

だいすきじゃないかもって、おもっちゃったから

悠華

やだったぁ、ｽﾞﾋﾞｯ

鈴鹿御前

(ブツを切るか…)

鈴鹿御前

(よし、タケシ殺すかぁ)

フリカムイ

……

フリカムイ

そっかぁ

ごしごし

悠華

ん゛ぅ

フリカムイ

あのさ

フリカムイ

明日もう一回

フリカムイ

俺にも公園に行って見せてくれない？

悠華

………うん゛

フリカムイ

ほら、おいで

悠華

………

ぎゅう

フリカムイ

(マジで来てくれた)

鈴鹿御前

(当たり前でしょう、貴方はもう悠華様の中では信頼に足る妖ですよ)

フリカムイ

……

鈴鹿御前

(喜んでます？)

フリカムイ

(………すこし)

トン…トン…

フリカムイ

…寝た

悠華

ｽｰｽｰ

鈴鹿御前

早いですねぇ(小声)

フリカムイ

…………

鈴鹿御前

？

鈴鹿御前

(え、泣いてる)

悠華

Zzz…(*´～｀*)

フリカムイ

…なんで、俺の腕の中で、こんな安心して、

フリカムイ

寝れているんだろう…

鈴鹿御前

え、泣いてる理由それですか？

フリカムイ

………

フリカムイ

この子は、小さいんだよ

フリカムイ

小さくて、弱い、ただの女の子

フリカムイ

俺が、触れてしまったら壊れてしまうような、なのになんで、

鈴鹿御前

…でも、今触れてあげなかったら…

鈴鹿御前

触れなければ、崩れてしまうような小さな女の子ですよ

フリカムイ

………

フリカムイ

………俺なんかが、触れちゃった

フリカムイ

触れないように、していたのに

鈴鹿御前

…だから＿

フリカムイ

…壊れちゃうって思って、

鈴鹿御前

……はい

フリカムイ

…どうしよぉ、鈴鹿御前、

フリカムイ

俺が触れて、壊れちゃったら、ねぇ、いやだ、

鈴鹿御前

…不安、なんですか？

フリカムイ

不安だよ、不安でしかない

鈴鹿御前

…壊れてしまったら、また拾い集めれば良いんです

フリカムイ

……え、？

鈴鹿御前

壊さぬように、崩れぬように

鈴鹿御前

育つように、始まるように

鈴鹿御前

今はただ抱きしめてあげてください

フリカムイ

……

鈴鹿御前

貴方は、若い

鈴鹿御前

そして悠華もまだ若い

鈴鹿御前

貴方達なりの“愛”を見つけてください

鈴鹿御前

天逆毎の、妖の“喰らう”事が【愛】みたいに

鈴鹿御前

馬頭鬼や牛頭鬼の“共存”が【愛】みたいに

フリカムイ

…見つけられるかなぁ、こんな俺でも、

鈴鹿御前

大丈夫です、きっといつの間にか見つかってる

鈴鹿御前

恋とはまた違う、あなた達なりの愛の種を育ててみて下さい

フリカムイ

…がんばって、みる

鈴鹿御前

！

鈴鹿御前

えぇ、えぇ！

鈴鹿御前

私に出来ることがあれば、全力でお手伝い致しましょう！

in 翌日

悠華

………

フリカムイ

？何してんの？

フリカムイ

公園行くよ

鈴鹿御前

行きますよ〜？

悠華

…………うん、

フリカムイ

……

フリカムイ

大丈夫だよ

悠華

………

ガチャン

in公園

悠華

………

フリカムイ

あれ、ピンは？

悠華

…持ってる

フリカムイ

………

鈴鹿御前

悠華〜、ちょっとちょっと

悠華

？

ﾄﾃﾄﾃ

鈴鹿御前

ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ

悠華

！

悠華

……わかった、やる

鈴鹿御前

ありがとうございます〜！

フリカムイ

？

ぱちんっ

鈴鹿御前

よし、戦闘準備完了ですね！

悠華

おー！

鈴鹿御前

では、行ってらっしゃい！

悠華

……

ﾄﾀﾄﾀ

鈴鹿御前

ほら、フリカムイ

鈴鹿御前

（何か、言うことがあるんじゃないんですか？）

フリカムイ

(…凄いね、鈴鹿御前)

鈴鹿御前

手伝うと言いましたから！

鈴鹿御前

今度は貴方が頑張る番ですよ！！

フリカムイ

……

ガヤガヤ

悠華

…

悠華

(やっぱり、こわ＿)

フリカムイ

悠華

？

フリカムイ

かわいいよ！

悠華

……ぇ

フリカムイ

ちょーかわいい！！

悠華

……

フリカムイ

わぁ、開いた口が塞がってない……

フリカムイ

(…やっぱ俺が言っても気持ち悪いだけかな………)

悠華

〜〜！！

フリカムイ

……うそ、

鈴鹿御前

…あの顔を見れば、一目瞭然ですよ

悠華

あ、ありがとー！！！

フリカムイ

……………わぁ、

フリカムイ

なんだろ、これ

悠華

あははっ！！

フリカムイ

………すすがごせん、

鈴鹿御前

はい

フリカムイ

世界が、キラキラして見える

鈴鹿御前

えぇ、輝いていますね

フリカムイ

…物語の、お姫様みたい、

in 生命の樹

フリカムイ

どうしよ、どうしよ！！！

天逆毎

びっっっくりした…

天逆毎

“お前”そんな大声出せたんだな…

フリカムイ

天逆毎ー！！聞いて！！！

天逆毎

もう聞いてる！！！！

フリカムイ

あのね、あのね！！！

天逆毎

落ち着け！！！！

フリカムイ

ｽｰﾊｰ

天逆毎

よし、要件は？

フリカムイ

世界が、キラキラしてる

フリカムイ

やっばい、キラキラ！！

天逆毎

…あぁ、良かった

フリカムイ

え？

天逆毎

くふふっお前、やっと笑った

フリカムイ

………ぇ

天逆毎

そうか、あの子には感謝しないとだな

天逆毎

フリカムイの世界がようやく彩られたようだ

天逆毎

魅せられたな、悠華に

フリカムイ

魅せられた……

天逆毎

衝撃だったろ？

フリカムイ

衝撃！！

天逆毎

あははっ！

フリカムイ

なんかね、悠華が、キラキラしてた

天逆毎

…ん？それは逆だ

フリカムイ

え？

天逆毎

あの子がキラキラしていたから世界が輝いて見えてたんだ

フリカムイ

！

フリカムイ

なるほど！！

天逆毎

というか、なんで私に報告に来た？

天逆毎

お前むしろ私の事嫌いじゃ？

フリカムイ

…鈴鹿御前に

天逆毎

？

フリカムイ

『天逆毎はあなたの事を少なからず心配していましたよ。心配してくれる誰かのことは大切に思いなさい』って教えてくれて

天逆毎

へぇ

フリカムイ

それから前に

天逆毎

ん？

フリカムイ

『愛して欲しいから愛したんだろう』って言ってくれた時もあって

天逆毎

……で？

フリカムイ

だから！！！

フリカムイ

俺も愛して欲しい！！！

天逆毎

は？

フリカムイ

ので！！！！

フリカムイ

俺が、みんなを愛することにしました！！！！！

天逆毎

………

天逆毎

くふふっ

天逆毎

あぁ頑張れ、その努力は無駄にはならない。必ず返ってくるよ

フリカムイ

うん！！！

フリカムイ

ありがとう！！！

フリカムイ

じゃあね！！！

ｼｭﾝｯ

天狐

まるで嵐

天逆毎

な！

天狐

…嬉しそうね

天逆毎

フリカムイの顔がようやく晴れた、嬉しいだろ

天逆毎

一妖でも多く嬉しいと、私も嬉しくなる

天狐

…アンタって素直じゃないわよね

天逆毎

私こそ素直な妖は居ないだろ

天狐

は？

天逆毎

あ？

数ヶ月後

悠華

それでね、悟くんがね！！

フリカムイ

うん

悠華

＿＿＿＿

悠華

それからそれから！！

悠華

＿＿＿＿＿

悠華

＿＿＿＿＿＿

フリカムイ

うん

悠華

＿＿＿＿＿＿

悠華

＿＿＿

フリカムイ

…姫さん今日はいっぱいおしゃべりして、ご機嫌だね

悠華

まぁね！！

悠華

あ、それから！！

悠華

＿＿＿＿

フリカムイ

うん、うん

悠華

＿＿＿＿＿

悠華

＿＿＿

悠華

＿＿

フリカムイ

うん

悠華

…あ、ごめん私ばっかり…

ぎゅうぅ

悠華

え？

フリカムイ

ずっとさ

フリカムイ

悠華がずっと、笑ってくれたらいいなぁ

悠華

……うん

悠華

………じゃあさ

フリカムイ

うん？

パッ

悠華

私のお願い、まだ言えないけど聞いてくれる？

フリカムイ

…うん

フリカムイ

それを叶えて、幸せな未来に繋がるなら全部叶えるよ

悠華

！！

悠華

ありがとう！！

なんて、言わなければ未来は変わってたのかもしれない

悠華

私、今から東雲家に行く

フリカムイ

＿＿＿＿＿

この時俺はなんて言ったのか確かなことは覚えてない

でも

明らかに、そう明らかに

フリカムイ

(震えてる)

悠華

大丈夫、私は死なないよ

悠華

死ねないもん、恵と津美紀がきちんと幸せになるまで

悠華

2人に手をあげてしまった私の代わりに、フリカムイが守って、ね？

悠華

お願いだよ、

あぁ、お願いってそれ

フリカムイ

(…これが、“お願い”だなんて)

フリカムイ

＿＿＿＿

悠華

＿＿＿

悠華

＿＿＿

…ん？？

フリカムイ

まさか、俺を数ヶ月、あるいは数年、ずっと外に出しておくわけじゃないよね？

悠華

勘が良くて助かるなぁ…

悠華

お願い、私が維持できる最大の力がフリカムイなんだよ

フリカムイ

命令？それは

悠華

…命令じゃないよ、お願い

フリカムイ

それは嫌なお願いだなぁ…

フリカムイ

でも、いいよ

悠華

！

フリカムイ

姫さんの望むことは全部叶えてあげるって約束したから

悠華

あ、ありがとう

フリカムイ

＿＿＿

悠華

＿＿＿＿＿＿

悠華

＿＿＿＿＿＿＿

悠華

＿＿＿＿

フリカムイ

生き残って

悠華

うん、死なない

フリカムイ

…またね、悠華

悠華

じゃあね、フリカムイ

ﾄﾀﾄﾀﾄﾀ

フリカムイ

…………

フリカムイ

…こういう時、誰かに頼ることが出来てたら俺も姫さんも、変わってたのかも

フリカムイ

……誰を、頼ればいいんだよ…

フリカムイ

無理か、うん

フリカムイ

………無理かぁ………

数日後

ﾄﾝｯ

フリカムイ

……

天逆毎

フリカムイ

なに？

天逆毎

悠華が東雲に来た、知ってること全部吐け

フリカムイ

…逆に、何が知りたい？

天逆毎

！！

天逆毎

…そうだな

フリカムイ

………

天逆毎

まず最初に

天逆毎

なんで、助けを求めない？

フリカムイ

は？

天逆毎

お前、今凄くギリギリだろ

フリカムイ

………

フリカムイ

ねぇ、誰に？

天逆毎

………は？

フリカムイ

どうやって？

フリカムイ

たすけてなんて、簡単に言えるわけないじゃん

フリカムイ

というか、何を助けてもらうの

天逆毎

……………

天逆毎

お前も悠華も、すごく面倒くさそうだ

フリカムイ

………見捨てる？

天逆毎

…フリカムイを？

フリカムイ

うん

天逆毎

は？

天逆毎

……あ゛ー、いや

天逆毎

これは私の落ち度だ、ごめん

フリカムイ

え？

天逆毎

まず私は、妖を絶対見捨てない

天逆毎

たとえお前が悠華を殺しても見捨てないよ

フリカムイ

！

フリカムイ

…悠華も、天逆毎も

天逆毎

ん？

フリカムイ

なんでそこまで、他人を想えるの

天逆毎

こういうの、鈴鹿御前の方が向いてるんだけど…

フリカムイ

……

天逆毎

………そうだな

天逆毎

……お前が

フリカムイ

え？

天逆毎

悠華の笑顔を見て、世界が輝き出したって言ったみたいに、“私”にもその瞬間がある

フリカムイ

…それは生きてた頃の話？

天逆毎

違う、今の私が生まれてからの話

フリカムイ

………

天逆毎

私以外の九妖がみんなで、たわいもない話で楽しそうに、本当に楽しそうにしていて

天逆毎

生きててよかった、守らなきゃって思ったんだよ

フリカムイ

……は？

天逆毎

こんなものが世界で1番輝いて見えるなんて、自分でもびっくりしてる

天逆毎

…でも、あの感動は忘れない

天逆毎

だから、たとえ代替わりしても見捨てない

フリカムイ

……意味が、分からない

天逆毎

うん、私でも分からないよ

わしゃわしゃ

フリカムイ

ぇ

フリカムイ

………なんで、撫でてるの？

天逆毎

泣いているように見えたから

フリカムイ

……泣いてない

天逆毎

…違うな

天逆毎

いつかのお前の、泣いていた顔をふっと思い出すからだと思う

フリカムイ

………天逆毎、

天逆毎

…うん、なぁに？

フリカムイ

…………ごめん

天逆毎

何が？

フリカムイ

身勝手なのは自分でも分かってるんだ、でも

フリカムイ

……悠華は、俺の、“神様”なんだ

天逆毎

…あぁ

フリカムイ

あの子は、俺の、唯の神様で、無くてもいいんだけど、

天逆毎

無くてはならない存在…だろ？

フリカムイ

！

フリカムイ

なんで、

天逆毎

私にも神様は“居た”、分かるよ

天逆毎

それで？

フリカムイ

………

天逆毎

お前は私に何を望む？何を支払って、何を願う

フリカムイ

……俺が、差し出せるものは何もないよ

天逆毎

言葉だけでいい、それがあれば私は命を懸けて願いを叶えて見せよう

フリカムイ

……………

フリカムイ

おねがい、天逆毎

フリカムイ

悠華が死んじゃう、救えるはずなんだよ、天逆毎なら、

天逆毎

…それ、直感か？

フリカムイ

………ん

天逆毎

なら心強いや

天逆毎

そして、もう一声

フリカムイ

………ぇ、

天逆毎

ほら、あるだろ

フリカムイ

？？

天逆毎

…………

天逆毎

仲間くらい、常に頼れると思っとけ

天逆毎

はい、復唱して

フリカムイ

え、

天逆毎

た

フリカムイ

…た？

天逆毎

す

フリカムイ

す

天逆毎

け

フリカムイ

………け

天逆毎

て

フリカムイ

…て、

天逆毎

はい、読み上げる

フリカムイ

…………たすけて、

天逆毎

よく出来ました

わしゃわしゃ

フリカムイ

ん

天逆毎

これからは、一何時もそれを言えるようにしとけ

天逆毎

私には聞こえなくても、他の妖には聞こえる

天逆毎

他の妖に聞こえなくても、私には聞こえる

フリカムイ

…そんな簡単に、言っていいの？

天逆毎

あぁ、いいよ

天逆毎

本当に、危険だったら対価も何もかもいらない

フリカムイ

……なんで、

天逆毎

生きてればなんでもいい

フリカムイ

……じゃあ、足が動かなくなった時も呼んでもいい…？

天逆毎

あぁ

フリカムイ

翼がもがれて、手枷を付けられても、どうしようもない時でも、呼んでもいい？

天逆毎

いやむしろ呼べ

天逆毎

それ危険

フリカムイ

…あははっ、じゃあ

天逆毎

？

フリカムイ

俺が、口を聞けなくなっても、たすけてって思っていいの？

天逆毎

…あぁ、いいよ

天逆毎

必ず、聞き届ける

フリカムイ

……そっか、そっかぁ……

天逆毎

？なに

フリカムイ

…悠華は、俺の神様だけど

天逆毎

？

フリカムイ

天逆毎は、俺にとって空気みたいなものだね

天逆毎

…なくてもいい存在って事か？

フリカムイ

違う、当たり前にそばにいる存在だよ

天逆毎

！

フリカムイ

俺にとっての、空気はそういうもの

フリカムイ

呼吸するにしても、戦うにしても

フリカムイ

俺は空気があれば無敵だから

天逆毎

…くふふっ、告白みたいだな？

フリカムイ

………そうって言ったら？

天逆毎

あははっ！

天逆毎

お前にはもっと、良い人がいるよ

フリカムイ

……………

フリカムイ

そうかもね

あやかしログ

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

3,009

2件

フリカムイの世界が遥華によって彩られるのなんかいいな🤔人に助けを求めることってそう簡単に出来ないから、天逆毎がいてくれると心強い！

ほのかな湯♨️

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

あやかしログ

第24話 - 地獄で呼吸する神様たち【アポローン】

作者の他の作品すべて見る

#あやかしの新着小説
一覧

関連するタグ

あやかしログ

第24話 - 地獄で呼吸する神様たち【アポローン】

作者の他の作品すべて見る

#あやかしの新着小説一覧

関連するタグ

#あやかしの新着小説
一覧