コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
5月、とある高校の1年の教室にて
恭平
流星
恭平
教室の真ん中でイチャつく男女を 横目でチラッと見て、 またすぐに手元のゲームに 夢中になっているこの男は
高橋 恭平 15歳
スポーツ推薦でこの高校に来た恭平は 運動神経抜群な上に小顔イケメンという 少女漫画から出てきたようなタイプのくせに 全く勉強ができない、いわゆるおバカだ
ただそのギャップが受けて入学から僅か1週間で ファンクラブができていた
流星
恭平
学校中の女の子を夢中にさせておきながら 本人は全く恋愛に興味がないらしく 今日も教室の隅っこで僕の相手をしている
恭平
流星
りゅちぇ、と呼ばれたのが僕
大西 流星 15歳
この春から華の高校生になったものの、 正直恋愛とは無縁の15年間で 今まで誰か1人を特別に思ったことはないし 恭平のようにモテるわけでもないから 誰かに告白されることもなく ただただ優しい家族と仲の良い友だちに囲まれて 今日まで平和に生きてきた
そんなわけで恋人が欲しいと 思ったことすらない僕だけど、 教室できゃっきゃっと盛り上がる2人を見て 漠然と楽しそうやな...なんて思った
恭平
手元のゲーム画面から顔を上げて恭平が言う
流星
恭平
恭平とは家の方角が同じで 案外近くに住んでいるということは 今までの会話で分かっていたけど 放課後はいつもバスケ部の練習で忙しいから 一緒に帰ったことはなかった ちなみに僕は帰宅部
流星
なんて2人で話しながら鞄を手に取り 下駄箱へと向かう
ーその瞬間は唐突にやってきたー