死は静かだった。 血の臭いすら残さない、完全な沈黙。
黒い霧が立ちこめる戦場の廃墟。 そこに“彼”は立っていた。 誰の目にも映らず、誰の耳にも届かず、ただそこに「在った」。
shk。
その名前以外、彼の素性を知る者はない。 その存在は、記録から抹消される“戦場の幽霊”。
だが、その名を耳にした敵兵の心臓は、鼓動すら忘れる。
かつて帝国の精鋭部隊を一夜で壊滅させた伝説。 その目には、敵の“危険”が色で映り。 その足は、あらゆる“死角”を抜けて突き刺さる。
そして今、彼は再び戦場に姿を現す。 胸元で、「ペンダント」が鈍く赤く輝いていた。
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