先生
華
教室に足を踏み入れた途端に、ざわめきが広がる。
前の学校の制服を身にまとっている私は、ここで1番浮いているのだろう。
華
華
一拍間が置かれた後、割れんばかりの拍手が響き渡った。
そんなクラスメイト一人ひとりをざっと見てみる。
1クラス40人の教室は、前の学校より少し手狭に感じた。
華
先生
華
男子の列の1番後ろ。一つだけぽつんと、誰にも座られていない席が佇んでいた。
先生
華
先生
樹
先生
樹
華
先生の話を遮って教えてくれた樹さん。ムードメーカー的存在なのだろう。誰も嫌な顔はしていない。
先生
先生
華
華
流斗
学校の屋上。普段は立ち入り禁止になっているここは絶好のサボり場だった。
何しようと誰の目にも入らない。
誰の邪魔にもならない。
家に居てもイライラするだけだ。
屋上に続く階段を昇る音が聞こえる。
こんな所に来るやつなんて物好きかヤンキーくらいだろうに。
流斗
華
ドアを開けたのは黒髪ロングの女子生徒だった。
転校生かなにかだろう。見たことのない顔だ。
華
流斗
華
華
華
華
気を悪くしたならごめんなさい、と謝る西園寺を横目に屋上を後にした。
流斗
流斗
気持ちだけじゃ何も変わらない。
変えて欲しいとも思わない。
華
華
流斗
華
人のプライベートにズカズカ踏み込んでくる奴が1番嫌いなんだ。
無力の癖に。
流斗
華
流斗
お人好しが過ぎる。ただのアホだ。
華
流斗
流斗
華
流斗
華
華
流斗
西園寺は軽く息を吐いて俺の目を見つめる。
人の目を見つめてくるやつにろくな奴はいない。
華
華
華
華
西園寺は口の端をピクピクさせながら、笑顔でそう言った。