コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
配信も終わり、 後片付けを軽く済ませると、 部屋にはゆるい音楽と、 間接照明だけの柔らかい灯りが残った。
カーテンの隙間からは、 遠くの街の光が小さく瞬いている。
兄者
兄者さんが低い声で言って、 リビングのソファにどかっと腰を下ろす。
おついちさんはキッチンで湯を沸かしながら
おついち
と優しく声をかけてくれる。
弟者さんは毛布を3つ抱えて戻ってきて
弟者
と全員分を丁寧に広げてくれた。
その自然な気遣いに、 胸の奥がじんわりと温まっていく。
ソファには4人分のスペースなんてほぼない。 でも3人とも、 当たり前みたいに隙間を空けてくれるわけじゃなくて—— むしろ近い。
兄者さんは腕を軽くソファの背に回して、 自然と私を囲う形になっている。 おついちさんは隣に座り、 ハーブティをそっと渡してくれる。 その手がほんの少し長く触れて、 くすぐったい熱が残る。
弟者さんは床に座ってソファにもたれて、 私の膝の上にそっと腕を置いてくる。
弟者
と嬉しそう
小さな距離感ひとつひとつが 胸の奥を甘く震わせる。
兄者さんの低い声の破壊力
兄者
兄者さんがふいに言う。
その声が落ち着いてて、でもどこか優しくて、 思わず心臓が跳ねる。
弟者
と言いながら 私の足元に毛布をかけ直してくる。
おついちさんは横でくすっと笑って、
おついち
と言うけど、 その目はちゃんと私の表情を見ている。
……なんでこんなに優しいんだろう。 この距離感のまま、 私はソファに背中を預けて 小さく息を吐く。
テレビはつけていない。 ゲームの音も消えた。 部屋に響くのは、 3人のゆるい呼吸と、 ティーカップの触れる音だけ。
少し前まで揺れていた心が、 この静けさの中でゆっくり深く落ち着いていく。
兄者さんはゆっくり腕を伸ばして 私の肩に軽く触れる。 おついちさんは私がカップを置くタイミングで そっと受け取ってくれる。
弟者さんは眠そうに私の膝に頭を預けて
弟者
と小さくつぶやく。
そのひと言が、 身体の奥まで甘く染みていく。
まぶたがだんだん重くなっていく。 でも、怖くない。 逃げなくていい。 気を張らなくていい。 先生への記憶が遠く霞んで、 3人のゆるい温度だけが心に残る。
そして私は、 兄者さんの肩にもたれながら 小さく息を吸って思った。
——あぁ、こんな夜をずっと続けたい。 この3人と、こんな穏やかな眠りに落ちたい。 部屋の灯りが柔らかく私たちを包んで、 夜はゆっくり深く沈んでいく。
3人の温度に包まれていると、 まるで部屋ごと柔らかい毛布になったみたいに 心も体もとろけていった。 弟者さんが半分眠りながら、 私の肩に手を回してくる。
ふわっと軽く抱き寄せられただけなのに、 胸がぎゅっと甘く鳴る。
弟者
その寝息まじりの声が、 耳のすぐ近くでくすぐる。
兄者さんは握った手をゆっくり解いて、 代わりに私の頬に触れた。
親指でそっと撫でる。 まるで落ちてきそうな涙をぬぐうみたいな、 優しすぎる触れ方。
兄者
その低い声が胸の真ん中に落ちて、 身体の奥がじわっと熱くなる。
おついちさんは私の髪を指に絡めながら、 落とした声で囁いた。
おついち
優しい声なのに、 心の一番柔らかい場所をそっと包むみたいで、 息が止まりそうになる。
気づいたら私は3人に囲まれるように抱き寄せられていた。 弟者さんは眠そうな手つきで腰のあたりをトントン。 兄者さんは肩を抱いて頬を寄せてきて、 おついちさんは私の手を優しく絡め取る。
何もしてない夜なのに、 心臓がずっと甘い音を立てていた。
兄者
名前を呼ばれただけで身体が熱くなる。
兄者
兄者さんが囁く。
弟者
弟者さんがくっついてくる。
おついち
おついちさんの声が低く響く。
その言葉が重なって、 胸の奥が一気に溶けていく。 3人の手、声、体温。 全部が私を甘やかしてくる。
もう、逃げられないくらいに。
私はそっと目を閉じて、 3人の腕の中に身を預けた。 大切にされて、包まれて、 愛されてるって分かる夜。
少し息を吐いたら、 兄者さんが頬に軽くキスみたいに触れて、 弟者さんが腕をぎゅっと抱き寄せて、 おついちさんが指を絡めたまま囁いた。
兄者
甘くて、幸せで、胸いっぱいになる夜は、 静かにゆっくり更けていった。