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【選択肢で結末が変わる】ホラー短編集

第16話 - 「イカレッテル　Bルート①」

2021年08月22日

#ホラー

#ミステリー

#短編

#短編集

#一次創作

#ノベル

さつまいも

うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ

秋斗

うわああああああ！！！！

一弥

な、んだ、あいつ！？

雅也

や、やばいやばい！！

雅也

逃げろ！！

俺たちは必死に逃げた

足がもつれる、動かない

ダメだ

このままだと、追いつかれて！！

死ぬ！！

秋斗

ち、畜生が！！

雅也

何やってるんだ秋斗！！

雅也

はやくしろ！！

一弥

放っておけ！！

一弥

もうこいつはダメだろ。さっさと逃げるぞ雅也！！

雅也

く、くそ。

秋斗

ま、待ってくださいよぉ！！

なんだってこんなことに

……そもそも

この二人の無責任で卑しい先輩が

俺をこんな目にしているんじゃ？

一弥

はぁはぁ。

一弥

……よし、出口が見えたぜ。

雅也

あ、あぁ。

雅也

これで、出られるね！！

そうだ

行くときにも考えていたじゃないか

こんなやつら死ねばいいって

一弥

こんなところさっさとおさらばだ！！

雅也

あっはは。意外と化け物も足が遅いね。
死ぬかと思ったけど、これで助かる！！

一弥

悪ぃが秋斗、助ける余裕なんてねぇから仲良くやってろ！！

一弥

じゃあな！！

だから

行かせるかよ！！

秋斗

ま、待てよ！！

一弥

なっ！？てめぇ！！

俺は一弥先輩の腕を掴んだ

一弥

は、離せこの野郎！！

秋斗

行かせねぇよ！！

雅也

ふ、二人とも何やってるんだよ！？

秋斗

お前が、こんな所に連れてきたんだろうが！！

秋斗

おらっ！！

一弥

……ぐっ！

掴んでいた腕をぐいと引っ張り一弥先輩は勢いよく地面に身を打ちつけた

転んでいる隙に全速力で玄関の扉まで駆ける

後ろで「テメェゆるさねぇぞ」と言う怒号が聞こえる

ざまぁみろ

率直にそう思って目的の出口までたどり着いた

秋斗

お前らが悪いんだからな。

俺はガラス戸を全力で押さえつける

二人が出られなくするためだ

雅也

秋斗、お前、こんなことしてる場合じゃないだろう！！

一弥

ちっ。こら！！

一弥

開けろや！！

バァンッ！！

一弥先輩の蹴りと雅也先輩の必死の抵抗によって、扉はいまにも押し開けられそうだ

でも

死んでしまえ

俺は二人への憎悪を全面に出し化け物が早く迫ってくるのを待った

一弥

おいこら、キチガイやろう！！

一弥

何が気に食わねぇんだ？

一弥

俺らがそんなに憎いか？え？

一弥

マジで、この扉開けねぇとぶち殺すぞこら！！

雅也

秋斗、頼むから開けてくれ！！

尚も二人は物理的にも精神的にも鬼気迫る抵抗を見せるがもう遅い

秋斗

許さないからな。

秋斗

お前らの死ぬ姿を見届けてやるよ。化け物に殺される様を想像するだけで、溜飲が下がるようだよ！！

一弥

てっんめぇ！！

ァァァァァァァアア

声が近くなった

ァァァァアアアアアアアア

ドスドスドスドス

足音も近くなる

　二人の様子は見るからに変化した

雅也

秋斗ッ！！本当に、本当に悪かった。

雅也

俺が悪かったから、頼むよッッ！！

一弥

く、くそが。ちっ。あ、秋斗。

一弥

いや、俺も口が悪かった。いや、態度も悪い。それは、本当に……。

秋斗

今更、もう遅いですよ。

秋斗

先輩二人とも、醜く死んでください！！

雅也

頼むよぉ！！

アアアアアアアアアアアア

ドスドスドスドス！！

雅也

……分かった。秋斗。こうしよう。

雅也

一弥は最低な奴だ。お前に対しての意地悪の度が過ぎてる。イジメだよね。

一弥

なっ！！こいつッ！！

雅也

それは僕も前から思っていたし、正直言ってこいつは嫌いだったんだ。

雅也

傲慢の塊さ。まるで自分が世界の中心にいるかのように振る舞って、王様気取りだよ！！

雅也

こんな身の程知らずなやつは、秋斗の言う通り死ぬべきだよ。僕も手伝う！！

雅也

だから、この扉を開けて僕だけでも出してくれ！！ほら、僕の家、ちょっと裕福だろう？

一弥

お前、殺すぞコラァ！！

一弥先輩は思い切り雅也先輩の頬を殴った

ァァァァァァァアアアアアア

ドスドスドスドス

化け物の声と足音はもうすぐそこだ

しかし雅也先輩はアッハハと笑い出し一弥先輩には目もくれず、扉に張り付いて唾を飛ばしながら話しだした

雅也

ほら、見ただろう！？

雅也

秋斗も一弥のこんなところは何度もできただろうし、されたこともあるだろう！！！！

雅也

うんざりだとは思わない？

雅也

こんなやつ、殺した方がいいよね！？

一弥

お前の方がクズだろうが！！

雅也

ねぇ、ねぇ、ねぇ秋斗！！

雅也

僕を出して、こいつが死ぬ様を二人で見ていようよ！！

もはや絶叫に近かった

……許さない

秋斗

雅也先輩も同類ですよ。

雅也

……え？

秋斗

一弥先輩の隣にいて、いつもただ見下してきたり、一緒になって面白くて笑ってたじゃないですか。

雅也

そ、んなことは。

秋斗

……だから。

秋斗

大人しく死んでください。

雅也

秋斗ぉぉ！！！！

アアアアアアアアアアアアア

ドスドスドスドス！！

弱々しい月明かりが差し込んでいて薄らと廊下の奥に化け物の顔が見えてきた

鼠取りに掛かっている獲物を見つけて歓喜しているように見える

二人も奥から迫る女の顔を認め血の気は完全に失せていた

雅也

頼む………本当に、頼むよ秋斗。

一弥

秋斗、お前にしたことは悪かった。
謝って許されることじゃねぇ。

一弥

でもな、お前のしてることはもっと許されねぇことになる。俺のしたことを許せないのなら、義理を通して俺たちを助けるしかねぇだろ。

一弥

同じこと……いや、もっと悪いことをすることになるんだぜ！！

雅也

そうだよ、秋斗！！

雅也

僕たちを本気で殺すつもりなのかい！？

秋斗

俺は……。

貴方の選択で結末は変わります運命を切り拓きましょう

B-② 見殺しにする

B-③ 助ける

さあ貴方の運命や如何に……

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