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異世界に行くからね……5

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異世界に行くからね……5

1 - 異世界に行くからね……5

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60

2019年03月02日

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セイラ

……………………

セイラ

……うぅ、身体中が痛い

セイラ

……あれ

セイラ

あっ!

セイラ

そうだ!わたし

セイラ

パイプから落ちたんだった!

セイラ

琴葉!?

琴葉

琴葉

琴葉

……セイラ?

琴葉

……そうだ!

琴葉

わたしたち……
パイプから落ちて

セイラ

そう!
良かった、無事で

琴葉

高さ2階だったもんね?

琴葉

ああ……

琴葉

あ!

琴葉

あの女!

セイラ

!!

セイラ

そうだ……

セイラ

あいつがいるんだった

琴葉

どうする??

琴葉

こんな所で座り込んでらんない!

琴葉

どうしよ!?

セイラ

うん……

セイラ

とりあえず、さっき隠れたところに行こうか

セイラ

そこで少し休もう

琴葉

うん

セイラ

歩ける?

琴葉

う……うん
何とかね

セイラ

じゃあ、できるだけ素早く行こう

琴葉

何とか着いたね

琴葉

あの女がいなくて良かった

セイラ

でも……どこに行ったのかな……

琴葉

あああっ!

琴葉

思い出した!

セイラ

え?

琴葉

わたし……

琴葉

あの女に足を引っ張られて
パイプから落ちた!

セイラ

ええ!??

セイラ

そうだったん!?

琴葉

うん。
思い出した

セイラ

……じゃあ、その足首のアザは?

琴葉

はい?

琴葉

うあああ!

琴葉

こんなアザが……

琴葉

引っ張られたときに出来たのかな……

琴葉

怖い……

セイラ

……はやくこの世界から出ないと

セイラ

どうしよう……

琴葉

ちょっとこの マンションを見て、使えるところがないか考えよう

セイラ

そうだね。

セイラ

じゃあ見に行こう

セイラ

……うそでしょ?

マンションのまわりに数十体の……

『あの女』がいた

さっきのパイプやエレベーターの近くには特に沢山いる

セイラ

嫌!……何でいるのよ

琴葉

……どうする……?

琴葉

これじゃあ逃げられないよ!!

セイラ

…さっき思い切ってエレベーターに突っ込んじゃえば良かったね……

セイラ

……………………

琴葉

エレベーターを使わずにこの世界から出る方法は無いのかな……

セイラ

まって、調べてみる

セイラ

もうっ、最悪!

セイラ

この世界ではスマホ使えないんだった!!!

セイラ

やっぱりエレベーター使うしかないんだ!!

琴葉

あああっ!!?

琴葉

あの女……増えてる!!!

セイラ

ええっ!?

琴葉

ほら、さっきよりも絶対数が多いよ

セイラ

ほんとだ……

セイラ

……

セイラ

ねえ、琴葉

セイラ

もう、エレベーターに突っ切っちゃわない?

琴葉

え……

セイラ

だってさ、もうここにいてもあの女の数が増えてくだけでしょ

セイラ

これ以上多くなる前にエレベーターに入ろうよ

セイラ

エレベーターのドアが閉まれば大丈夫だと思うし

琴葉

………………

琴葉

そうだね……

琴葉

やろう!!

セイラと琴葉はエレベーターホールの前までやって来た

セイラ

じゃぁ……一気に突っ切るよ?

セイラ

エレベーターに入ったら、すぐに閉めるのボタン押してね……

琴葉

うん……

セイラ

いくよ

セイラ

せーの!!!

琴葉

……っ

セイラたちは数十体の女たちの間を突っ切り、エレベーターへと駆け込もうとした

セイラ

きゃああああ!!

琴葉

セイラ!?

琴葉

ああ!!

セイラだけが女たちに捕まってしまった

琴葉

セイラ!!!

だが、琴葉がエレベーターに入った瞬間にボタンを押したため、 琴葉だけが乗った状態で扉が閉まってしまった

琴葉

そんな!

琴葉は慌てて開くボタンを押そうとするが……

セイラ

だめ!!!琴葉……

セイラ

危ない……!

セイラ

来ちゃダメ……!!

琴葉

……!

セイラの言葉と女たちの迫力で 琴葉は動けなくなってしまった

琴葉

………………っ

エレベーターが静かに閉まり 動き出した

階のボタンを押してないのにどうしてエレベーターが動いたのか 一体どこに向かっているのか

そんな事は、琴葉には考えられなくなっていた

琴葉

……

琴葉

…………

時間が過ぎる

琴葉が気づいた時には、 エレベーターは1階にいた

琴葉

……!

外は人で賑わい、車も通っている

琴葉

……元の世界に……戻れたの?

琴葉

……わたし、だけ……?

元の世界に戻ってこれた

琴葉だけ

あんなに元の世界に戻ろうとして それが今実現したのに

琴葉は喜ばない

琴葉

いや……

琴葉

なんで私だけなのよ!!

琴葉

セイラは…私を助けに来てくれたのに……

琴葉

そのセイラが……
元に戻れないなんて……

琴葉

また、異世界に戻らなきゃ…

琴葉

セイラを助けに行かないと…

エレベーターへと顔を向けると、

一体いつ誰がしたのか、 エレベーターのドアは閉まりそこに 『故障中』と書いた紙が貼ってあった

琴葉

ええっ!?

琴葉

どうして!!

ボタンを押しても反応しない

琴葉

うそでしょ?

琴葉

なんで!!

琴葉

これじゃあセイラが……

琴葉

どうすればいいの??

琴葉

エレベーター直るまで待つしかない

琴葉

セイラ……ごめんね

琴葉

必ず行くから……

琴葉

お願い……待ってて…

だが

何日、何週間経ってもエレベーターの故障は直らなかった

さらに___

琴葉

ええ!?

ある日、マンションの周りに 『安全第一』の柵が……

琴葉

……そんな

このマンションは なぜか取り壊される事になった

琴葉

セイラ……

琴葉

いやだ!!

琴葉

なんで!?

だが、セイラが異世界に取り残されたまま戻ってきていないことは、琴葉しか知らない

言ったって誰も信じてくれないのだから、ずっと心の中にしまい込んでいる

いなくなったセイラのことを聞かれても、何も知らないとしか言えなかった

琴葉

……セイラ…ごめんね

琴葉

私……どうすればいいの…

琴葉は工事現場の前で呆然と立ち尽くしていた

琴葉

(こんなことになるなら……
最初から異世界になんて行かなければ良かった)

琴葉

(セイラがいない所でクラスメートからイジメられていたくらいで……)

工事の人

あ、きみ!

琴葉

……!

工事の人

だめだぞ、こんなところにいちゃ

工事の人

危ないから離れててね

琴葉

は……はい

琴葉

すみません

くらい夜

琴葉は自分の部屋で窓の外を 眺めていた

琴葉

…………

琴葉

(私の力じゃどうしようもできない……)

琴葉

(でも、すべて私のせい
何とかしなきゃいけない)

琴葉

(私が異世界に行くなんて馬鹿なことしたから……)

琴葉

(それでセイラは私を追って異世界に来て……)

琴葉

(出ようとした時に捕まって……)

琴葉

(私は何も出来なくて……)

琴葉

(そのまま、逃げて……)

琴葉

(私は、最低最悪な人間だ)

琴葉

(大事な親友を見捨てて)

琴葉

(自分だけ逃げて……)

琴葉

……………………

私は、どうすればいいの?

その後、別のエレベーターを使って異世界に行く方法を試してみたが、何も起きなかった

結局、セイラは行方不明のまま 数年が過ぎた 琴葉は自分を責め続けた。 食事も喉を通らず、精神的にも限界が来ていた

ついに琴葉は 自分の罪に耐えきれずに 自殺してしまった

琴葉

ごめんね……セイラ

琴葉

最低最悪な親友で

琴葉

私を……たくさん憎んで

琴葉

私は……異世界に……行ってくるよ

琴葉

セイラとは別の……

琴葉

異世界

最後まで読んでくれてありがとうございました!!!!

♥お願いでーす!

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